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飯豊鉱山点描 [鉱物 (新発田市・飯豊鉱山)]

鉱山道の途中から古岐沢へ下降し、対岸の飯豊坑(おそらく下一番坑の入口)を目指しました。

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河原に転がっている茶色い物体はエアータンクのようです。

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この雪渓の下を歩いてきました。
やはり今年の冬は豪雪だったようです。
まだこんな大きな雪渓が残っているとは。
振り返ってみて、右側の支柱?がすごく細いことに驚愕。
いつ崩落してもおかしくありません。

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頭上に太い導管が見えますが、これが坑口の目印。
河床から約50m、その先には大きな坑口(日曹坑)が待ち構えています。
しかし右岸はどこも絶壁で、下からの直登は不可能。
そして、そのワイヤーの先、多分20mくらいで右岸にもう一つの坑口が現れるはずなのですが、ここでリタイア。
膝上までの深さがあり、水流も強い。
こちら側にもまだ雪渓が残っており、危険が一杯です。

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古岐沢の左岸に展開されているのが小岐坑、右岸のそれが飯豊坑です。
帰りに、小岐坑の排水坑と思わる坑口を発見。
しっかり銅の二次鉱物が析出しています(小岐坑では主として銅を採掘していた)。
坑道は一直線に伸び、その長さたるや80~100m。
中~遠距離用のフラッシュライトの光量をMAXにしても、光は届きません。

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帰りに小岐坑へ入ってみました。
こちらは、鉱物マニアの間では黄鉄鉱の産地として有名。
往時は黄鉄鉱脈に付随する黄銅鉱を採っていたようですが、今回まだ銅鉱が少量ながら存在することを確認しました。
さて黄鉄鉱ですが、富鉱帯へ行けばこのような風景が見られるのです。
(ただし現地までの鉱山道は、特に中間部までがジャングル状態で、道の不明瞭さも年々増してきています。10年後には歩けなくなっているかもしれません。)

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3.5~4cmクラスの黄鉄鉱を取り出した跡。
以下、坑道内の景色をお楽しみ下さい(笑)

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飯豊鉱山旧鉱山道の現状 [鉱物 (新発田市・飯豊鉱山)]

今年8月の豪雨で、飯豊山系の新潟県側、福島県側の山々も大きな打撃を受けました。
飯豊鉱山へ続く旧鉱山道の一部は加治川治水ダムのダムサイトから遠望できるのですが、3/5くらい歩いた地点で大きく崩落している様子が見えるのです。
年内に一度その危険箇所をこの目で確かめてみたかったので、26日午後から現場へ行ってみました。

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地形図だとベンチカットの記号が出てきますが、今は草木に覆われているのでその地形を視認することはタイミングが難しいです。
(ベンチカットはその昔、石灰岩を採掘していた跡です。)
雪解け直後が一番地形がよくわかるのですが、加治川治水ダムへの道路は冬期通行止めになり、例年開通するのが5月のGWの前後。
その頃は既に新緑が生い茂っているので、おそらく初冬である今の時期が観察には最適なのかもしれません。
白い部分が豪雨による土砂崩れが起きた地点。
果たして無事通れるのでしょうか?

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この谷はダムサイトから死角になっているので見えませんが、ここも地すべり被害が見られました。
しかし、通過には支障なし。

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ここが問題の大規模な地すべりが発生した谷。
斜度がそれほどきつくないし、多少浮き石が多かったものの、通常のガレ場と相違はありません。
ただしトラバースの最後の方でいやらしい場所が現れ、ちょっと神経を使いましたが、山歩き中級者以上の方であれば多分大丈夫。
しかしながら、従来はぼくの複数の石友がそうであるように飯豊鉱山へ行くときは長靴を履いていく人が一定数いると思うのですが、ミッドカットのある程度しっかりした登山靴ないしはトレッキングシューズじゃないと危険なんじゃないかなと感じました。

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ここは小岐沢の河原ではなく、ベンチカット最下段部にある広場です。
ご覧のように、広場一面に土砂が流れ込んできています。
ズリ石も少しは含まれるだろうから、この広場で石ころ探しをするのもいいかも。

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参考までに、おととし写した広場の写真。
厳密には、今回写した場所はこの広場の手前側~もっと延長線上~なのですが、どこも一様に草木がなくなっていました。

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午後からの散策だったので坑内には入らず、鉱山道を終点まで歩いてみました。
本坑口への分岐をすぎると、まもなくこの半ドーム型の遺構が現れます。
今まではこれが何の施設かわからなかったのだけど、こないだ何度か訪れた赤谷鉱山某鉱区の繰込場(くりこみば)とそっくりなので、もしかしたらこの建物も繰込場なのかもしれません。
周囲には多数の坑口が点在しているし、ここが鉱夫さんたちの集合場所だったとしてもおかしくはない。

