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東赤谷の星空 [星景写真(新発田市)]

五十母川がダメだったので、次に向かった先は東赤谷。
天気がいいので星見に切り替えです。
といってもどこで撮ろうか、アイデアはなかなか湧いてこず、とりあえず滝谷森林公園付近の山中で場所探ししようかなと。
それであちこち歩き回っていたら、格好の場所を発見。
そこからは左手に焼峰山、中央奥に蒜場山の稜線の一部、右手に俎倉山を一望できるのです。
つまり、飯豊連峰前衛の山を一網打尽にできます。
北東~東にかけてのスペシャリスト。

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EOS R改 + RF15-35mm F2.8L IS USM (24mm・固定撮影)

滝谷森林公園が左手の森の中にありますが、ここまで外灯の明かりは届きません。
限りなく光害はゼロです。
正面が焼峰山。
このあとすぐオリオンが昇ってきました。
ますますシーイングが良くなってきたので、あたふたとポタ赤を設置し、追尾撮影開始。

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EOS R改 + RF15-35mm F2.8L IS USM (24mm・追尾撮影)

右から俎倉山、蒜場山付近の稜線、左に焼峰山。
星空部の総露出時間は前回同様約20分ですが、前回より散光星雲の発色が良くなりました。
アトラス彗星も写っております。
(ただし、35mm側に比べると24mm側は周辺部のコマ収差が多い。)
同じ構図で固定撮影バージョン(Sequator利用)も撮ってみましたが、全然クオリティーが違います。
追尾撮影の良さを新たに認識したのでした。
ところで、東赤谷と言えば赤谷鉱山で働く人達が住んでいた鉱山集落でした。
ぼくもかすかに東赤谷集落の記憶が残っていますし、赤谷線に乗車し、東赤谷駅で降りたことも2回ほどあります。
当時のことに思いを馳せながらのスターウォッチングでした。




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五十母川に異変あり [鉱物 (阿賀町・持倉鉱山)]

17日夕方、持倉鉱山事務所の廃墟をバックに星景写真を撮るべく現地へ向かいました。
ところが県道17号線に出たところで通行止め。
なんと、橋の付け根の所で道路が半分くらい陥没しているのでした。
これは復旧工事に時間がかかりそう。
間違いなく年越しですね。
そろそろ蛍石探しに、来週中に最終堰堤まで行こうと計画していたのですが肩透かし。
一応20分ほど歩いてから河原へ降り、1時間ほどUVライト片手に蛍石を探したのですが、7月の大雨の時に発生したのか、大量の土砂が左岸に流れ込んでおり、広範囲に渡って土砂が30cmくらい堆積していました。
土砂は安山岩や凝灰岩が主。
もちろん蛍石などあろうはずもなく。

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上流でも多かれ少なかれ土砂の流入はあっただろうから、河原での蛍石探し、難しくなりそうです。
通行止めの地点(チェーンで施錠されています)から歩くと、持倉鉱山事務所跡まで30分余分に歩かないといけません。
合計50分も見ておけば大丈夫なのですが、生々しい土砂の流入を目の当たりにし、意気消沈してしまったので早々に次の目的に向かったのでした・・・




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ミカンのようなメノウ [鉱物(阿賀野市)]

16日、今やホームとも言える、表五頭の小沢へ行ってきました。
下流の方は特にボサがひどく、また虫もすごいのでまだ完全に遡行したことがありません。
頃合い良し、虫もほぼ姿を消したし落葉も進んできたので割と見通しがよく、1時間だけですがじっくり鉱物ウォッチングを楽しみました。

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思ったより水量が多く、小沢ながらも沢歩きモード全開。
もちろん足元は沢シューズを履いています。長靴でも大丈夫ですが。
こういう小さな落ち込みは見逃せません。
ここでは、はっきり六角柱の形状がわかる小さなクラスターを発見。

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この日もライトが大活躍。
落ち込みの岩の後ろを身を屈めて覗き込むと、かなりの確率で大きな玉髄を見つけることができるのです。
この日最大の大物(長さ約20cm)も、そんな岩場の陰で発見。

