SSブログ
鉱物 (弥彦山周辺) ブログトップ
前の10件 | -

世界線の違う世界 [鉱物 (弥彦山周辺)]

24日、弥彦神社へぶらりと参拝しに行きました。
そのついでに、とある岩礁地帯へのんびりウォーキング。
そのポイントは過去10回近く訪れ、表面採集は既に終えていると思っていた場所なのだけど、今回は我が目を疑いました。
新規の石が多数露出しているではありませんか。
上の方から落下してきたとは、地形を考慮するとあまり考えられない。
帰宅してからも一晩熟慮してみたのだけど、わかりません。
世界線の異なる世界へ足を踏み入れたとしか考えられないのです。
ということで、今回のタイトルが決まりました。
カメラは持って行かなかったので、現地の産状の写真を撮れなかったのが心残り。

IMG_3935.jpg

IMG_3936.jpg

IMG_3937.jpg

個体①

細かい錐面からなる水晶メインの石です。
ここでは水晶や石英もあることあるのですが、全面的に水晶だけで構成される大きな石は初めて見ました。
2枚目が蛍光写真。
基底部の玉髄が蛍光するので一見全面的に蛍光しているように見えますが、透明な水晶部分は蛍光していません。
線上に青白く蛍光している部分は方解石です。

IMG_3938.jpg

IMG_3940.jpg

IMG_3942.jpg

個体②

この場所でゲットした石の中では、過去一二を争うほど素晴らしい結晶です。
透明な部分が水晶で、それ以外は方解石。
水晶の結晶自体は歪ですが、大きさがあります。
2枚目は蛍光写真ですが、蛍光具合もゲージュツ的。
方解石で、ここまで水色に近い発色をしている個体は初めて見ました。

IMG_3947.jpg

IMG_3948.jpg

個体③

くぼみの部分に水晶が入っていますが、それ以外は方解石です。
これも蛍光具合が見事。
同じ白でも、寒色から暖色へのグラデーションが素晴らしい。

IMG_3953.jpg

個体④

IMG_3949.jpg

個体⑤

IMG_3954.jpg

IMG_3955.jpg

個体⑥

このポイントでは典型的な飴色方解石。
飴色の場合は蛍光の強度に個体差があるのですが、これはわりと強めの蛍光を示しました。

IMG_3958.jpg

IMG_3962.jpg

個体⑦

母岩から完全に分離した、方解石だけの個体。
2枚目が蛍光写真なのですが、この個体は蛍光度が弱かったです。
山の神様、ありがとう。






共通テーマ:趣味・カルチャー

多宝山のヒュッテ跡 [鉱物 (弥彦山周辺)]

つい先日、多宝山東麓を流れる沢沿いで石英脈が付いている大きな岩を発見しました。
10月1日、この岩の周辺で他にも石英脈が付いている岩がないか、調べに行ってきました。

IMG_2548.jpg

結局何も見当たらず、斜面を上へ上へと追い上げられ、ついには昨年発見した、石瀬鉱山で最も標高の高い位置にある坑口の前へ出てしまいました(前回の記事とは別の坑口)。
ここも坑口周辺には踏み跡の片鱗が残っているのですが、本来のルートを忠実にトレースすることは不可能だと思います。

IMG_2553.jpg

IMG_2562.JPG

改めて坑道内の壁を念入りにチェックしたら、天井にも黄鉄鉱の脈が浮き出ていることを発見。
どちらの写真の結晶も最大で長辺1cmくらいなので、黄鉄鉱としては全然小さいのですが。

IMG_2564.jpg

坑口を出てから、踏み跡を拾いながらスタート地点へ戻ることにしました。
やはりあちこちで大きな倒木や崩落があり、分断されまくりです。
しばらくは斜面をトラバース気味に踏み跡は付けられており、どうやら尾根を超えて一本北側の沢へ続いているように見受けられました。
そろそろ方向転換して、スタート地点方向へ戻ろうとした頃、上方に鉄パイプみたいな人工物が見えたのです。
そこまで登ってみたら、なんとも形容詞がたい光景が待ち構えていました。
平らな部分に足を踏み入れるとギシギシ音がします。
どうやら落ち葉の下に波板が敷かれているようです。