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帰りに旧鉱山道沿いに点在する坑口を、ちょっとだけ覗いてみました。
土砂の流入がないか、やはり心配ですし。
この坑道は手前の部分、わずかに土が堆積しているように見えるけど、まあ以前の姿と変わりありません。
ちなみに中程に立坑の入り口があるのですが、位置関係から言って、この立坑は本坑エリアと接続している可能性も高いです。

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別な坑道。
奥の緑泥石の壁がなんかいい感じ。
視界が非常にいいため、今まで気付かなかった複数の坑口の存在に気付きました。
これはその一つ。
長さは全然短いけれど、人が入った痕跡のない坑道を見つける作業は快感です。





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飯豊鉱山飯豊坑を目指して [鉱物 (新発田市・飯豊鉱山)]

つくづく飯豊鉱山へのアプローチはダイ・ハードだと思います。
16日、今年初めて飯豊鉱山を目指したのですが、こんなに草深い鉱山道を歩いたのは初めて。
まだ本坑へ入ったことが2回しかないので、加治川治水ダムから続く鉱山道も歩き慣れておりません。
そして、昨年の初回のアプローチがそうだったように、今回も行くとき道に迷いました。
それほど深追いしなかったので大事には至りませんでしたが、その代償として右足首を軽くひねってしまいました。
さて、今回の目的は本坑の探索ではなく、まだ誰も入ったことがないと思われる川向うの坑口に到達すること。
国立国会図書館デジタルコレクションや地質文献データーバースで入手できる飯豊鉱山の資料は意外と少なく、1950年や1961年に書かれたものがあるだけ。
それらの文献を総括すると、古岐沢をはさみ、右岸が飯豊坑、左岸が小岐坑ということになっています。
飯豊坑は鉱山の歴史において後期に開発されたエリアで、鉛・亜鉛を主に採掘していたようです。
一方、小岐坑は銅が主体。
黄鉄鉱の巨晶が見られるのは小岐坑であり、飯豊坑へ行っても黄鉄鉱が目的の場合は肩透かしを食う確率が高いものと思われます。
過去2年間の探索で、飯豊坑へ入れる可能性のあるルートはこれしかない、というルートを今回辿り、なんとか古岐沢の河原に降り立ちました。

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右端に見えている白いロープがぼくが垂らしたもの(あとで回収しました)。
小岐坑はこの沢の下流部に位置しています。

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まだまだゴルジュは続きますが、事前に調べた沢屋さんのレポート通り、ここから先はしばらく沢通しで歩けるようです。

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左手前方に、人工的な落ち込みが見えてきました。
近寄ってみます。

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なんと、ここでしたか!
飯豊連峰~四方沢の旅」の故長島氏が、古岐沢の遡行記の当該ページで上から5枚目の写真の場所です。
「・・・ブロックに埋め込まれたパイプから水が噴き出ており、ブロックの背後には洞窟のようなものがあった。」
確かに洞窟のようなものが見えます。

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別アングルから。
なんとか右側からよじ登れそうだったので、よじ登ってみました。

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確かに坑口がありましたが、入り口から完全に崩落しています。
もっとも、これは水抜き坑だと思われます。
下一番坑より下のレベルに採掘目的の坑道はないと思われますし。

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最初に降り立った河原の辺りは、あちこちにこのような太いワイヤーが垂れ下がっていました。
ズリらしい鉱石もたくさんあり、水中に大きな苦灰石が横たわっていたり。
この河原でゆっくり石探しするのも面白いかも。

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河原に降りてから最初上流側へ少し歩いたのは、地形的に坑口が控えていそうな感じだったからです。
ひょっとしたら、もう少し斜面の上の方にも坑口が待ち構えていたかもしれない怪しい地形があったのですが、いかんせん見通しが悪い上、ひねった右足首が徐々に痛くなってきたので、無理せず当初の目的である、下降地点から下流側に行けるかどうかを確かめることにしました。
長島氏の記録によると、索道の発着点でもあった右岸の大きな洞窟跡を過ぎてから、3m滝を直登、4m2条は左岸を巻き気味に登るとあります。
上の写真は下降地点から下流側に向かって20mほど歩き、そこから写したもの。
直下が3mの滝になっており、ここもぼくの技量ではロープがないと降りることができません。
この下に4mの滝が2つ連続しているはずですが、ここから見る限りではかなり急そうです。
そして、中央右側にコンクリートの壁が見えます。
おそらくその向こうに大きな坑口が控えているはず。

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ここも下の河原から直登できるのか?という疑問が残りますが、下の河原にたどり着くまでかなりのスタミナ&技量が必要となるので、エキスパートの領域です。
ぼくには無理かな。
とりあえず古岐沢上流の河原に降り立っただけで大満足。
ちなみにゴルジュ地帯はここまでで、2枚めの写真から上流になると渓相は一気に穏やかになります。