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この産地では板状の玉髄は多いのですが、これはちゃんと錐面が明確にわかる犬歯状の結晶が真ん中にサンドイッチされています。
色は黄色~橙色で、部分的にかなり濃いです。
厚みも2cm以上ありました。

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これは50cmくらいのかなり大きな岩に露出していたもので、結晶もあまり摩耗しておらず、見事なクラスターと言えるでしょう。
この沢の主でしょうか。
もちろん写真を撮っただけ。
素晴らしい出会いに感謝です。

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そして、やはりちょっとした落ち込みの岩の陰で、非常にユニークなメノウを見つけました。
横幅9cm、厚さ2.5cm、まるでミカンのような玉髄。
色も非常に鮮やかで、こんな石はミネラルマルシェでも見たことがありません。

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明るいLEDライトを照射すると、見事に透過しました。
UVライトで蛍光もしたのですが、こちらの透過光の方が美しかったので、今回は透過光の写真を掲載します。

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他の玉髄でも試してみました。
こちらはゴルフボール大の、厚みのある玉髄。
LEDライトによる透過光写真はセッティングが難しいのですが、その鉱物なりパワーストーンの新しい魅力を引き出してくれそうです。



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二王子神社旧参道からの星空 [星景写真(新発田市)]

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EOS R改 + RF15-35mm F2.8L (35mm)

14日、最初高坪山の東側、標高180mにある展望地へ行ったのだけど、杁差岳~二王子岳にかけての稜線上に目立つ星座が位置していなかったので場所移動を余儀なくされました。
2箇所点々としながら、結局落ち着いた先はここ。
標高130mと決して高くはありませんが、山麓を幾重にも南北に走っている送電線ラインより内側(山頂側)に位置しているので邪魔者はいない(笑)。
ここまで来ると麓の集落の光害とは無縁になるし、スカッと晴れた好天の元、今年1,2を競う満点の星空に恵まれました。
写真はいわゆる新星景の手法で撮影し、星空部は追尾しています。
本当は総露出時間40分のつもりで撮影したのだけど、半分近くの最初のコマがガイド不良なのかどこかに緩みがあったのか段々状に流れてしまい、使えたコマの総露出時間は22分でした。
それでもこれだけ写れば十分。
昨今流行りのStarNet++を使えばもっと散光星雲の色が出るのだろうけど、まだ使ったことがありません。
そのうち暇なときにじっくり取り組んでみたいとは思っていますが。
尚、この写真は一部お絵描きしています。わかる人にはわかる。
まあ、心象風景の映像として見て下さい。


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飯豊鉱山古岐沢へ [鉱物 (新発田市・飯豊鉱山)]

今年5月15日、初めて飯豊鉱山へ行ってみました。
でも、案内人なしのソロでは坑口にたどり着くのは至難の業であることを悟った次第。
既にその日の時点で新緑がかなり生い茂っていたので、見通しがそれほど良くなかったのです。
多分、坑口の100m以内圏には到達していたと思うのですが、なにせ鬼のような急斜面となっており、坑口を探しながらその急斜面をあっちに行ったりこっちに行ったりというのは体力的にも技術的にも不可能。
結局、あともう一歩というところで撤退。
で、今回は坑口探しをあきらめ、直下を流れる古岐沢の河原の転石狙いで行ってきました。
(あろうことか、今回カメラを持っていくのを忘れてしまったので、写真は全てスマホでの撮影になります。画質悪いけどしょうがない。)

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ダムサイトから平行に踏み跡が伸びています。
それをまず辿っていきますが、その踏み跡がそもそも悪い。
倒木が道を塞ぎ、鉱石が道沿いに散乱し、非常に歩きにくいのです。
最初の踏み跡(鉱山道)から河原まで結構な高さがあり、容易に降りていけるルートがあるかどうかがまず問題でした。
実は本来の鉱山道はもうひとつあり、ダムサイトから上の広場にあった日曹飯豊鉱山上流集落から現場へ通勤する小道があるはずなのです。
で、その小道へ通じる踏み跡を見つけました。
ピンポイントでそこしかないという場所(そこだけ斜度が緩い)にごくごく小さな谷があり、その谷に沿ってピンクのテープが枝に複数付いていたのです。
意を決して谷を降りていくと、特に途中危険箇所もなく、本来の鉱山道に合流することができました。

