SSブログ
ヒメボタル 2020 (下越) ブログトップ

聖域への侵食 [ヒメボタル 2020 (下越)]

13日、おそらくホタルシーズン最後の曇りの日となりそうだったので、精霊の森へヒメボタルの見納めに行ってきました。
昨日、同じような標高のポイントへ行ったらほとんど終盤戦に入っていたので、こちらも多分それほどは現れないだろうなと思いながら。

IMG_2018.jpg

ここは農道から森の中へ、60~70mほど道なき道を入っていきます。
途中深いヤブも現れる、まるで広葉樹林のジャングルのような森です。
いつものテラスへ着いて、信じられない光景を目にしました。
この森で3番目くらいに大きな木が倒れているではありませんか。
近寄ってみると、地面が鋭角にえぐれており、どうやら最近の豪雨で地盤が緩み、それで倒れてしまったようです。
ちょうどこの木は急斜面に生えていたので、仕方ないといえば仕方ないのですが。
空にはぽっかりとこの木が倒れてことで空洞が広がり、今まではほぼ木々の間から空を見ることはできなかったのだけど、一部空が見えるようになりました。
これで月明かりの影響をそれなりに受けるようになるので、ヒメボタルも今までよりは減るのではと危惧しています。
この記事を書いている14日正午、天気予報をチェックすると今夜県北は激しい雨に見舞われそう。
被害が拡がらないことを祈るばかりです。

IMG_2019_2134p.jpg

EOS 6D Mark II 改 + TAMRON SP45mm F1.8 VC (共通)

幸いこの森の主である精霊の木は、平らな所に生えているせいもあり、無事でした。
今回倒れた木の方角にカメラを向けるつもりだったのですが、嫌な感じが残ったので、前回同様ご神木?の方にカメラを向けました。
やはりこの地のヒメボタルもほぼ終息しており、8時台前半の15分くらいしか現れてくれませんでした。
尚、中央下の緑色の光はクロマドボタル。
よくよく森の中を見渡してみると、他にもクロマドボタルは数匹いました。



nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

雨のホタル街道 [ヒメボタル 2020 (下越)]

12日、県北の標高380mの林道へ。
天気予報だと22時までは曇りのはずだったけど、ところどころ霧が立ち込め、20時台もひたすら小雨が降りしきる状況でした。

IMG_1934_2012pp.jpg

EOS 6D Mark II 改 + TAMRON SP45mm F1.8 VC

林の中にはもう少しいたけど数は少なく、明らかにピークを終え、終息に向かっていることが伺えました。
いよいよ下越のヒメボタルも終盤のようです。
結果的に、おそらくこの辺も3~5日前がピークだったものと思われます。
過去5年間のデータを見ると、標高の高い山間部(おおむね400m前後)は7月10日がひとつの目安ですね。
それを過ぎると、ヒメボタルの数は一気に下降線を描くようです。
今季この林道へ来たのは初めてだったけど、こちらは例年と変わらぬ風景が見られました。
その点は一安心。
また来年もヒメボタルに出会えますように。


nice!(0)  コメント(2) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

精霊の森へ [ヒメボタル 2020 (下越)]

本当は惑星直列が起きた7月4日に行きたかったけど、悪天候でその日は断念。
5日も小雨が予想されたけど、月曜も火曜も天気はさらに悪化しそうなので、思い切って行ってみました。
場所は、今季初めての標高400m近くある”精霊の森”。

IMG_1365haikei.jpg

到着したのが遅く、試写する余裕もなく、エイヤッと決めた構図で本番に突入。
こないだヤマビルに遭遇したので、このような雨天時は過去ヤマビルに出会ったことのないこの森でもひょっとしたら会うかもなあ、と現場に着くまでは戦々恐々でした。
しかし、やはりこの森は波動が高い。
農道から道なき道を60mくらい歩いてここにたどり着くのですが、現地へ着くと不思議とヤマビルへの恐怖は消えました。
なんと言うか、いる気がしない。
この森は猿も熊もいません。
ケモノの気配を感じたことが過去一度もないのです、もちろんこの日も。