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飯豊鉱山飯豊坑索道終点を望む [鉱物 (新発田市・飯豊鉱山)]

27日、飯豊鉱山に何度も来たことがあるというJさんに誘われ、飯豊鉱山へ行ってきました。
黄鉄鉱や苦灰石の脈があることで知られる、一番大きな坑道へ入るのはこれで2回目。
前回訪れてから1ヶ月近く間隔が空いてしまいましたが、その間ヤブの成長は著しいものがあり、見慣れぬ風景の連続。
そのため途中で道を間違ってしまい、正しい道に復帰するまで50分近くかかってしまいました。
これで体力を大幅に消耗、飯豊鉱山の怖さを再認識した次第(結局、行きは2時間かかってしまいました。帰りは45分で済んだのに)。
Jさんがいなかったら途中で引き返していただろうし、正しい鉱山道への復帰も無理だったかもしれません。
Jさん、本当にお世話になりました。
さて、飯豊鉱山について書かれた2つの論文を改めて読み直してみて、現在わかっている点を整理します。

a.鉱区は飯豊坑と小岐坑の2つがある。前者は鉛と亜鉛、後者は主に銅を採掘。より後期に開発されたのは飯豊坑。(注:戦後、赤谷鉱山に近い側に大スダチ沢鉱区が開発されましたが、これらの論文には出てこないので省略。)
b.下一番坑と大成坑は飯豊坑に属する。下一番坑が鉱床の下限であり、蟹鋪坑が上限。その間の深さは160~200m。
c.小岐坑では緑泥石脈中に黄鉄鉱の大晶(時に直径4cmを超える)が存在する。
d.旧索道起点の鉱床を”小岐一号宝鉱床”と言う。

これではっきりした点は、古岐沢右岸の地中に展開している坑道は飯豊坑、古岐沢左岸のそれは小岐坑であること。
明治初期から銅を採掘していた小岐銅山は小岐坑のことであり、当初ぼくが勘違いしたように小岐坑の坑口群が出てくる前の斜面のどこかに古い坑口があるわけではない。
下一番坑も大成坑も飯豊坑に属するので、古岐沢左岸に展開している坑口群は小岐坑のもの。
よって、過去記事の一部を訂正しました。

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今回の一番の収穫は、小岐坑のもう一つの出口を発見したことです。
そこから真正面に坑口が見えますが、これが飯豊坑の入り口。
HP「四方沢の旅」の長島氏はこの坑口を下の河原側から写していますが、それがどの辺に位置するのか、旧鉱山道からはその坑口が見えないためわからずにいました。
それがやっとクリアになりました。
対岸の坑口周辺にワイヤーや金属片が見られますが、そこが索道終点だったのです。
地質図と照らし合わせると一目瞭然で、全体の位置関係がよくわかります。
(ちなみに、索道起点の坑口がこの坑道、つまり小岐坑本坑もしくは小岐一号坑入り口にあたります。)

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今回Jさんに教えてもらって探索した、このもう一つの出口を沢側から写してみました。
入り口の坑口からここまで結構距離があります。
体感的には500m前後でしょうか。
「飯豊鉱山鉛亜鉛鉱床調査報告」記載の地質図は思ったより正確であり、今回非常に役に立ちました。
一方、今井直哉氏の「飯豊鉱山下一番坑第一中段地質図」は小岐坑ではなく飯豊坑のものであることがわかったわけですが、そう思ってよく地質図を見てみると、なるほど、飯豊坑の坑道図と大体重なります。

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この坑口は前回の訪問時に写したものですが、先の索道終点前の坑口よりやや上流側対岸に位置する坑口です。
どちらが下一番坑なのかは判然としませんが、果たしてそこまでのアプローチが可能なのか?
上の写真の坑口は沢からやや斜面を上ったところに開口しているのですが、岩場が絶壁に近く、下から登っていけるのかどうか。
どちらへ行くにせよ、旧鉱山道を終点まで歩き、そこまで行くと沢まで10m弱で降りられるのでそこから沢に降り、古岐沢を下流側に向かって歩いていくしかないと思います。
1枚目の写真の出口の真下もほぼ絶壁で、ザイルを用いて懸垂下降しないとどうしようもないからです。
ただし、その場合気になる点が一つ。

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1枚目の写真を撮った場所から上流側に見える、この滝の存在です。
長島氏の遡行記によると、3m+4m2段となっており、4m2段は左岸から高巻いた模様。
斜度がそれほどなさそうなのでクライムダウンは難しくないとは思うのですが、行ってみないとわかりません。
治水ダムからの旧鉱山道を早い段階で河原に降り、沢沿いに遡行するルートは、途中でエキスパートでも手こずる難しい4m&5mの滝が出てくるので無理。
対岸の鉱区(=飯豊坑)へのアプローチは、いずれにしてもかなり難しそうです。