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ただし、その鉱山道はほとんど原始に還っており、部分的にしか残っていません。
しかし、目の前に写真のコンクリートの建造物が現れました(最初の地図で、黄色で囲ったところがその場所)。
中は空洞となっており、橋桁のような雰囲気。
おそらく索道の支柱でしょう。
位置的にも辻褄が合いますし。

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河原まではまだそこから降りるには傾斜が急すぎるので、しばらく踏み跡を辿っていきます。
すると、ほどなく3段の石垣を発見。
上になにかの施設があったのでしょうか?
念の為上へ行ってみましたが、ヤブが密生しており施設の痕跡は皆無。
コンクリートの建造物から150mほど歩いたところで河原へ降りました。
そこにもピンクのテープがぶら下がっていました。

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河原へ出る直前に、こんな遺物を発見。

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降下地点から下流を眺めるの図。

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こんな感じの渓相がしばらく続きます。
転石は結晶質石灰岩が結構目立ちます。
中には芸術的なまでに純白で光沢感のある立派なものがあり、目の保養になります。
あとは石灰岩と石英でしょうか。

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この崩落地を超えたところでUターン。

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Uターン地点から上流側を写しました。
この辺まで来るといよいよ飯豊鉱山地帯です。
ゴルジュがこの辺から始まり、左へカーブしたちょっと先に最初の滝が現れるはず。
そにれにしても右側から正面にかけて連続している岩壁はほぼ垂直で、ここからは斜面の上にあるはずの坑口へアプローチするのは不可能。

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この写真だけ、今年5月に撮ったもの。
奥に見える滝がこの先に待ち受けているはずの滝です。
この2つの滝は沢登りをやる人の遡行記録によると難なく乗り越えるられるようなのですが、その先に現れる5mの滝が非常に悪く、高巻きでさえも難易度が高いとのこと。
その記録を読んで5m、それに続く7mの滝を越えたあとに右岸に現れる沢沿いの坑口を訪れるのは素直にあきらめました。
今回、沢沿いの転石(ツイッターによると、転石から立派なドロマイトとパイライトを拾った人がいる)探し、及び周辺の地形の確認ともうひとつ、上の写真に見える広場の探索を目的としていました。
つまり、この広場に施設の痕跡がないかどうか、端っこの方にズリがないかどうかのチェック。
ここより一回り小さな広場がすぐ下手側にもあり、どうやらコンクリートの建造物から伸びる踏み跡はこれらの広場に通じているようでした。
実は河原へ降りる前にちょっとだけその広場方面へ行こうとしたのですが、とてもヤブが深く断念。
草薮でなく、つる状の灌木や樹木が生えており、ちょっとしたジャングル状態になっているのです。
既にここにたどり着くまでにかなり体力を消耗していたので深追いはしませんでした。

結局、ゆっくり転石探しをする体力的余裕がなかったがために(これほどヘロヘロになるとは・・・)、パイライトもドロマイトもひとつも見つけることは叶わず。
もう一度行くことがあったら、最初に河原へ降りた地点から下流側を探すと思います。
(多分2回目はないと思いますが。)




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焼峰山に昇るオリオン2 [星景写真(新発田市)]

