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五十川新鉄採石場跡の沸石 [鉱物(山形県)]

日本海を見下ろす大きな岩場がなんともワイルドな、山形県温海町五十川(いらがわ)の採石場跡。
昨年8月初めて訪れたのだけど、どこもかしこもヤブが深く、海に近い磯をちょっと探索しただけでそのときはお茶を濁しました。
11~4月の冬の時期じゃないと、全貌を知るのは不可能。
さて1月26日、波も穏やかなので行ってみたけど、改めてヤブの深さに感心しました。
それでもなんとかぐるりと、一段高い上の踏み跡をたどって一周できたし、屹立する岩場の付け根をあちこち探索できたけど、思ったより沸石は少なかったです。

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踏み跡はしっかりしており、北側から歩いていくとやがて平らな広場に出ます(右端に写っている広場がそれ)。
そこから採石場全体を写した写真が次の1枚。

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どこも見た目以上にヤブが深く、ところどころトゲトゲ系の灌木がはびこっているので気を抜けません。
右側の斜面は急なので、今回探索したのは左半分の一番低い部分。
同じ玄武岩でも間瀬のそれよりはるかに硬く、沸石密度も全然低い。
方解石でさえほとんど見られず、探していて全然予兆が感じられません。
それでも、数は少ないものの小さな晶洞をいくつか見つけたのですが、その晶洞の中にはしっかり沸石が芽生えていました。

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五十川の代名詞、方沸石でしょうか。
やはり方沸石を一番多く見かけました。

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こちらは方解石の、よくあるパターンの産状。
採石場下部の崖下はこれくらいしか鉱物がなく、昨年訪れた海に近い磯へ移動、そこから未知の岩場へ。

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ここは波が荒いと入れない場所。
しかしこの厳しい地形が故に、その谷底?はラストフロンティアといった趣でした。

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晶洞の数も採石場下部の岩場よりあり、写真のような大きめのトムソン沸石(2cm前後)が見られます。
そしてちょっと大きめの、魅惑の晶洞を発見。
といっても入り口の高さは15cmくらいしかなく、カメラのレンズの先端を2~3cm潜り込ませるのがやっとです。


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絵に描いたような方沸石です。
3cmくらいありそうです。

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この方沸石の上の天井には、さらに方沸石やらなんやかやがへばりついていました。
左手前のそれもかなり大きそう(現場では気づかなかった)。
この磯と磯の間の谷間からさらに向こう側の磯は、簡単には行けません。
面積的にはそちらの方がはるかに広いので、本当のラストフロンティアはそこに違いないのですが・・・


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温海ドレライト地帯を歩く [鉱物(山形県)]

新潟・山形県境の鼠ヶ関から五十川(鶴岡市)にかけての海岸線は、温海ドレライト地帯として地質学者の間で知られています。
学術的な説明はコチラのサイトに任せるとして、要は溶岩(玄武岩マグマ)がゆっくり冷えて出来た岩石が、所々美しい柱状節理を伴って展開しています。
新潟県北部の笹川流れは花崗岩でできた海岸ですが、山形県に入るとドレライト(粗粒玄武岩)に変わります。
残暑厳しい18日、初めて温海ドレライト地帯を鉱物調査目的で歩いてきました。

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不動岩、立岩、塩俵岩などの岩礁地帯が連続しますが、なにせ外は暑いので必要最小限しか歩きませんでした。
こちらは立岩。
今回見た中では立岩周辺が最も沸石が多かったと思います。
間瀬海岸や笹川流れとは異なり、玉髄や方解石はほとんど見かけませんでした。
沸石もそれほど多様ではなく、量的にも少なめでした。

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ビジュアル的にはこの海岸が一番印象に残りました。
いかにも溶岩といった感じの岩場が展開するここは、五十川地区の海岸。
ブログ「新潟水晶採集・きれいな石ころ探し」をやっておられる方がここを訪れ、記事にしています。
帰宅後改めて五十川の沸石について調べてみたら、ここは日本で最大級の方沸石の美晶が採れた場所とのこと。
知らなかった。

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山側はこうなっており、昔は採石場だったらしいです。
中腹に続く踏み跡があったのですが、ヤブが非常に深く、中腹の探索は断念。
波も台風の余波でまだまだ高く、探索したのは海岸のほんの一部なのですが、立岩に比べると沸石は少なかったです。

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写真に収めたのはこれぐらいだったかな?
これはトムソン沸石だと思います。

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時系列は前後しますが、ラスト3枚の沸石の写真は立岩とその周辺の岩場で写したもの。
沸石以外の鉱物はほとんど見かけることはなく、ちょっと拍子抜けしたのが正直なところ。
2度目の調査は多分ないでしょう。
それより、碁石海岸~府屋にかけて海に突き出している岬をいつか探索してみたい。
道がないし岩場は切り立っているので、探索可能な範囲はごくわずかだと思いますが、県北の海岸線ではここがラストフロンティアだと改めて感じました。

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