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さて、小岐坑メイン坑口の内部は昭和の遺物がところどころ散乱しています。
飯豊鉱山の閉山は昭和42年ですが、それは飯豊坑のことで、小岐坑の閉山は昭和30年代前半と言われています。
どっちみち10年しか違いはないのですが、昭和の臭いがプンプンしています。

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とある枝坑道の奥。
地面は緑泥石の泥&粘土で覆われており、数ミリから1cmの黄鉄鉱の単晶がところどころ顔を出しています。
こんなところが数箇所あり、坑道の壁に黄鉄鉱の脈が付いているところもあちこちで見られます。

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今回、特に美しいなと感じたのは苦灰石で覆われた壁面。
ある坑道へ入ると5~6mに渡って壁面が白っぽい苦灰石で覆われており、ところどころ30cm前後の晶洞が掘られた跡が見られました。
上の写真は、そんな晶洞の内部。

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さすがに表面を観察しただけでは自形結晶の大きなものは見られませんが、まだまだ潜在力を秘めています。
小さい石だったら文字通り無数に地面に山積みされており、よりどりみどり。

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石灰岩メインの坑道なので鍾乳石が発達しているエリアがないか探したのですが、ありませんでした。
これが唯一カラフルだった壁ですが、触るとベッチャリしており、指に色が付きます。
アラゴナイトではありません。
青い部分も胆礬のようでした。

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坑道はまだまだ続きますが、上層と下層もあるので、それらを含めたらかなりの広さ。
対岸の飯豊坑の場合で高低差160~200mあるとのことでしたが、こちらも少なくとも100mの高低差はあるのではないでしょうか。
竪坑を2つ3つ覗き込んみたけど、底が見えませんでした。
ともあれ、閉山以来誰も入ったことがないと思われる飯豊坑。
そちらの坑内にはどのような風景が待ち構えているのでしょうか?

追記:この記事を書くにあたってHP「四方沢の旅」をじっくり再読してみましたが、作者の長島氏が2020年10月、飯豊の沢で亡くなられたことを知りました。
植村直己、長谷川恒男、加藤保男、栗城 史多・・・大好きな山男たちはみんな亡くなるのが早いなあ。
ご冥福をお祈りします。








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探検!飯豊鉱山 ⑤ [鉱物 (新発田市・飯豊鉱山)]

昨夜、新たな飯豊鉱山の地質図を入手することができました。
論文のタイトルは「東北日本内帯の2・3のいわゆる接触鉱床における鉱床と変質帯との関係」です。
著者はあの今井直哉教授。
この文書に”飯豊鉱山下一番坑第1中段地質図”が載っていました。
この図もまた非常に詳しく、今度行く時持っていかなければ、と思いました。
(6月28日追記:この論文で論じられているのは飯豊坑~古岐沢右岸の坑口群~であり、ぼくも含め一般の鉱物マニアが訪れる古岐沢左岸の坑口とは別物になります。下一番坑も飯豊坑に属します。)

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さて、メインの坑口を出て、まずは前回同様鉱山道の終点まで一気に歩きました。
途中、前回撮りそこねた対岸の巨大坑口を撮影。
めちゃくちゃ大きいです。

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鉱山道終点から下の河原。
降りられそうだなと思ったのですが、最初の4~5mが難しく(掴めるしっかりした枝や岩がない)、やはり河原へ降下するにはザイルが必要かもしれません。
今はとにかく地表がどのような地形になっているのか視認できないので、晩秋にもう一度来てみて、対岸へ上がれるルートがあるのかどうか調べてみたいです。

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坑口aは完全閉塞だったので、隣の坑口bへまず入ってみました。

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最初の3mは斜坑のような感じで神経を使いましたが、それも3mだけ。
坑道はその先左右に伸びているのですが、水没ならぬ泥没状態。
匂いもひどく、コウモリの糞の匂いが入り混じった不快な臭いが充満していました。
これでは探索どころではないので、即撤収。

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そして、前回見つけた坑口群の中では最も食指をそそられた坑口cへ。

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この坑道の壁は全部グレーの石灰岩でした。
枝坑道はなく、80~90m先で行き止まり。
思ったより短かったです。

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下一番坑の壁面の鉱物は一様ではなく、質感も色合いもコロコロ変わるのですが、こちらはグレー1色。

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でも、素敵な鉱物がありました。
アラゴナイト(あられ石)です。
赤谷鉱山の青いアラゴナイトが有名ですが、石灰岩地帯では割とよく見かける鉱物。
洞窟や鍾乳洞の中で育ったアラゴナイトは珊瑚のような形をしているものが多く、そのようなアラゴナイトは山珊瑚と呼ばれたりします。
この結晶もあと数十年したら立派な山珊瑚に成長するのでは?
近くに黄褐色のそれもありましたが、純白のアラゴナイトは別格の存在感でした。

