哀愁の赤谷鉱山 (3) [鉱物 (新発田市・赤谷鉱山)]
赤谷鉱山は大きく3つの鉱区に分かれます。
以下、それぞれの鉱区の概略です。
(a) 場割沢鉱区
赤谷鉱山の開発当初、鉄鉱の露頭の数は55を数えたが全て掘り尽くし、1950年代後半から深部の採掘に移行した。1960年現在、場割沢鉱床区が最も規模が大きく、鉄鉱石の産出量の9割を占めている。
鉱床は370~500mレベルに点在する。
(b)スダチ沢鉱区
スダチ沢と篭久保沢の合流地点付近に点在する鉱床群の総称。
場割沢鉱床では黄鉄鉱及び黄銅鉱を主とする銅鉱床(必ず赤鉄鉱を伴う)も見られるが、スダチ沢鉱区では銅鉱床は稀である。
(c)水無沢鉱区
赤鉄鉱鉱床は小規模だったが、新鮮なスカルンが見られた。
具体的には灰鉄輝石を主とし、少量の珪灰石、灰ばん~灰鉄柘榴石、緑簾石、方解石、石英から構成される。
このタイプのスカルンは不規則塊状をなし、結晶質石灰岩中に広く分布する。
参考文献:
以下、それぞれの鉱区の概略です。
(a) 場割沢鉱区
赤谷鉱山の開発当初、鉄鉱の露頭の数は55を数えたが全て掘り尽くし、1950年代後半から深部の採掘に移行した。1960年現在、場割沢鉱床区が最も規模が大きく、鉄鉱石の産出量の9割を占めている。
鉱床は370~500mレベルに点在する。
(b)スダチ沢鉱区
スダチ沢と篭久保沢の合流地点付近に点在する鉱床群の総称。
場割沢鉱床では黄鉄鉱及び黄銅鉱を主とする銅鉱床(必ず赤鉄鉱を伴う)も見られるが、スダチ沢鉱区では銅鉱床は稀である。
(c)水無沢鉱区
赤鉄鉱鉱床は小規模だったが、新鮮なスカルンが見られた。
具体的には灰鉄輝石を主とし、少量の珪灰石、灰ばん~灰鉄柘榴石、緑簾石、方解石、石英から構成される。
このタイプのスカルンは不規則塊状をなし、結晶質石灰岩中に広く分布する。
参考文献:
赤谷鉱山付近の地質と銅鉱化作用 (鈴木雄一)
赤谷鉱山の地質と鉱床 (森田宏)
その他
さて、まずスダチ沢右岸に現れた巨大な坑口を紹介します。
横幅5~7mくらいありそう。
冷気がぶわ~と吹き出しています。
異世界への入り口が眼前にありました。
右端のネットの切れ目からカメラを潜り込ませ、内部を写してみました。
斜坑です。
柵がなくても入ろうという気にはならないでしょう。
地底からのエネルギーがもろに噴出しています。
福島県の阿武隈洞など、観光用に管理されている鍾乳洞で感じるエネルギーに比べると、よりプリミティブでパワフルです。
坑口手前の地面の一部です。黄鉄鉱や黄銅鉱、鏡鉄鉱で覆われています。
接写してみました。
背中に視線を感じて振り向くと、近くの尾根にいたカモシカと目が合いました。
カモシカ君は1~2分後、威嚇するような声を発しながら走り去っていきました。
ようやく篭久保沢との合流地点にたどり着きました。
沢登りをやる人の遡行記によると、スダチ沢はこの先しばらく伏流となるそうです。
参考文献に上げた資料の地図では、この合流地点から先はスダチ沢から水無沢に名称が変わっているのですが、その理由は部分的に伏流となるからのようです。
新鮮なスカルンが見られるという水無沢鉱床も魅力的なのですが、この鉄の橋から先、道の痕跡はほぼ消えており深いヤブに覆われています。
従って、水無沢鉱床を目指す場合はここから沢沿いに遡行するしかなさそう。
篭久保沢の左岸にもかすかな踏み跡は残っていますが、路肩が部分的になきに等しくなっているので沢歩きをしたほうがラクそうです。
篭久保沢に入ってすぐ、右岸に大きな坑口が見えてきます。
そして、それほど間隔をおかずに2~3個の巨大な坑口が並んでいる様子がわかります。
圧巻です。
(補足:これらの坑口は水路坑であることがわかりました。)
左側から順番に撮っています。
どの坑口も入り口は緑のネットと鉄柵で封鎖されています。
これが一番右側~上流に位置する坑口。
下に隙間があるのでそこからカメラを潜り込ませ、内部を撮りました。
左右に坑道が伸びているようで、こちらは右側奥方向。
壁面の地質は、右端で緑泥石に変化しているのが見て取れます。
左側には苦灰石(ドロマイト)と思わしき塊も見られました。
おそらく、左手に連続している2つの坑口も内部でつながっているものと思われます。
最後の坑口を過ぎ、小滝を超えるとすぐに写真の堰が出てきます。
そこから先はこのように優しい渓相となります。
先には篭久保沢鉱床もあるのですが、地質図を見ると鉱床は沢沿いではなく、かなり上のレベルにありそうなのでここで引き返しました。
沢を下り始めると、右手には巨大な石灰岩の岩壁がそびえています。
持倉鉱山の本山へ行く途中でも、これと同じような光景が見られます(まだ行ったことないのだけど)。
赤谷鉱山の地質と鉱床 (森田宏)
その他
さて、まずスダチ沢右岸に現れた巨大な坑口を紹介します。