12日、夕方になっても快晴が続いたので、10月22日の記事の場所と同じところ(新発田市の山中)へ出撃。
しかしなんだか眠い空で、SCWの予報が当たったような予感・・・
今回はポタ赤を持ってきたので、超久々の追尾撮影。
しかし極望を忘れてきてしまったので、ISO3200という高ISOでの撮影となりました。
レンズも今回は標準レンズ(45mm)なので、流さないよう1分での露出。
いつものことながら着いたのがギリギリだったので、ゆっくり露出テストを行う余裕がありません。
なので、セーフティーで1分露出(ISO3200,F4.0)。
現地に着いた瞬間、前回よりさらに内の倉ダムの明かりが焼峰山の山肌に向かって伸びているような気がしたのですが、実際問題、想定より明るく写ったので、やはり光害はかなりあると言わざるをえません。


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EOS R改 + TAMRON SP45mm F1.8 VC
(星空部の総露出時間25分)

画像処理をしてみると過去最強クラスの緑被りに見舞われ、補正しまくってやっとこの程度。
やはり微妙にもやっていたのでしょうね。
帰る頃にはかなり天頂のコントラストが上がったのですが、バーナードループも全然出てないし、流れ星は1個しか見ることができなかったし、なんか釈然としない夜でした。
う~ん、新発田市から手軽に行ける星見スポットなのですが、もっと山奥へ行かないといけないのかなあ・・・
あえて成果を挙げるとするなら、M35の存在に気づいたこと。
左上の端っこの方に大きな散開星団が写っていたのですが、調べてみるとこれがM35でした。
これは美しい!
今度双眼鏡でじっくり眺めなければ。






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白雲母の世界 [鉱物 (村上市・塩野町鉱山)]

7日、図書館へ行き、見落とした箇所がないか改めて「早稲田里山の自然と歴史」(早稲田里山研究会編)を精読。
ぼくがコピーして持ち帰ったのはp2の地図なのですが、p13にも採掘跡を記した地図が載っており、その地図の示す場所は昨日ぼくが見つけた坑口の場所とドンピシャで一致します。
すると、やはりp2の地図は誤りなのだと思います。
このようなことはよくあること。
間瀬郷土史の間瀬銅山各鉱区を現した地図なんて、もっといい加減ですし。

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昨日は3つの石を持ち帰りました。
どれも似たような雰囲気の石で、残念ながら狙っていた柘榴石でびっしり覆われた石は発見できませんでした。
サイズはこれでこぶし大くらい。
高倍率のルーペで見るとすごいんです。

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白雲母(モスコバイト)は今まで馴染みがなく、今回初めてじっくり観察しました。
薄い結晶の層がサンドイッチ状に積み重なっており、独特の味わいがあります。
雲母類は様々な種類があるのですが、基本的にカリウムを主成分とし、古代エジプトや古代ローマの時代から石薬として用いられてきたようです。
現代においては耐熱材や絶縁体として工業用に利用されているほか、ファウンデーションの使用感を向上させるための化粧品材料としても幅広く利用されています。

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金属光沢を示す結晶もあります。
最初輝水鉛鉱かなと思ったのですが、これも白雲母のようです。

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比較的大きめの結晶が別な石に付いていたので、それの拡大。

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1枚目の石の白い部分は石英だと思うのですが、端っこの方にこのように薄い板状に積み重なっている部分がありました。
次のサイトのサンプルによく似た石が取り上げられており、そのサイトではそれを長石であると論じていました。
ですから、これも長石の一種なのか?
ちなみに、長波のUVライトによる蛍光現象は見られませんでした。




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塩野町鉱山の坑口目指して [鉱物 (村上市・塩野町鉱山)]

前日に引き続き、塩野町鉱山へ。
まずは選鉱場跡周辺を改めて歩き回り、それからメインの坑口があるはずの尾根上に向かって踏み跡が残っているかどうかを調べました。

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昨日の写真は全体がよくわからないので撮り直し。
それから左手の踏み跡を辿り、昨日の到達地点からさらに先を目指しました。
すると、いくらも歩かないうちにズリらしき地形を発見、さらに坑口と露天掘り跡を続けざまに発見しました。

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間違いなく坑口です。
2/3ほどが土砂に埋もれており、入り口から1m入ったところで天井が狭くなっているので潜入は不可能。
ライトで中を照らし出してみると、25度前後の傾斜で下へ落ち込んでいます。
奥行きはかなりありそうでした。