IMG_2565.jpg

谷側です。

IMG_2567.jpg

こちらは山側。

IMG_2568.jpg

最初は大きな立坑を封鎖した跡ではないかと思ったのですが、すぐに記憶にあるイラストマップの一部が脳裏に蘇ってきました。
県立図書館で見かけたある資料に”ふるさと散策マップ”なるものが載っており、そこに多宝山の滝の名称や、一般には知られていない踏み跡のルートなどが描かれていたのです。
そこに”ヒュッテ”という単語があったのを場所とともに覚えていたのです。
まさにこの場所はヒュッテがあった場所。
ヒュッテの詳細については一切不明。
今度調べてみたいと思います。



共通テーマ:趣味・カルチャー

UVライトが大活躍 [鉱物 (弥彦山周辺)]

そろそろ涼しくなってきたので、沢歩き(石活の沢編)を再開しました。
今年の春、古文書に書いてあった「第六の鉱脈は嘉永年間に発見されたが、場所が場所だけに大っぴらに採掘できず、鉢前と石瀬の稼業人が盗掘したのみ。」を思わせる坑口を発見しました。
坑口は2つあるのですが、うち1つに壁に銅の成分が滲み出た跡が入り口から4~5m先に見られるので、一度入ってみたいと思っていたんです。
しかしながら坑道の高さが低く、四つん這いにならないと前進できません。
しかも入口から5~6m先まで冠水しているし、かなりの気合と覚悟が必要。
20日、それなりの装備を整え、濡れる前提でフェルト底の沢靴を履き、いざ藪の中へ突撃笑

IMG_2287.jpg

入ってから4~5mの壁面に、予想より広範囲に水色がかった、つまり銅の成分が滲み出た鉱物が析出していました。
こういう場合、近くの間瀬銅山の某坑道がそうであるように、まずは胆礬を疑うのが常識なのですが、表面が硬いのです。
胆礬は指でこするとぐちゃっと結晶が崩れることが多く、指に付着します。
しかしここのは指に色が移らない。

IMG_2293.jpg

IMG_2294.jpg

見た目はやはり胆礬によく似ているのですが、どれも硬い・・・
そして、胆礬ほどけばけばしくはありません。
微妙に色合いが異なる気がします。

IMG_2295.jpg

IMG_2296.jpg

この日は、先日登山用に買ったより軽量なEDC UVライトを持ってきたので、試しに照射してみました。
すると、明確に蛍光するではありませんか。
ブルーアラゴナイトの蛍光とほとんど同じ、水色に蛍光しました。
胆礬は蛍光しませんから、胆礬ではありません。
本当にきれいでした。

IMG_2290.jpg

一応終点まで四つん這いのまま歩いたのですが(全長25m)、見た目以上に高さも幅もなく、方向転換がどうしてもできなかったので、そのままの姿勢で後退せざるをえませんでした。
下半身と両腕がすでに泥だらけになっているので、カメラを取り出すチャンスは1回だけ。
これは中間部から奥の方を写しています。
水蒸気がすごくて、肉眼でも3m先までしか見えませんでした。

IMG_2291.jpg

銅の何らかの成分が析出した壁面から、入口方向へカメラを向けてみました。
今カメラを構えている辺りまで冠水しています。
水深は10cmしかありませんが、水はもともと濁っています。

IMG_2303.jpg

坑口前の河原。
3段の滝を超すとその先は穏やかな渓相になるのですが、このゴルジュ地帯をもっとよく探すと、あと1個くらい新たな坑口が見つかるかもしれません。






共通テーマ:趣味・カルチャー

これが弥彦鉱山か、それとも? [鉱物 (弥彦山周辺)]

「ミックンのつぶやき」」のミックンの労作の一つに、”間瀬銅山鉱区変遷等”の表があります。
ここに間瀬銅山以外に名称の上がっている鉱山として次の4つが挙げられています。
多宝鉱山、浦浜鉱山、弥彦鉱山、坂井鉱山
さて、弥彦鉱山に関しては、ミックンのHP以外に取り上げているサイトはありません。
それどころか、国立国会図書館デジタルライブラリーでも日本鉱業新聞と日本鉱業名鑑に名前が出てくるだけで、詳細は不明です。
つい先日「日本鉱業名鑑」(大正7)を目にする機会があったのですが、そこに弥彦鉱山の鉱業権者である渡辺藤吉氏の名前がありました。