例年より下草が高かったのでこの写真ではわかりにくいですが、テラス上の斜面から谷間を見下ろすように撮っています。
谷の中央を左右に小沢が流れていますが、水面は見えません。
左側の大木がこの森の主。
ここは下越では珍しい広葉樹林帯のポイントで、杉林より月光が入りにくく、満月でも曇りの場合だったらそれほど明るくなりません。
頭上を密に広葉樹の葉っぱが覆っているので、小雨ぐらいだったら十分撮影できるし(もちろん雨具は必要ですが)、ホタルたちの活動にも影響はないように思われます。

IMG_1365_1498p.jpg

EOS 6DMark II 改 + EF16-35mm F2.8L III USM (32mm)

総露出時間約43分。
光り始めは思ったより早く、19時42分。
45分頃からあちこちで光り始め、50分から撮影開始。
標高があるし気温も低めだったためどうかなと思ったのですが、やはり毎年同じ時期にヒメボタルは発生するようです。
ピーク時の1/4~1/3程度でしたが、小雨降り止まぬ中、思ったより現れてくれました。
しかし引けは早く、20時20分を回ると8割減。
その頃にはほぼ雨は上がったのですが、ホタルの数が増えることはありませんでした。
さらに20時30分には9.5割減といった感じで、視界からホタルの光が消えたので40分に撤収。
森の外へ出てみると、いつもはヘイケやゲンジの姿が見られるポイントでもそれらのホタルは皆無。
祝祭は終わった、そう感じました。



nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

月明かりとヒメボタルの発光頭数の関係 [ヒメボタル 2020 (下越)]

29日、前日に半月(上弦の月)を迎えた明るめの月が空に出ています。
表題の、月明かりと(ヒメボタルに限らず)とホタルの発光頭数の関係はどうなっているんだろうと毎年疑問に持ってきました。
自分なりに観察してきましたが、どうもよくわかりません。
見つけにくいだけで、意外と発生しているのではないかと感じてきてはいましたが。
ところがつい先日、興味深い論文を見つけました。


13年間に及ぶ調査の結果、その年のピーク日の「月の満ち欠けの影響」(=月齢X出没時間)が高いほど、多く発生する傾向にあることがわかったそうです。
その理由についても詳述してありましたが、ここでは省略します。
これは固定観念を覆すものであり、画期的な研究成果だと思います。
言われてみれば、確かにそういう傾向にあるのかもしれない。
もうひとつぼくなりに得た結論は、ピーク日はかなり固定されており、その年の気温などの条件にそれほど左右されないというものです。
それならば標高400m前後に位置する県北の生息地、今年はそれこそ満月のあたりにピークが来そうなのですが、満月の前後に一度行ってみる必要がありそうですね。

ところで、29日は27日に訪れた場所を再訪しました。
伐採のために林の中に作られた作業道をさらに奥まで歩き、そこにカメラを構えました。

IMG_5669_5701p.jpg

光り始めは前回より早く、19時45分。
これは最初の10分間の画像。
頭数も前回より多く、3割増しといったところ。
天候は薄曇りで、朧月夜といった感じでしょうか。
20時20分頃から時折雲が取れ、直接月明かりが林内を照らすこともありました。
このように明るさが残っている状況ですと、ホタルの光はよくわかりません。
ピクセル等倍にすると、ほぼ全域にヒメボタルの光跡が写っているのです。
昨年までより若干数は少ないけど、思ったより工事の影響はなさそうで少し安心。
ただし、ピンクのテープがぶら下がっているあたりが今後伐採される可能性はあります。
来年はどのような姿になっているのか、不安が残ります。

IMG_5702_5792p.jpg

こちらはその後の30分間の画像。
うっすらとした月明かりがあるため、林内はヘッドライトなしでもぎりぎり歩けるほどでした。
尚、直接月光が林内に入ってきた20数枚の画像は、この写真の比較明合成から外しました。
この林のピーク日は大体6月末~7月頭にかけてなので、月が明るくなってきているにも関わらずホタルの数が増えてきたことは、くだんの論文の内容を立証するものです。