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近くでは鍾乳石も成長中。
この坑道のごく一角での話なのですが、鉱物の神秘に触れた思いがしました。

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そして、獣の糞の上ではキノコが成長中。

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名残惜しいですが、そろそろ帰らなければ。
個人的には、パイライトよりアラゴナイトが好きだったりします。
こんな産状で見られるんだと、また経験値がひとつ増えました。
石灰岩地帯もまた楽し、です。




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探検!飯豊鉱山 ④ [鉱物 (新発田市・飯豊鉱山)]

6月3日、再び飯豊鉱山(新発田市)へ足を運びました。
今回の目的は次の2つ。
1.入れそうな坑口に入ってみること。
2.飯豊鉱山付近地質図(昭和24年)において、最も沢に近い斜面にあったはずの索道中継点を明らかにし、同時にその近くにあったと思われる坑口を見つけること。

それにしても旧鉱山道は足元が悪いです。
前回ある程度目印を付けていったものの、今回も2箇所で道を誤りそうになりました。
全体的にはまあまあスムーズに目的地へ到達。
治水ダムの駐車場から行き1時間10分、帰り55分のコースタイムでした。
さて、今回坑口が集中しているエリアに差し掛かった時、前回気になった、下へ伸びている踏み跡をまず辿ってみました。
すると、ほどなく2.の目的地へ到達することができました。
GPSのログを見ると、まさにここという場所に索道の中継点と思わしき建造物と、その真ん前に大きな坑口が現れたのです。

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左斜め後方には鉱石が散乱した小さな斜面があり、そこも本来は坑口があったのではないかと思われたのですが、後述するように、その直感は正しかったです。

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これが坑口k

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入り口からビュービュー冷たい風が吹き付けてきます。
まるで巨大なエアコンの吹出口にいるかのよう。
寒いので、上着を着てから内部へ侵入。
10mほど中へ入ってから、入口方向へカメラを向けています。
左側斜め前方へ坑道が伸びており、そこへ行ってみると・・・

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ご覧のように閉塞していました。

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位置的に、あの閉塞した壁の反対側はこの斜面のはず。
一見ズリのように見えるこのガレ場、右側にワイヤーがありました。
また、画面には写っていませんが、左側には鉄製のパイプや部品のようなものが転がっていました。

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坑道内部を歩き回ってみました。
内部はどこも空気がひんやりしているだけでなく、微妙にもやっており、非常に幽玄な雰囲気。
シャンバラへの入り口という風情です。
飯豊鉱山の閉山は昭和42年と、割と新しい方。
そのため、坑道内には様々な機械や鉱山設備の類が生々しく散乱しているのでした。

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これは照明器具でしょうか。

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坑道内にはトロッコ用の鉄製レールが敷かれ、鉱山が本格的に稼働していたことが伺えます。
間瀬銅山八号坑のレールは木製でしたが、こちらは鉄製。
レール幅も少しだけ広いです。

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内部はそれほど迷路というわけではありませんした。
しかし、広いことは広いです。
例の飯豊鉱山付近地質図のコピーを持ち歩けば、だいたい坑道はあの図に沿って伸びているのでは?
次回来る機会があったら、その図とにらめっこしながら歩いてみたいと思います。

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時計の針が止まっています。

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100mくらいまでは容易に歩けましたが、その先はどっちの枝坑道へ行っても地面が泥にまみれていたり粘土質だったりで、20cmくらいズボッと靴が埋まってしまいそう。
今回は革製の本格的な登山靴を履いてきたのですが、泥水の侵入は避けたかったのでそれ以上の侵入はあきらめました。
ここへ来るなら間瀬銅山同様、軽量タイプの長靴を持ってくるか、濡れてもいいように沢靴やウェーディングシューズを履いてくるといいのではと思いました。
坑道内はあちこちできれいな水が流れており、泥は洗い流すことができるでしょう。

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この坑道は水没しています。
水は澄んでいて、とても幻想的。
このあと、前回見つけた坑口のうち3箇所へ入ってみたのですが、1箇所を除きどれもすぐ行き止まりでした。
それにしても、生まれ育った新発田の山奥に、それも高校時代に当時ハマっていたルアー釣りで何度も通い詰めた加治川治水ダムの山奥に、こんな地下迷宮が拡がっていようとは・・・
数十年ぶりに、これから何度も加治川治水ダムに通うことになりそうです。







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探検!飯豊鉱山 ③ [鉱物 (新発田市・飯豊鉱山)]

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鉱山道途中から(坑口eの辺り)、加治川治水ダム方面を写しました。
治水ダムの湖面は見えません。
思えば遠くに来たもんだ・・・