bandicam-2023-03-31-20-46-01-290_Moment.jpg

坪数も生産量も”間瀬銅山鉱区変遷等”の表に一致します。
弥彦鉱山の坪数は118,653となっておりますが、これは多宝鉱山の120,298と似通っており、少なくとも面積だけはそこそこ広かったことが伺えます。
場所について触れている資料はなく、多宝鉱山の区域と坑口を特定できた今、今度は弥彦鉱山の場所を特定したいと思い、最近3回ある沢を訪れました。
この沢に目を付けたのは、例の「ミックンのつぶやき」の”鮫銅山 鮫銅山跡”というページの最後の方に弥彦山周辺における鉱脈の記述があるのですが、次の一文がずっと引っかかっていたのが要因。
引用します。
「第六の鉱脈は、嘉永年間(1848-54)に発見されたが、場所が場所だけにおおっぴらに採掘できず、鉢前と石瀬の嫁行人が盗掘したのみと云う。」
過去2年間、場所が場所だけに・・・に該当すると思われる怪しい場所をあれこれ探し回っていたのですが、やっとあらゆる角度からみて、その表現がピッタリ当てはまる場所を見つけたのです。
そして、坑口を二つ発見!
ただし、これが弥彦鉱山かというと明確な証拠はありません。
弥彦鉱山は大正時代に稼働していた鉱山であり、上記の資料では過去形で書かれています。
ただしこの資料は明治24年に書かれたものなので、その後再び採掘が始まったと考えることもできます。
坑口はぼくの調査では2つしか見つけられませんでしたが、日本鉱業名鑑記載の弥彦鉱山の坪数を周辺の地形に当てはめてみると、渡辺藤吉氏が買い取った山林の区域が容易に推定でき、その面積がおおむね一致するのです。
ただ、それ以上に決め手となる要素はなく、彌彦神社に比較的近いので弥彦鉱山と名付けたのではないかという原始的な理由もあって、ここでは弥彦鉱山である可能性がかなり高いとして取り上げる次第。

IMG_2309.jpg

大きな最終堰堤を越えると、すぐにこの堰が出てきます。
これがこの沢における最後の人工物。

IMG_2217.jpg

やがて沢はゴルジュの連続となり、最初の滝で右側に坑口が現れました。

IMG_2223.jpg

坑口内部。
途中から坑道は極端に狭くなり、その先へ行くには匍匐前進しなければなりません。

IMG_2221.jpg

坑内はあちこちから水滴が垂れてくるので、当時の作業も困難だったことでしょう。

IMG_2212.jpg

坑口を出てひと登りすると、すぐにまた滝の横に坑口が現れました。

IMG_2206.jpg

これはかなりでかいです。
なにげに、坑口へ入るのに2mの壁を登らなければならず、足場が非常に狭いため神経を使いました。

IMG_2202.jpg

これは長そうです。
しかし水深15~20cmくらいの水溜りを超えていかねばならず、今回は見合わせました。
ところどころ壁面に銅の二次鉱物と思われる水色~青緑色の鉱物が見られ、ここが銅を採掘していた鉱山であることを思い起こさせます。

IMG_2201.jpg

実際奥へ進んでみないと坑道の全長はわかりませんが、少なくとも入り口から25~30mはまっすぐ坑道は伸びています。

IMG_2166.jpg

IMG_2191.jpg

この沢の風景です。
2回目の探索でかなり上流まで登り、枝沢も2本遡行しましたが、特に坑跡は現れず。
しかしながら、坑口らしい穴を2つ中流~上流にかけての左岸で見つけたので、3回目の探索ではそれらが坑口であるかを確かめることを目的に山に入りました。

IMG_2289.jpg

これなんて絶対坑口だと思ったのですが・・・

IMG_2328.jpg

急な岩場をよじ登ってみると、そこに洞窟はありませんでした。
もう一箇所の穴も同様に、オーバーハングしている岩の影が坑口に見えたのでした。
ガックシ・・・

※2024/02/01 加筆修正:
弥彦鉱山の区域がとうとう判明しました。

弥彦鉱山区域.jpg

出典:採掘権第29号 鉱山名:弥彦鉱山
明治29年長沼三男ほか一名設定、明治40年渡辺藤吉へ譲渡、昭和11年放棄(消滅)

よって、この坑口の位置はこの鉱区に含まれないので弥彦鉱山ではありません。
名無しの鉱山というのもアレなんで、タイトルは修正しませんが。








nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

多宝山山麓の水無沢へ [鉱物 (弥彦山周辺)]