IMG_0987_1066p.jpg

もう1台のカメラの画像。
前回カメラを構えた場所に比べると、今回の2箇所はそれほど多くヒメボタルが回遊しに来てくれなかったです。
やはり、あまり林の奥に行くと、若干数は減るようです。
月が頭上に上ってきてわかったのですが、林内には比較的月明かりが差し込まない区域があることに気づきました。
また、撮影中あちこち歩き回ってみて、この林の面積はかなり広大であり、若干のばらつきはあるものの、基本的にまんべんなくヒメボタルが生息していることがわかりました。
今回歩き回ったのは谷側の林だけです。
山側の林でも前回より2~3割ほどホタルは増えているように見えたので、いつか機会があれば山側の林の奥でも撮影してみたいと思います。

撮影を早めに切り上げ、向かった先は高坪山の登山口。
夕方下見して非常にいい感じだったので。
現地着21時30分。
登山道が蔵王コースと虚空蔵コースに分岐する地点のそのちょっと奥~石碑の立つあたり~まで歩いてみました。
そこから先は原生林っぽい威厳のある杉林が続きますが、残念ながらヒメボタルを見つけることは叶わず。
この日の夕方、関川村の中束周辺も下見したけど、広大すぎてどこに的を絞ったらいいかわからない。
探せばいくらでも生息地は見つかると思うんですが、神林村も関川村も山また山。
ひ、広い・・・







nice!(0)  コメント(6) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

ヒメボタルよ、生き延びてくれ [ヒメボタル 2020 (下越)]

27日、県北にある蔵王山を目指しました(山形県のそれではない)。
ネットの登山記録を見ると、登山道途中にある鳥居がいい感じだったし、周辺の林もすっきりした雰囲気だったので絵になりそうと思って。
ところが、あともう少しで鳥居が出てくるあたりで登山道が分断されていました。

IMG_5380.jpg

ここに至る杉林は非常にいい感じで、ヒメボタルがいかにもいそうだったのですが、なんとこの一帯はヤマビル天国でもありました。
車に引き返してきて念の為靴を脱いでみると、うわ、靴下に何匹もヤマビルが付いている。
パニックになり、ズボンも靴下も脱ぎ、あられもない格好になりました。
幸いまだ血は吸われていなかったけど、ヤマビルが多いところは無条件に却下です。
この山の周辺はヤマビルがいないと思っていたんだけど、どんどん生息範囲が拡がっているのでしょうか?

IMG_5386.jpg

気を取り直して、ぼくが見つけた中で最もヒメボタルが数多く生息する林へ移動。
ところが、ここでも異変が起きていました。
林の中に時縦横無尽に作業道が付けられており、間伐が行われていたのでした。
作業はもう終了したのか(重機がなかったのでそう信じたい)、それともまだまだ続くのはわかりませんがショック。
これでひとまずの伐採作業が終わったのならヒメボタルは絶滅することはないし、遅かれ早かれ数的にも復活するでしょう。
さて、ヒメボタルはどのくらい減ったのか、気をもみながらカメラ2台体制で撮影開始。

IMG_0744_0911p.jpg

1台は、道路より山側の斜面に向けました。
こちら側の方が伐採が密に行われており、感覚的には7割ぐらいホタルの数が減っていたと思います。

IMG_5398_5567pp.jpg

もう1台は、道路より谷側の斜面へ設置。
伐採道が生じたために、今までは入っていけなかった林の奥まで入っていけるようになったので、50mほど入ったところ~比較的伐採が行われていないあたり~にカメラを構えました。
こちら側は4割ほどホタルが減っていたでしょうか。
総露出時間はどちらも約50~55分。
撮影中、伐採道をあちこち歩き回りながらホタルの分布を確認。
林のずっと奥にはそれほどいなかったです。
でも、広範囲にまんべんなく生息していることがよくわかりました。
そして前述したように、道路から山側の林のヒメボタルが目に見えて減ってしまいました。
どうか生き延びてほしい。
それだけです。



nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー
ヒメボタル 2020 (下越) ブログトップ