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坑口f
鉱山道から標高差で20mほど上の斜面に位置しています。
今回見つけた中では最も大きな坑口で、全部塞がっているのですが横幅6~7mありそう。
周囲は大岩壁に囲まれており、異様な雰囲気。
飯豊鉱山の地質図と、今回発見した坑口部分にチェックを入れたカシミール3Dの地図を重ね合わせてみると、坑道のどこに位置するのかが大体わかりました。
この作業により、あと3つ前後は坑口があるのではないかと推測(沢の対岸斜面を除く)。
次回探索する時は、もちろん坑道内に入ってみたいのはもちろんなのですが、坑口があるかもしれないと予測する場所も併せて歩き回りたいと思うのです。

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坑口g
天井が低い横穴です。
坑口は右横にも連続しており、そちらから内部へ入ってみました。

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坑口g'
内部は結構複雑でして、少なくとも4方向に分かれているようでした。

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そのうち、斜め下方向へ急角度で落ち込んでいる坑道(斜坑)の天井に、青い胆礬(たんばん)が析出していました。
胆礬の析出は他にも見られました。
黄鉄鉱の大きな結晶で鉱物ファンに知られる飯豊鉱山ですが、もともとは銅や亜鉛、鉄を採掘していた鉱山です。
なので、別に不思議ではないのですが。

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坑口h
ほとんど閉塞しています。

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坑口i
特徴的な外観なので、あ、これネットで見たことあるとすぐ気づきました。

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坑口i内部
左へ続いているように見受けられましたが、定かではありません。

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坑口j
鉱山道より僅かに上部に位置しています。

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坑口j内部
3m先で終わっていました。
どちらかというと、狸掘り跡のような感じです。
索道の中継地点も坑口iと坑口jの間の北側、20~30mほど斜面を下ったところにあるはず。
その場所も確かめてみたいです。
もし索道の中継点の場所が特定できれば、すぐ南側に坑口が1~2個あるはずなので。
そんな感じでもう少し坑口情報を集め、飯豊鉱山地質図のどの部分に坑口が位置しているのかを明らかにするのが目下の目標です。

※6月3日の再調査で軽微な誤りを幾つか見つけたので、本文を一部修正しました。







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探検!飯豊鉱山 ② [鉱物 (新発田市・飯豊鉱山)]

飯豊鉱山の坑口群は、思ったより山奥に控えていました。
ただ、あとで改めて地質図を見るとおおよそその通りなので、もっと地質図を精査すればよかったのかもしれません。
最初に鉱山道沿いで最初に見つけた坑口へ入ろうとしたところ、なんと懐中電灯のバッテリーが上がっていることが判明。
この強力LEDの懐中電灯、1ヶ月位前にアマゾンで買った中国製のものなのですが、サイドスイッチが軽くてちょっと触れただけでオンになってしまうことがあるのです。
今回もラフにザックに放り込んでいたので、いつの間にかスイッチがオンになっていたのかもしれません。
それか、安物の中国製の懐中電灯はとにかくバッテリーの不具合が多いので、この懐中電灯のリチウム充電池(26650)に問題がある可能性もあります。
ヘッドライトはうっかり車の中に忘れてきたし、万事休す。
なので今回は坑口の中へは入らず、ひとつでも多くの坑口を見つけることに専念しました。

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鉱山道は中間部の難所(踏み跡が不明瞭で足元があまり良くない)を過ぎると、急にヤブが薄くなり、気持ちのいい森の中を散歩している気分に変化。
草丈も総じて低く、見通しも利くようになり、普通の登山道を歩いているのとなんら変わらなくなりました。
一度正規のルートを外れてしまうと地獄を見ますが、正しい踏み跡を選べばそれほど体力の消耗もありません。

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坑口の多くは鉱山道は沿いに出てきました。
例外は2個だけ。
それらとて近くに来れば地形的に、あ、あそこに何かありそうだなとわかります。
この奥まったエリアまで来ると斜度も比較的緩やかになるので、10~20m斜面を登るのに困難さはそれほど感じなくなるでしょう。
今回、沢を挟んで対岸に見える大きな坑口はカウントせずに、全部で10個の坑口を見つけました。
鉱山道はずっと古岐沢をはるか眼下に見ながら続いていますが、最初の坑口が現れる辺りから徐々に沢との距離を詰めていき、鉱山道の終点では沢との距離は20m程度にまで縮まります。
すなわち、沢に簡単に降りることができるのです。
(6月4日追記:容易ではないです汗)
地質図を見ると対岸をちょっと上がった辺りに、それこそ迷路のように坑道が張り巡らされているのがわかりますが、そちらの坑口(おそらく誰も訪れたことがないと思われます)の探検も射程に入ってくると思いました。
さて、上の写真が鉱山道の終点から写した古岐沢。
これから2回に渡って掲載予定の坑口の写真は、上流部から下流部に向かって順番に写したものです。