前回に引き続き、多宝山の東麓を流れる沢へ行ってみました。
この沢は林道の出会いからしばらくは伏流水となっており、水が流れておりません。
記事を書くにあたって手持ちの資料~県立図書館で入手した絵地図?~を改めて眺めていたら、この沢が水無沢であることがわかりました。

IMG_1613.jpg

ご多分に漏れず、林道の前後でこの沢も完全に三面護岸化がなされており、単なる用水路となっています。
この用水路ももちろん水は全く流れておりません。
しばらく進むと、幅70~80mはあろうかという巨大堰堤が現れます。
ここを過ぎてもまだ伏流水のまま。
100mくらい歩いた辺から傾斜がやや急になり、やがて上流の方から瀬音が聞こえてきました。

IMG_1590.jpg

滝が2つ前方に現れました。
直登は不可能と思いましたが、取りあえず直下まで行ってみます。

IMG_1593.jpg

ここまでの間で多数の転石が現れてきたので、じっくり観察しながら歩きましたが、先日遡行した沢と似たような地質でした。
お目当ての水晶系ないしは方解石は見当たりません。
ここから右岸を高巻き。

IMG_1594_95pa.jpg

最初の滝を越えると、左右の岩壁にいかにも洞窟がありそうな地形があちこちに現れました。
ちょっと興奮。
しかし、さらに高度を上げていくと、どれも岩と岩が織りなすゲージュツじゃなかった、単なる陰影だったことがわかりました。
露天掘り跡もなさそうです。
河原に降りて石探しをすることも考えましたが、降りるのもめんどくさいので引き続き高巻きを続け、2段めの滝の上の河原へ降りました。

IMG_1597.jpg

ここまで来ると傾斜が多少はゆるやかになり、沢通しで歩けるようになります。
地図を見ると、あと100mくらいは等高線の間隔がそれまでより緩やかになっているので、もう少し登ってみました。
しかし、そろそろ傾斜が増してきたかなと感じた辺りで雪渓が現れ、そこでUターン。

IMG_1607.jpg

今回は標高260m地点まで登りました。
多宝山東麓を流れる沢は、ぼくが調べてみた限りにおいては沢屋さんによる完全遡行の記録はありません。
弥彦山まで下がってくるとあるのですが・・・
多宝山の標高は633.7m。
五頭山よりはずっと低いので、沢を完全に詰めてみるのも面白そうです。
ところで、多宝山は全体的に斜度が急であり、今回は補助ロープ(8mmX10m)を持参しました。
使わなくてもなんとか降りることは可能だったけど、3回急斜面の下りで利用しました。
10mくらいだったら非常に取り回しがよく、ダブルで使うと5mの長さしかなくなりますが、持ってきてよかったと思いました。
沢歩きに補助ロープは欠かせません。
行き先の地形にもよるけど、できれば15mあるともっと便利になりますね。

IMG_1609.jpg

ごくごく薄い膜上の方解石はいくつか見かけたけど、カメラに収めたのはこれが唯一の石。
持つとずっしりと重く、おそらく赤鉄鉱ではないかと。
前回の沢では磁鉄鉱と思われる石を見かけたし、裏側の間瀬銅山では菱鉄鉱が採れたという記録があるし、鉄鉱石系の石もあるようです。





nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

分水工事採石場跡 [鉱物 (弥彦山周辺)]

多宝山~弥彦山にかけて、かつては山麓のあちこちで銅の採掘が行われました。
古くは江戸時代に始まり、明治末~大正時代前半に最盛期を迎えましたが、ほとんどの鉱山は大正9年までに閉山したようです。
今年の春の間に調査しようと思っている対象は、2020年度に少しだけ調査したことのある多宝鉱山と石瀬鉱山。
これについて書かれた書物はごくごく限られているのですが、次の文章は郷土史からの引用です。
「・・・大正末期頃、間瀬銅山裏側の石瀬地域の多宝山山中でも銅の採掘が始まった。だが大規模な開発はなく、成功した話は聞かない。」
新潟県の鉱物関係HPもしくはブログで草分けの一人である「ミックンのつぶやき」に、間瀬銅山鉱区変遷等というページがあります。
ここに多宝鉱山という名前が出てきます。
そして、このHP以外に多宝鉱山について言及しているサイト、並びに坑口などを紹介しているサイトはぼくの知る限りありません。
石瀬鉱山のものと思われる坑口は過去2年の間に4個見つけていますが、多宝鉱山についてはわからないことだらけ。鉱区が隣接しているのは確かなのですが、その線引きがわからない。
弥彦山~多宝山にかけてはまだまだ歩いたことのない沢や尾根はたくさんあり、取りあえず気になる地形を片っ端から潰していくしかないと判断。
今日(12日)は多宝山山麓を流れる2つの沢を(どちらも今回が初遡行です)、ほんの触りだけですが遡行してきました。

