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夜の金丸鉱山 [鉱物 (関川村・金丸鉱山)]

あえて暗くなってから金丸鉱山を訪ねたのにはわけがありました。
それは、UVライト(365nm)でズリ山を照らしてみたかったこと。
金丸鉱山はペグマタイト鉱床。
基本、蛍光鉱物はほとんどないものと思われますが、何かしらレアな鉱物が見つかることも考えられます。
(ただし、灰重石は短波でないと蛍光しないので、それは外す。)
さて、春に初めて訪れた時、舗装道路の終点から鉱山入り口に位置する最初のズリまでほとんどヤブはなかったと記憶していたのですが、予想以上に草丈は夏の間に伸びており、平均して腰の高さくらいまでのヤブこぎを強いられました。
とはいえヤブはそれほど密ではなく、終始視界にはっきりした踏み跡が入っていたので、夜ではありましたが25分で最初のズリに到達することが出来ました。

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かなり落ち葉が堆積していましたが、やはりここのズリは雰囲気がいいです。
奥のズリ山は石英と長石が半々くらいの割合だったと記憶にあるのですが、こちらのズリは長石は少なく、8割方石英です。
金丸鉱山の石英はアルミが若干含まれているせいか、艶のある(色温度のやや高い)白で、不純物も少ない個体が多いです。
残念ながらUVライトで照らしても、赤い疑似蛍光の光しか目に入らなかったので、すぐさま長石探しに専念。
前回来た時は長石に興味がなかったので石英しか拾わなかったけど、今回は長石ゲットが目的です。
それもすぐに達成でき、早めに現地を後にしました。
純白の石英は鉱山跡まで行かなくても、途中の林道脇にも無数に落ちています。
特に多いのは、春から夏にかけて林道改修工事が行われていた道路沿い、約300mの区間。
それと、林道の中程に河原へ出る砂利道があり、砂防ダムを造成途中であるかのような地形になっているのですが(この工事は中断しているけど、再開されるのかどうかは知りません)、その広場にも沢山石英が落ちています。
また、この広場では長石(金丸鉱山の長石はほとんどがカリ長石です)もそこそこ拾えます。

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これは4cmほどの小さなカリ長石(裏側は石英となっている)ですが、蛍光度合いが強かったので選びました。

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今回の一番のお宝はこのカリ長石。
ちょうどこぶし大のサイズですが、ところどころ銀色の何かが付いています。
他の角度から拡大撮影してみました。

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輝水鉛鉱 かな?それとも白雲母?
わかる方がおられましたら、ご一報ください。
さて、UVライトを当ててみます。

IMG_3595.JPG

ほとんどが疑似蛍光っぽいですが、複雑な陰影が個人的には美しいと思います。

IMG_3602.JPG

ところで、11月3日は福島潟マルシェが福島潟で行われました。
天然石工房キューさんが出展しており、テント裏の芝生広場でNPO法人鉱物友の会新潟支部の懇親会が同時開催されました。
9月から会員になっていたのですが、友の会主催のイベントはこれが初参加。
上の写真は、Kさんから頂いた水晶たち。
いずれもぼくが知っている採取地の玉髄やメノウなので、きっと蛍光するだろうと思ってUVライトを当ててみました。
結果はご覧の通り。
Kさん、どうもありがとうございました!
今回の懇親会では多くの石好きの方々と知り合いになることができ、大変楽しいひとときを過ごすことができました。
参加して良かった。
このような素敵な会を用意してくれたキューさんにも、心から感謝したいと思います。

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mikenekodoki

写真のカリ長石の表面に付着した銀色の鉱物は白雲母と思われます。金丸鉱山の輝水鉛鉱は石英の表面、長石と母岩(花崗岩)の境目に産することが多く、色もやや黒ずんだ感じで、触ると雲母がカサカサとした感じに対して、しっとりとしています。条痕色を見れば一発ですが・・特に長石特有の劈開面には白雲母が発達していました。
水鉛沢の山肌には何ヵ所か輝水鉛鉱の露頭と採掘跡が有りました。ガーネットはかなり小さいのが石英と共生していました。長石では緑色のアマゾナイトが母岩の細粒黒雲母花崗岩との境目に僅かですが産します。石英は白い塊だけで、自形の所謂「水晶」は全く産しません。長石を販売するようになると、タングステン、モリブデンは窯業原料としては不純物なので、ずりとして捨てられました。
鉄マンガン重石は山の反対側の長谷沢で多産。
鉱山事務所にあった地質図には国道から入って最初の砂防ダムの川の反対側は山形県小国町の越戸集落があって、含ウランのコフィン石の露頭が、索道の確か13号か15号鉄塔の下に記載されていました。
金丸鉱山の採掘鉱種は通産局への届けは、石英、長石、モリブデン、タングステン、ウラン、トリウムです。越戸の露頭は昭和30年代に動燃がウラン資源の探査を小国周辺で行い、その際に発見された露頭です。金丸鉱山で探査して作って地質図には大切坑から上の沢の反対側斜面に蛍石の露頭が記載されていましたが私は確認していません。地質調査の仕事ではなく、露頭採掘の仕事なので時間が無くて、全ての露頭を周れなかったのが今でも悔やまれます。
by mikenekodoki (2021-04-29 23:15) 

carlossato

mikenekodoki様、
再度コメントありがとうございます。
コフィン石の露頭の詳しい場所は、その後巡り合った門田長夫氏の論文「新潟・山形県境小国・金丸地域の地質とウラン鉱床」にも記載がなかっため、とても参考になります。また、アマゾナイトやフローライトの情報も貴重。これらは初耳です。改めて御礼申し上げます。

by carlossato (2021-04-30 23:12) 

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