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坑口a
鉱山道終点手前に位置します。
すぐ閉塞しています。
閉塞する前は、3m右横に口を開けている坑口と内部でつながっていたものと思われます。

IMG_0750.jpg

坑口b
坑口aの右側に位置しています。

IMG_0748.jpg

坑口b内部。
這いつくばらないと入れませんが、その奥は広そう。
支保工の残骸が残っています。

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坑口c

IMG_0757.jpg

坑口c内部。
ここが一番本格的な坑道のように感じました。

IMG_0762.jpg

坑口d
坑道はとても狭く、侵入はほぼ不可能です。

IMG_0767.jpg

途中、大きなドラム缶のようなものや(後ろに高さ3mほどのコンクリートの塀がありました)エアータンクが藪の中に埋もれていました。

IMG_0772.jpg

坑口e

IMG_0775.jpg

坑口e内部
入口部分が狭く、這いつくばらないと入れません。

※6月3日の再調査で軽微な誤りを幾つか見つけたので、本文を修正しました。








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探検!飯豊鉱山 ① [鉱物 (新発田市・飯豊鉱山)]

今日(5月31日)から加治川治水ダムまで車で行けるようになったので、早速飯豊鉱山へ行ってきました。
といっても、過去2回探索しましたが、まだ坑口は一つも見つけておりません。
果たして今回は?

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ガーミンによる記録です。
沢沿いの赤線は昨年のもの。
さて、今回はおおよその坑口の位置は見当が付いていたので、それとは別に未知の坑口がないか、或いは飯豊鉱山が開かれる前に一足早く稼行していたとされる小岐銅山の痕跡がないか、鉱山道を辿りつつちょっとでも踏み跡があったら山側の方へ辿ってみることにしました。

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地図で雪渓と記している場所の写真です。
まだ大量の残雪が残っていました。

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その近くでかすかな踏み跡を見つけ、辿っていくと小さな谷間に出ました。
ここもまだ残雪が残っています。

IMG_0708.jpg

そこから斜面をへつりながら(傾斜が急なのでキツかった)、東へと移動。
途中、ズリっぽい石が散乱している谷間を発見したり。

IMG_0719.jpg

その上部で謎の坑口を発見。
カメラを構えている側からだと接近するのは不可能。
木の枝が邪魔してよくわからないのだけど、右下の斜面からなら何とかアプローチできるかも。
しかし、基本的にはロッククライミングの世界で、よくこんな垂壁の途中に開坑したなと。

IMG_0733.jpg

さらに斜面を東側へとトラバース、すると2本の太いワイヤーを発見。
それに頼り切って急斜面を登っていくとここへ出ました。
あれ~、今にも枝が折れそう。
登っている途中に大事に至らなくてよかったです。
さらに左斜め上にも、新たなワイヤーが現れました。
どこまで伸びているのか確かめてみました。

IMG_0735.jpg

地図でいうところの堰堤1です。

IMG_0736.jpg

堰堤1の上。
さすがに坑口が出てきそうな気配はありませんが、ワイヤーはこの堆積物の下を、さらに上の方に向かって続いていました。
このあと堰堤2も見学しましたが、同じような地形で、坑口はなし。
飯豊鉱山は大きく、飯豊鉱床と大鉾立鉱床に分かれていました。
大鉾立鉱床は、治水ダムから蒜場山へ登る登山道の西側上部の大岩壁にあったもの。
ぼくはまだその登山道を歩いたことがないので見たことはないのですが、複数の登山者の記録によると標高約500m付近の痩せ尾根にトロッコや索道の遺構が残っていることが報告されています。
しかし、この堰堤1&2の谷間の延長線上には独標(738m)があり、尾根上に残っている鉱山遺構とはちょっと位置がずれています。
多分、痩せ尾根上に残っているトロッコの残骸ですが、トロッコの軌道は堰堤1&2のちょっと上の斜面に向かって走っていたのではないでしょうか。
それなら納得がいきます。
やはりこれらのワイヤーは、大鉾立鉱床で採掘した鉱石を運搬するトロッコ軌道に関係するものだと思う次第。
この頃、既に五頭山を8合目まで登ったくらいのカロリーは消費していたので、未知の地形&坑口探しは断念。
余力のあるうちに、まだ見ぬ飯豊鉱山の坑口群を目指したのでした。


※6月28日追記:小岐銅山は飯豊鉱山の小岐坑のことであり、別な鉱山というわけではありません。
古岐沢左岸の坑口群が小岐坑ということになります。








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飯豊鉱山古岐沢へ [鉱物 (新発田市・飯豊鉱山)]