IMG_1544.jpg

今回入った沢も林道の前後に堰堤がひたすら重なっており、しばらくは無機質な景観が続きます。
堰堤はかなり古いです。
昭和20~30年代に作られたものでは?
傾斜も急なので、高巻き気味に右岸の尾根を登っていったら、堰堤横の岩場に石碑らしいものが立っているのが目に入りました。
早速近づいてみます。

IMG_1548.jpg

大山祇の神様を祀った石碑でした。
右側に”昭和二十五年四月一日建立”と刻まれています。
戦後まもなく建立されたわけです。

IMG_1550_stitch.jpg

既に少なくとも4つは堰堤を過ぎています。
なにせ急斜面の連続で、ずっと右岸尾根を高巻きしながら歩いたので、まだ河原には降りていません。
と、眼下に広い野原が目に飛び込んできました。
周囲を崖に囲まれており、どことなく人工的な匂いがします。
坑口もありそうなので、せっかく登った急斜面を30mほどクライムダウンし、その河原に降り立ちました。
(尚、右の方に滝が見えますが、その上流にも大きな堰堤が待ち構えており、それを乗り越えるには大高巻きが必要。ザイルと言わないまでも補助ロープがないと不安なので、今回はここより上流には行きませんでした。)

IMG_1557.jpg

一応坑口や露天掘り跡がないか、現地でざっと見て歩いたつもりなのですが、右側に穴のような暗がりが写っています。
確かめてみたいけど、ここへもう一度行くにはかなりの気合が必要。
また来年・・・

IMG_1564.jpg

いかにも崖の下には坑口がありそうだったのですが、埋もれてしまった可能性もありますね。
緑泥石系の岩石も一定数見られますし、ズリっぽい石もあると言えばある。

IMG_1566.jpg

パノラマ写真で右側に見えていた滝です。
落差15mくらい。
取水のためなのでしょうか、黒いチューブが垂れ下がっています。
ここにたどり着くまでに既に大汗をかいているので、ここでUターン。
帰りは左岸の踏み跡を辿りましたが、右岸に部分的に残っている踏み跡より明瞭でした。
そこを辿っていくと、隣の沢に出ました。
堰堤を一つ越すと渓相はゴルジュとなり、写真の滝でUターン。

IMG_1571.jpg

この沢もこの先高巻きの連続となりそうなので、相応の装備と覚悟を持ってしてかからないと弾き返されます。
尚、この滝にも黒いチューブが垂れ下がっており、滝の中間部にはおそらく自転車のタイヤじゃないかと思うのですが、古タイヤを利用して作ったシュリンゲが垂れ下がっているのです。
ぼくがこの滝を直登しようとする場合、あのシュリンゲが新しいものであったとしても利用するのはまず不可能。
長さが決定的に足りません。
昔の山師は軽業師揃いだったのですね。すごい・・・

IMG_1572.jpg

そしてサプライズが待っていました。
坑口発見!
しかも3つ並んでいます。
石瀬集落からはかなり離れているし、地理的に多宝山山頂が近いので、多宝鉱山というものがあるのなら、これこそが多宝鉱山の坑跡ではないかと。
・・・と思いましたが(実は本文を3月17日に加筆訂正しました)、どうやらこれらの坑口は分水工事採石場跡のようです。

IMG_1574.jpg

坑口はいずれも入り口がコンクリートで封鎖されています。

IMG_1577.jpg

こちらの坑口は石垣が残っています。
この沢ももっと上流まで行けば、今度こそ銅山の坑口が出てくる可能性もあります。
最初に遡行した”大山祇”を祀った石碑の建つ沢もしかり。
今後の課題です。


nice!(0)  コメント(2) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

これぞマンガン方解石 [鉱物 (弥彦山周辺)]

最近10日間で2回、弥彦山周辺の海岸へ鉱物ウォーキングに行ってきました。
それぞれ、これはと思う石を1個ずつ拾ったのですが、それらの写真になります。
全く同じ場所ではなく、それぞれの場所は1km以上離れています。

