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妻戸神社付近の地質 [鉱物 (弥彦山周辺)]

弥彦山周辺は素敵な神社仏閣が多く、鉱物探しに訪れるとついでにそれらのパワースポット?に立ち寄ることも多いです。
日本海側で一番のお気に入り、というか聖地No.1は妻戸神社。
神社の詳しい説明は省きますが、この神社の御神体は高さ18mの岩なのです。
一足早い初詣(ぼくは元旦には神社に行きません。前後1週間の間に、気が向いた時に出掛けます)を兼ね28日、妻戸神社へ行ってきました。

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この岩がご神体。
いつ訪れても一帯の雰囲気は極上です。
昨日の石切山もそうでしたが、広葉樹は既に完全に落葉しているのでとても林内の見通しがいいです。
よく見ると、左右の斜面にも大きな岩がゴロゴロしています。

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例えばこんなふうに。
で、まずはこれらの岩をチェック。
弥彦山と角田山とでは地質がやや異なります。
弥彦山塊は新第三紀の地層で、多宝山と弥彦山を結ぶ稜線より西側で寺泊層に整合的に覆われます。
寺泊層と観音寺層は、立岩~矢楯周辺より南側で頁岩と流紋岩質凝灰角礫岩を主体とします。
(参考文献:”新潟県、角田ー弥彦海岸の水中火山岩の産状と見方” by 山岸宏光)
R460を崖松から寺泊野積に向かって海岸沿いを走ってくると、立岩の手前で左手に滝が現れます。
その一帯の岩場と同じく、この岩場も流紋岩質凝灰岩でした。
もちろんご神体の岩も同様。
部分的に緑色凝灰岩が混ざっています。

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意外と周辺の林の中はヤブが非常に薄かったので、岩の頂上の背後に続く尾根まで登り、さらにそこから痩せ尾根を50mほど歩いてみました。
さすがに途中から蜜ヤブに覆われてきたので引き返しましたが、御神体の岩のてっぺんに立つのは思ったより容易でした。


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ここがピーク。
葉っぱが全く付いていないこの時期でも、木の枝が邪魔で展望はあまり利きません。
なんとか日本海は見えますが。
昔々、この岩の上に天香山命(アメノカグヤマノミコト)は座り、大和に残してきた奥さんのことを偲んだのでしょうか。
ここで簡単に天香山命の知られざるプロフィールの一部を紹介しましょう。
彼の名前は、丹後国の籠神社の社家を代々務めてきた海部氏の系図に出てきます。
海部氏の始祖・天火明命(アメノホアカリ)の息子が彼。
海部氏は邪馬台国連合の一角をなす豪族で、女王・卑弥呼をも排出しています。
当時は既に邪馬台国は権力争いのため弱体化しつつあり、天香山命は自分がリーダーになろうと野望を抱いていたのでした。
しかしまだ自分の一族だけの力では邪馬台国連合に勝利することは無理だったので、中央進出を目論んでいた伊都国の神武(=アマテラス族)を味方につけ、彼らを助っ人として大和へ導き入れる案を考え、実行しました。
ところが天香山命の思惑とは異なり、神武は自分が王権を奪ってしまいます。
仕方なく天香山命は神武に従うことにしました。
その後、神武による中央集権(=ヤマト王権)が確立されると、天香山命ら旧体制派の重鎮たちは僻地へ追いやられ、冷や飯を食わされることになります。
かくして越後国へ派遣された天香山命は地元民に農耕をはじめとする様々な知識を伝え、善政を敷きます。
しかしながら数十年後、崇神天皇は北陸・東海・西道・丹波に四道将軍を派遣、同盟国であったはずのこれら4国を制圧します。
そのとき天香山命も、中央から派遣された軍に暗殺されたのでした。
天香山命の遺体は彌彦神社の奥の院に埋葬されました。
以来、アマテラス族は彼の魂を鎮める、いわゆる封印の儀式(=鎮魂祭)を執り行っています。
宮中以外で鎮魂祭が行われているのは、彌彦神社、石上神宮、物部神社の三箇所のみ。
彌彦神社では今でも年に1回、鎮魂祭が執り行われていますが、関係者は誰もその本当の理由を知らないと思います。
ここに駆け足で述べた歴史観は主として次の本に基づくものです。
「伊勢神宮に秘められた謎」坂本政道著(ハート出版)
この本を含め、坂本氏のいわゆる古代史三部作には大いに感銘を受けました。
あくまで個人的な見解ですが、謎の多い古代史のパズルのピースがうまくはまるのです。


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かなり入念に玉髄脈が出ていないか調べたつもりですが、残念ながらこれだけでした、玉髄の片鱗を伺わせるものは。
キノコに見えますが、一応硬いです。

あと、この近くに即身仏を安置していることで有名な西生寺というお寺があります。
弘智法印が入定した岩屋が寺から数百メートル離れた山中にあるのですが、そこも来年中に訪れてみたい。
岩と名のつく名所旧跡は片っ端から制覇したい。
以前一度行こうとしたことがあるのだけど、100mほど進んだ所で踏み跡が途切れ、猛烈なヤブとなったので撤退したことがあります。
今年はもう無理ですが、雪がなければ2~3月中に一度その岩屋を訪れてみたいです。



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