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手を伸ばして内部を写してみました。
天井はそこそこ高さがあり、鉄マンガン重石らしき黒っぽい鉱物が析出していました。

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坑口手前のズリです。
近くの細い谷筋にも鉱石が多数散らばっていたのですが、結構石英が目立ちました。

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坑口近くの斜面の岩。
このような組成がひとつのパターンです。

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こちらは近くの露天掘り跡。
ほぼ上部の壁が垂直なので下から見上げただけですが、黒い部分は鉄重石でしょうか。
この鉱山では鉄マンガン重石も採っていたので、黒っぽい岩はそれに見えてしまいます。

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ほぼ埋没していますが、もう一つ坑口がありました。

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ズリに転がっていた石より。
母岩の石英にキラキラした白雲母が付いています。
このような石は昨日も写真に収めましたが、坑口前のズリの石の方が断然白雲母の密集度が大です。

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白雲母がびっしり。
細粒の柘榴石もところどころ付いています。

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ひょっとして、これが鉄マンガン重石?

「早稲田里山の自然と文化歴史」の地図に記載の坑口へ続くであろう踏み跡は結局見つけられなかったので、思い切って尾根に取り付きました。
それにしても、腕力登りはキツイ・・・
途中から部分的に踏み跡の痕跡が出てきたのでホッとしたけど、GPS機器(ガーミン etrex30x)持ってきてよかった。
谷から痩せ尾根に出ると踏み跡はさらに明瞭になりましたが、それなりに灌木が行く手を遮っているので疲労度は半端ない。
登り始めて30分、坑口があるはずの標高240m地点に到達。
しかしそれらしき地形は現れず、踏み跡も消えかかってきました。
結局250m地点まで歩いたところで撤退。
ヤブはそれほどでないけど、密生している灌木や樹木のせいで見通しがそれほど良くないので、坑口が7~8m横にあるのだとしたら気づかないでしょう。
でも、坑口が近くにあるのだったら踏み跡が現れそうなものですが、それはなかったのでもっと先に坑口があるのか?
まあこの日は既に坑口を見つけたので満足度は高く、尾根上にあると思われる坑口は幻に終わっても悔いはありません。
今日は大満足。

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ということでやっとスタート地点よりやや奥の河原に下山。
くだんの尾根は右側になります。
塩野町鉱山へはもう来ることはないと思うけど、もう一箇所、これもつい最近知ったのですが、板屋越にも鉱山があったみたいなのです。
ある文献に塩野町鉱山などと共に名前が出てくるのだけど、ここも訪れてみたい。
産出鉱物は笹川流れからR7にかけての山脈に位置する全ての鉱山共通で、タングステンかモリブデン、あるいはその両方。
ですから真新しい鉱物が見つかるわけではありませんが、地形図を見ると1箇所だけ気になる場所があるので、そこへ一度行ってみたいと思います。

※追記:改めて「早稲田里山の自然と文化歴史」収録の坑口の写真を見てみると、非常によく似ていることがわかりました。ひょっとしたら、これがメインの坑口であり、尾根上にはないのかもしれません。つまり、地図の誤記ということも考えられます。







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塩野町鉱山・選鉱場跡 [鉱物 (村上市・塩野町鉱山)]

新潟県北部(村上市管内)にあった鉱山で、どうしても行ってみたい鉱山がありました。
それが塩野町鉱山。
塩野町という名前が付いていますが、当時はその場所が塩野町に属していたからその名前が付いたのであって、現在は早稲田地区になります。
この鉱山は結構いろいろな文献に出てくるのですが、地図を掲載している資料はなく、具体的な場所を特定できないでいたのです。
ところが2ヶ月前に、とうとう鉱山の位置を記した資料を見つけました。
その資料名は~「早稲田里山の自然と歴史」2018年3月発行~です。
新潟県地質図説明書(S52)にも塩野町鉱山についての記載がありますが、上記の資料の方が詳しく書いてあるので、この資料から一部抜粋します。