IMG_1239.JPG

IMG_1241.JPG

A海岸で見つけた方解石とその蛍光写真。
厚みのあるサンドイッチ状の石を、中心部から割ってみました。
このポイントで見つかる典型的な形状、及び色合い。
蛍光させると結晶の形が浮かび上がります。

DC_IMG_1253.JPG

部分拡大。

IMG_1319.JPG

場所は変わって、ここはB海岸。
おお、自形の黄鉄鉱がたくさん付いている。
桃色の部分はおそらくマンガン方解石。

DC_IMG_1340.JPG

IMG_1342.JPG

整形後の質量710g。
持ち帰って蛍光写真を撮ってみました。
やはり桃色の部分はマンガン方解石でした。
弥彦山周辺の山中、及び海岸部では大きく3種類の方解石が見つかります。
白で、蛍光色が白のものとピンクのもの。
飴色のもの(この場合、蛍光色はクリーム色か白)。
方解石のカルシウムの一部がマンガンに置き換わったものを、マンガン方解石と呼ぶことがあります。
おおむねマンガンの含有量が2~5%の場合、長波のUVライトで鮮やかなピンク色に蛍光するので、個人的にはマンガン方解石を特別視しているのです。
この個体はマンガンの含有量が多めなのか、結晶の色そのものが桃色っぽいですが、こういう個体は割と下越ではレア。
方解石のカルシウムが全てマンガンに置換された鉱物が菱マンガン鉱。
なんか、よく探せば菱マンガン鉱も見つかりそうな気がしてきた・・・

DC_IMG_1361.JPG

部分拡大。
最大8~9mmの、自形の黄鉄鉱と、犬牙状のミニチュア方解石とのコンビネーション。

DC_IMG_1349.jpg

部分拡大もう1枚。
サイズは小さいけど、犬牙状の方解石の結晶があちこちに見られます。
前回の記事で紹介した石は水晶も共生していたけど、この個体では水晶は見られませんでした。

IMG_1326.JPG

とある岬をよじ登っていくと、途中からこのような大きな岩がごろごろしている場所へ出ます。
これが延々と続いています。
今回は何もこの岩場地帯では見つけられなかったけど、地質が変われば水晶系の鉱物がわんさか出現する可能性なきにしもあらず。
夢はもちろん紫水晶が析出している露頭を見つけることです。



nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

方解石・水晶・黄銅鉱・黄鉄鉱~鉱物の小宇宙 [鉱物 (弥彦山周辺)]

昨日の記事で一番最後に写っている石を持ち帰り、夜1時間以上観察していました。

DC_IMG_1130a.jpg

簡単にタワシで水洗いしただけでこの状態。
酸やアルカリ性溶液による洗浄は一切行っていません。
黄鉄鉱の結晶はさすがに褐色に変色していたので、家にあったスキー板のエッジの錆落とし液を綿棒に付け(完全に干からびていたのであまり落ちなかった)、それで結晶をこすってクリーニング。
方解石が同居しているので、酸は使えないからです。

IMG_1137b.jpg

長波のUVライトを照射してみました。
方解石部分は白く蛍光しています。
白だけでなく、赤っぽいピンクや水色に蛍光している部分もあり、思わず見入ってしまいました。
これはきれいだ・・・

IMG_1148.jpg

部分拡大。
下越地方でゲットした石で、水色の蛍光を示す個体は初めて見ました。

DC_IMG_1125.jpg

こちらは黄鉄鉱の部分拡大。
個人的には水晶の方が好きなので、黄鉄鉱だけを取り出すことはしませんでした。
埋もれている部分を考慮すると、長辺2cmありそう。
飯豊鉱山産も真っ青です。

IMG_1158.jpg

側面はこのように厚みがあり、半分は緑泥石となっています。
反対側も同様で、うまく行けばきれいに真ん中から割れてくれるのではないかと思い、意を決してヒラタガネを当ててハンマー一閃!