横幅5~7mくらいありそう。
冷気がぶわ~と吹き出しています。
異世界への入り口が眼前にありました。
右端のネットの切れ目からカメラを潜り込ませ、内部を写してみました。
斜坑です。
柵がなくても入ろうという気にはならないでしょう。
地底からのエネルギーがもろに噴出しています。
福島県の阿武隈洞など、観光用に管理されている鍾乳洞で感じるエネルギーに比べると、よりプリミティブでパワフルです。
坑口手前の地面の一部です。黄鉄鉱や黄銅鉱、鏡鉄鉱で覆われています。
接写してみました。
背中に視線を感じて振り向くと、近くの尾根にいたカモシカと目が合いました。
カモシカ君は1~2分後、威嚇するような声を発しながら走り去っていきました。
ようやく篭久保沢との合流地点にたどり着きました。
沢登りをやる人の遡行記によると、スダチ沢はこの先しばらく伏流となるそうです。
参考文献に上げた資料の地図では、この合流地点から先はスダチ沢から水無沢に名称が変わっているのですが、その理由は部分的に伏流となるからのようです。
新鮮なスカルンが見られるという水無沢鉱床も魅力的なのですが、この鉄の橋から先、道の痕跡はほぼ消えており深いヤブに覆われています。
従って、水無沢鉱床を目指す場合はここから沢沿いに遡行するしかなさそう。
篭久保沢の左岸にもかすかな踏み跡は残っていますが、路肩が部分的になきに等しくなっているので沢歩きをしたほうがラクそうです。
篭久保沢に入ってすぐ、右岸に大きな坑口が見えてきます。
そして、それほど間隔をおかずに2~3個の巨大な坑口が並んでいる様子がわかります。
圧巻です。
(補足:これらの坑口は水路坑であることがわかりました。)
左側から順番に撮っています。
どの坑口も入り口は緑のネットと鉄柵で封鎖されています。
これが一番右側~上流に位置する坑口。
下に隙間があるのでそこからカメラを潜り込ませ、内部を撮りました。
左右に坑道が伸びているようで、こちらは右側奥方向。
壁面の地質は、右端で緑泥石に変化しているのが見て取れます。
左側には苦灰石(ドロマイト)と思わしき塊も見られました。
おそらく、左手に連続している2つの坑口も内部でつながっているものと思われます。
最後の坑口を過ぎ、小滝を超えるとすぐに写真の堰が出てきます。
そこから先はこのように優しい渓相となります。
先には篭久保沢鉱床もあるのですが、地質図を見ると鉱床は沢沿いではなく、かなり上のレベルにありそうなのでここで引き返しました。
沢を下り始めると、右手には巨大な石灰岩の岩壁がそびえています。
持倉鉱山の本山へ行く途中でも、これと同じような光景が見られます(まだ行ったことないのだけど)。
まとめると、ズリは坑口群の連続する山奥まで行かなくても、A地点からスダチ沢に入るあたりまでの区間にも断続的に小規模なズリが出てきます。
赤鉄鉱や鏡鉄鉱でしたらそこでも十分に良質なものが採取できるので、苦労して奥まで行く必要はありません。
スダチ沢鉱区の坑口付近にあって下流側のズリにないもの、それは黄鉄鉱や黄銅鉱の自形結晶です。
ぼくはまだ飯豊鉱山に行ったことはないので比較はできないのですが、最大1cm程度の結晶しか目に付きませんでしたが、自分としては十二分に感動しました。
今回、初めてということで鉱物探しに充てた時間はわずか30分くらいしかありません。
歩くのに必死で、ルートファインディングに神経をすり減らしたので、そこまで余裕がなかったのです。
道の現状ですが、スダチ沢に入って間もなく現れる堰堤までは踏み跡は明瞭です。
しかし、そこから先は徐々に不明瞭になっていくので、ヤブが濃くなる季節は苦労しそう。
次回があるかどうかはわかりませんが、もしまた行く機会があったら今度は水無沢鉱区まで足を伸ばしてみたいです。
赤鉄鉱や鏡鉄鉱でしたらそこでも十分に良質なものが採取できるので、苦労して奥まで行く必要はありません。
スダチ沢鉱区の坑口付近にあって下流側のズリにないもの、それは黄鉄鉱や黄銅鉱の自形結晶です。
ぼくはまだ飯豊鉱山に行ったことはないので比較はできないのですが、最大1cm程度の結晶しか目に付きませんでしたが、自分としては十二分に感動しました。
今回、初めてということで鉱物探しに充てた時間はわずか30分くらいしかありません。
歩くのに必死で、ルートファインディングに神経をすり減らしたので、そこまで余裕がなかったのです。
道の現状ですが、スダチ沢に入って間もなく現れる堰堤までは踏み跡は明瞭です。
しかし、そこから先は徐々に不明瞭になっていくので、ヤブが濃くなる季節は苦労しそう。
次回があるかどうかはわかりませんが、もしまた行く機会があったら今度は水無沢鉱区まで足を伸ばしてみたいです。
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