「昭和20年前後から昭和34,5年にかけて、草場鉱業㈱と華陽鉱業㈱によって稼行された。・・・鉱物は銅、硫化鉄、モリブデン、タングステン等であった。1953年の生産実績は、重石精鉱200kg(W65%)、水鉛精鉱200kg(Mo85%)が報告されている。」
鉱床形態:鉱染~一部脈状
地質:岩船花崗岩に属する斑状花崗岩が主に分布し、これを東西方向に貫いて含柘榴石両雲母花崗岩が貫入している。
鉱床:含柘榴石両雲母花崗岩中のアプライト質部の一部がポケット状に白雲母・柘榴石によって交代され、その中に輝水鉛鉱・鉄マンガン重石が鉱染したグライゼン鉱床で、脈幅1m、走向長50m、傾斜長10mの3鉱体が知られている。
鉱石鉱物:ポケット状交代部では輝水鉛鉱、鉄マンガン重石がみられ、黄鉄鉱、黄銅鉱、閃亜鉛鉱も伴われる。
脈石鉱物:白雲母、柘榴石、石英

この資料に、選鉱場と採掘坑の写真が載っており、取りあえず選鉱場を目指して行ってみました。

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坑口は例の資料から判断すると、標高230~250mの尾根上にあるようです。
上の写真で、ちょうど正面の杉林の向こう側にあたります。

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1/2.5万地形図には載っていない林道が途中から分岐しており、そこを50mも歩くとこの河原に出ます。
最初ここがズリかなと思ったのですが、自然の崩落地形だったようです。
写真には写っていませんが、すぐ左手にかすかな踏み跡がありました。
踏み跡の入り口にはポカリの空き缶が捨ててあり、それが目印。
ただし、杉林の中に続く踏み跡は不明瞭で、行きは尾根の取り付き部まで最短距離で林内を歩いてアプローチ。
ヤブは浅く、おそらく夏場でも行こうと思えば行けるのではないかと。
しかし、尾根の取り付き部まで来ても、尾根の上に続く踏み跡は見当たりません。
仕方ないので、左横方向に河岸段丘上をトラバース。
そして、まもなく念願の選鉱場跡と思われる3段の石垣が視界に入りました。

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天気は生憎小雨が降り止まず、時刻も既に15時半を過ぎていたので現場は薄暗く、ストロボを焚かないとどうしようもない状態。
カメラ内臓のショボいストロボなので、これ以上離れると光が届きません。
この石垣、3段になっているのですが、もっと引かないと全景は写りませんね。

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この石垣の前に3m四方の広場があり、そこに鉱石が散乱していました。
ズリというほどの量ではないのですが、どれもキラキラした白雲母や輝水鉛鉱が付いています。
先の河原の転石には、このような鉱物は見られませんでした。
石垣の横幅は20~30mくらいでしょうか。
両端に上へと向かう踏み跡があり、一応どちらも歩いてみましたが、それらの踏み跡上にもポツンポツンと鉱石が転がっています。
そのどれにも白雲母が付いていました。
ちなみに、ヤフオクに以前”塩野町鉱山産の鉄礬柘榴石”が出品されていたことがありますが、ぼくが今回見かけた石も全部これと類似の石ばかりでした。
このような石でよければ、選鉱場跡の周辺でいくらでも拾うことができます。


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かつて選鉱場が立っていたであろう丘の裏に回り込むと、両方向からの踏み跡は合流し、左側を流れる小沢(上の写真)を横断し、さらに奥へと続いていました。
今回はここでUターン。
坑口が記された尾根はこの沢の右手の尾根上にあるはずなのですが、踏み跡はもう少し上手で尾根へと進路を変えるのか、それとも比較的平坦なこの林内の奥に坑口が待ち受けているのか、それはわかりません。
例の文献でも坑口は複数個あるニュアンスで書いてあるし、坑口探しは次回のお楽しみということで。
ただ、例の資料に書かれた地図が正しいとすると、標高差は約100mしかないものの、傾斜がかなり急なので、ちゃんとした踏み跡が残っていないと突っ込んでいく気にはなれません。