IMG_1190.jpg

一撃できれいに割れてくれました。

IMG_1167.jpg

切断面です。
もう一個も全く同じ形状。
ルーペで見ると、黄鉄鉱ではなく黄銅鉱が鉱染していました。
この石、サイズの割には比重が重いように感じたのですが、やはり金属系鉱物を内部に含んでいたようです。

IMG_1168.jpg

蛍光させてみました。
心なしか、新鮮な断面の方解石の蛍光は純白度が高いような気がします。

DC_IMG_1188.jpg

切断面の部分拡大。
右側の半透明なグレーの部分は水晶。
茶色の部分は全て黄銅鉱。
中央やや左の青緑っぽい部分は何だろう?
このように黄鉄鉱は内部には見られなかったのですが、表面にはもう2つ、長辺6~7mmぐらいのかわいい結晶を見つけました(1枚目の写真の左端上部に写っています)。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

初石探し [鉱物 (弥彦山周辺)]

天気がいいし、気温も高く、今日(13日)は探索日和。
早速越後七浦シーサイドライン沿いの岩場へ行ってきたけど、運良く素晴らしい結晶を見つけることができました。
ここ3~4年の探索で気付いたのだけれど、角田山~弥彦山の日本海側に接する海岸はその年によって露出している岩場の水線が若干上下します。
おととしから昨年にかけては砂の量が多く、完全に砂の下になって見えなくなってしまったゴロタ石地帯もあったのだけど、昨年12月にいつの間にか完全復活しているのを確認。

IMG_1047.jpg

この海岸で見られる典型的な方解石の結晶。
色はこのような飴色が8割を占めます。

IMG_1056.jpg

透明部分の結晶は水晶。
あとは方解石。

IMG_1058.jpg

ピンクの部分だけでなく、その裏側全体がどうやら方解石の塊らしい石。

IMG_1057.jpg

このような方解石脈の入り方がここでは一般的。

IMG_1065.jpg

幅40~50cmくらいあるけど、下半分は砂に埋まっているため、全容はわかりません。
巨大な方解石。

IMG_1086.jpg

どちらも母岩が付いていない、方解石単独の石ころ。
右側のそれで25cmほどあります。

IMG_1080.jpg

帰り際に見つけたお宝的結晶。
ハンマーで割ったわけではなく、このままの形で浜に転がっていました。
特筆すべきは長辺1.4~1.6cmの、大きな黄鉄鉱の自形結晶が付いていること。
しかも、白い部分は上半分が方解石で下半分が水晶という、これまたレアなパターン。
方解石も水晶もそれほど汚れておらず、ルーペでみると結晶の形がよくわかります。
この辺の海岸で見つかる黄褐色~茶色の結晶はほとんどが黄銅鉱なのだけど、今回初めてマトモな黄鉄鉱の結晶を見ました。
中に埋もれている部分をきれいに取り出せば、もしかしたら長辺2cmの結晶が取り出せるかも。
ここへ来る前に立ち寄った別な海岸で、二人の知人に遭遇するし(みんな考えることは同じですね)、とても楽しい一日でした。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

灼熱の磯で鉱物探し [鉱物 (弥彦山周辺)]

10月1日、2年ぶりに越後七浦シーサイドライン沿いのある磯を歩き回ってきました。
午後3時過ぎても日差しの強さは変化せず、1時間半で切り上げましたが、新たな玉髄をいくつも発見することができました。

IMG_9349.jpg

背後にも岬を挟んで磯が拡がっており、入念に探索しようと思ったら3時間位必要。
ということは、まだまだサプライズが待っている可能性を秘めています。

IMG_9329.jpg

この日一番の発見は、この方解石。
ピンク色がかっているマンガン方解石です。
2mくらいの岩に方解石脈が走っており、岩のあちこちに結晶が付いていました。
多分、長波のUVライトでピンク色に蛍光するものと思われます。

IMG_9341.jpg

30cmはある、大きなカーネリアン風水晶クラスター。
結晶は小さいのですが厚みが意外とあり、見応えがありました。

IMG_9344.jpg

この磯でたまに見かけるモコモコ君。

IMG_9348.jpg

この日見た中では2番めに高品質な玉髄。
これもかなり大きいです。

IMG_9350.jpg

中央やや右側の手前の岩に、白い石英脈が走っています。
拡大してみます。

IMG_9356.jpg

この日一番の発見。
全長はこの2~2.5倍くらいあります。
比較的透明度も高い玉髄。

IMG_9368.jpg

この日3番めの発見と自分で思っているのがこの結晶。
やや青緑がかっており、長辺35cmくらいはある、薄いけど面積の広い結晶。
何の鉱物だろう?

IMG_9373.jpg

探索ラストの方で、奥行き2.5mくらいありそうな天然の洞窟を見つけました。
狭いので潜り込むのは難しそうだったし、ライトは持って来ていなかったので内部の様子は未確認。











nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー
前の10件 | - 鉱物 (弥彦山周辺) ブログトップ