今年5月15日、初めて飯豊鉱山へ行ってみました。
でも、案内人なしのソロでは坑口にたどり着くのは至難の業であることを悟った次第。
既にその日の時点で新緑がかなり生い茂っていたので、見通しがそれほど良くなかったのです。
多分、坑口の100m以内圏には到達していたと思うのですが、なにせ鬼のような急斜面となっており、坑口を探しながらその急斜面をあっちに行ったりこっちに行ったりというのは体力的にも技術的にも不可能。
結局、あともう一歩というところで撤退。
で、今回は坑口探しをあきらめ、直下を流れる古岐沢の河原の転石狙いで行ってきました。
(あろうことか、今回カメラを持っていくのを忘れてしまったので、写真は全てスマホでの撮影になります。画質悪いけどしょうがない。)

iidekozan1.jpg

ダムサイトから平行に踏み跡が伸びています。
それをまず辿っていきますが、その踏み跡がそもそも悪い。
倒木が道を塞ぎ、鉱石が道沿いに散乱し、非常に歩きにくいのです。
最初の踏み跡(鉱山道)から河原まで結構な高さがあり、容易に降りていけるルートがあるかどうかがまず問題でした。
実は本来の鉱山道はもうひとつあり、ダムサイトから上の広場にあった日曹飯豊鉱山上流集落から現場へ通勤する小道があるはずなのです。
で、その小道へ通じる踏み跡を見つけました。
ピンポイントでそこしかないという場所(そこだけ斜度が緩い)にごくごく小さな谷があり、その谷に沿ってピンクのテープが枝に複数付いていたのです。
意を決して谷を降りていくと、特に途中危険箇所もなく、本来の鉱山道に合流することができました。

DSC_0153.JPG

ただし、その鉱山道はほとんど原始に還っており、部分的にしか残っていません。
しかし、目の前に写真のコンクリートの建造物が現れました(最初の地図で、黄色で囲ったところがその場所)。
中は空洞となっており、橋桁のような雰囲気。
おそらく索道の支柱でしょう。
位置的にも辻褄が合いますし。

DSC_0157.JPG

河原まではまだそこから降りるには傾斜が急すぎるので、しばらく踏み跡を辿っていきます。
すると、ほどなく3段の石垣を発見。
上になにかの施設があったのでしょうか?
念の為上へ行ってみましたが、ヤブが密生しており施設の痕跡は皆無。
コンクリートの建造物から150mほど歩いたところで河原へ降りました。
そこにもピンクのテープがぶら下がっていました。

DSC_0152.JPG

河原へ出る直前に、こんな遺物を発見。

DSC_0159.JPG

降下地点から下流を眺めるの図。

DSC_0162.JPG

こんな感じの渓相がしばらく続きます。
転石は結晶質石灰岩が結構目立ちます。
中には芸術的なまでに純白で光沢感のある立派なものがあり、目の保養になります。
あとは石灰岩と石英でしょうか。

DSC_0166.JPG

この崩落地を超えたところでUターン。

DSC_0168.JPG

Uターン地点から上流側を写しました。
この辺まで来るといよいよ飯豊鉱山地帯です。
ゴルジュがこの辺から始まり、左へカーブしたちょっと先に最初の滝が現れるはず。
そにれにしても右側から正面にかけて連続している岩壁はほぼ垂直で、ここからは斜面の上にあるはずの坑口へアプローチするのは不可能。

IMG_3102.JPG

この写真だけ、今年5月に撮ったもの。
奥に見える滝がこの先に待ち受けているはずの滝です。
この2つの滝は沢登りをやる人の遡行記録によると難なく乗り越えるられるようなのですが、その先に現れる5mの滝が非常に悪く、高巻きでさえも難易度が高いとのこと。
その記録を読んで5m、それに続く7mの滝を越えたあとに右岸に現れる沢沿いの坑口を訪れるのは素直にあきらめました。
今回、沢沿いの転石(ツイッターによると、転石から立派なドロマイトとパイライトを拾った人がいる)探し、及び周辺の地形の確認ともうひとつ、上の写真に見える広場の探索を目的としていました。
つまり、この広場に施設の痕跡がないかどうか、端っこの方にズリがないかどうかのチェック。
ここより一回り小さな広場がすぐ下手側にもあり、どうやらコンクリートの建造物から伸びる踏み跡はこれらの広場に通じているようでした。
実は河原へ降りる前にちょっとだけその広場方面へ行こうとしたのですが、とてもヤブが深く断念。
草薮でなく、つる状の灌木や樹木が生えており、ちょっとしたジャングル状態になっているのです。
既にここにたどり着くまでにかなり体力を消耗していたので深追いはしませんでした。

結局、ゆっくり転石探しをする体力的余裕がなかったがために(これほどヘロヘロになるとは・・・)、パイライトもドロマイトもひとつも見つけることは叶わず。
もう一度行くことがあったら、最初に河原へ降りた地点から下流側を探すと思います。
(多分2回目はないと思いますが。)




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