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今回4つの小さな石を持ち帰ったのですが、基本的にどれも成分は同じ。
白雲母が大半を占めます。
この石に限っていえば、真ん中あたりに濃いグレーの部分が見られますが、これは亜鉛系の鉱物だと思います。

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まだ柘榴石が付いている鉱石を拾ったことがなかったので、柘榴石が付いていないかチェック。
透明な部分は石英ですが(長石の可能性もある)、パラパラと小粒の柘榴石がそこに隠れていました。

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こちらは別な石の部分拡大。
柘榴石の最大サイズ、1.5mmくらいでしょうか。
次回はもっと大きい結晶を見つけたいと思います。

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シルバーの光沢を持つ結晶は白雲母(モスコバイト)。
次回は特に白雲母と柘榴石のさらなる美晶を見つけてみたいです。


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真川の露天掘り跡 [鉱物 (弥彦山周辺・間瀬銅山)]


かつて間瀬銅山の鉱山集落(宿舎・神社・事務所・選鉱所・精錬所・長屋)があった真川の河原を、再度徹底的に探索してきました。

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まずは下流部から。
この堰堤は最終駐車場脇にある堰堤。
ここは比較的簡単に河原へ降りることができます。
左側の岩場に注目。

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一部えぐれている箇所があるのですが、堰堤建設のためにこういう地形になったとも考えられ、この岩場で採掘が行われたのかどうかは不明。
尚、間瀬銅山で採っていた鉱物は、黄銅鉱・黄鉄鉱・閃亜鉛鉱・方鉛鉱など。
鉱脈は第三紀中新世の粗粒玄武岩を貫く閃緑ひん岩です。
真川も、その支流の深ヶ沢も基本的には粗粒玄武岩が主体であり、毛色の変わった岩はほとんど見ません。

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その上流にある堰堤。
右手のこの岩場が今回来たかった場所です(前回の記事で2枚めの写真の岩場)。
下の堰堤から河原を歩いてくると途中で高巻きが必要な小滝が現れるので、なんとか堰堤直下に近く河原へロープを使わずして降りられるルートを探したところ、それを見つけることができました。
かすかな踏み跡を辿っていくと、ピンポイントでゴルジュ状の谷間へ下降することができ、そこから一投足で念願の岩場にたどり着きました。


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思っていた通り、人工的に岩を削った跡が不規則にあちこちにあり、露天掘り跡であることが確定。
深くえぐれている部分、ライトを当ててみると手当たりしだいに掘ったような複雑な形状となっている部分もあり、先人の苦労が忍ばれました。
壁面にはこれといって鉱物の結晶は見当たらず、しかし精鉱したら取り出せるかもしれないと思われる箇所もあることはありましたが、写真を撮るだけに留めました。

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堰堤下から下流部はこんな感じ。
20mほど先に何やら洞窟がありそうなので行ってみます。

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本流は左側の方です。
ここは明らかに露天掘りの跡。
近寄ってみます。

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フムフムなるほど・・・

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周辺の河原には、真川のもっと上流部分の河原よりはるかに高密度で、黄銅鉱や黄鉄鉱、方解石が付着した鉱石が落ちていました。

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これも黄銅鉱と黄鉄鉱の組み合わせ。

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この白い結晶はおそらくマンガン方解石でしょう。
このあとズリに立ち寄り、足場の不安定な上の方で格闘しましたが収穫なし。
真川って思ったよりも面白いです。
探せばまだまだほとんど人が入っていないような場所もありますし、もっと上流の方はさらに未知の部分が大きい。
明治時代は見事な紫水晶も産出した間瀬銅山なので、紫水晶を密かに探しているのですが、今のところ水晶系の玉髄はほとんど見かけておりません。
田ノ浦では小さいながらも、またかなり風化が進んではいますが紫水晶の小片が見つかっていますから、可能性はゼロではないと思っています。






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