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大蕎麦谷沢下流部遡行 [鉱物 (阿賀町) 楢山]

ようやく夏の天敵・アブもいなくなり、気温も落ち着いてきて沢歩きに最適の季節になりました。
最近はまとまった雨も降っていないので、沢の水量は気持ち少なめ。
台風が来る前に、できるだけ沢で遊びたい・・・

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ここに来るまで大渕を2箇所超えてきていますが、水が気持ち少なめだったので何とかここまで来れました。
既に未体験ゾーンに入っています。
水深は最大で太ももの下部あたりまであったでしょうか。
その水深で流れが早かったらアウトですが、ほとんど流れがなかったので行けるところまで行こうと。
まずはきれいな石ころ探しを封印して、ひたすら上流を目指しました。

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遡行を開始してから1時間20分、このゴルジュを突破するには泳がなければなりません。
水温はぬるいし、その気になればもっと先へ行けるけど、石探しもそろそろしたいのでここでUターン。
それにしても美しい渓相です。
ちょっと感動。
水中メガネを持ってきて、シュノーケリングしたらどんなに楽しいことでしょう。
ここに来るまで魚影も何回か見かけていたので、余計潜ってみたくなりました。

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今回最も多く河原で見かけたのは緑の碧玉です。
写真ではわかりにくいのですが、若干のアルミ成分が含まれているため光沢感があり、ガラスの質感を際立たせています。
大きいものでは上の写真のように70cmオーバーのものもあり、庭石にもってこい。
体力がないので15cm程度のものしか持ち帰れませんが。

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そろばん玉石や球顆流紋岩はどこにでもあるというわけではないですが、あるところには集中してあります。
色合いが微妙に異なるそれを集めてみました。
サイズは1cmから5cmくらいまで様々。
このあと割ってみましたが、残念ながら遊色は現れず。

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水に濡らすと一気に高級感が増します。
このように青っぽいものが多かったです。

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これは最初から結晶部分がむき出しになっていた球顆。
これで直径約4cm。

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これも最初からこの状態で河原に転がっていました。
これはなかなか大きく、直径7cmくらいありました。
ハンマーで割らずとも、このように結晶部分が露出しているものだけを探すのも合理的かもしれません。

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間瀬の田ノ浦海岸でよく見かけるように、緑泥石に白い結晶が付いていたので割ってみました。
どうやら方解石のようです。
この沢で方解石は初めて見ました。
このあともっと小さいものですが、やはり緑泥石とセットになった小さな方解石を見つけました。

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緑の碧玉の次に多く見かけた鉱物は松脂岩です。
外見は黒曜石そっくりなのですが、こちらの方がややもろいです。
含まれる水分量に違いがあり、黒曜石は1%以下であるのに対し、松脂岩は1~10%含むとされています。
今回の探索で松脂岩ファンになりました。
これも庭石にいいかもです笑。

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途中、なんと松脂岩の晶洞を見つけました。
ストロボを発光させて写してみましたが、ガラスの質感がより一層強いような気がします。
含まれる二酸化ケイ素の割合が高いのでしょうか。
なんとなくモリオンのポイントが埋まっていそうな雰囲気ですが、さすがにそれはなさそう・・・









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ノーブル・オパールを求めて [鉱物 (阿賀町) 楢山]

福島県宝坂に、ノーブル・オパール(もしくはプレシャス・オパール)で有名な屋敷鉱山があります。
正確に言うと、ありましたと過去形になりますが。
屋敷鉱山の前を流れる沢は阿賀野川水系に属する川なので、新潟県側の阿賀野川の支流のどこかにノーブル・オパールを産出する沢があったとしても不思議ではありません。
実際、遊色を生じないコモン・オパールすなわち通常の蛋白石ならあちこちで見られます。
9月9日、3年ぶりに新潟県阿賀町のある川を訪れました。
この川を遡行するのは今回でまだ2回目。
蛋白石を産するそろばん玉石や球顆、それらを伴った真珠岩が普通に見られる川で、鉱物ファンの間では全国的な知名度を持ちます。
しかしながら、この川をある程度上流部まで遡行して石探ししたという話は聞きません。
ネットで調べてみても、上流部へ行っているのは沢屋さんのみ。
彼らの遡行記録の写真を見ると、結構水の色が黄色がかっており、屋敷鉱山付近の水の色とよく似ていていい感じ。
ただ流域がとても長いので、探索は長期的視野で考えないといけません。

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3年前に到達した地点から石探しをしました。
そこまでにもたくさん真珠岩は出てきますが、片っ端から見ていったらキリがないので、今回は上の写真の河原から探索活動スタート。

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いきなり河原で500gくらいありそうな、大きな玉髄を発見。
ちょっとだけハンマーで整形してみたのですが、固くていくらもカットできませんでした。
本当は中央から真っ二つにしてみたかったのだけど。

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次から次へと、そろばん玉石が無数に付いている大きな岩が出現します。
中にはこのように蛋白石部分が露出している岩もあり、目を楽しませてくれます。

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これで直径3cmくらい。
最初から皮が剝けている?球顆としては、これが一番大きかった。
蛋白石部分も艶があってとても美しく、遊色出現までもう一息というところ。

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ここからすぐ上手の河原で、ものすごい光景を目撃。

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これは崖の一部ですが、幅10mくらいの斜面が全部そろばん玉石や球顆で埋め尽くされています。

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この場所だけであっという間に1時間半経過。
時間がいくらあっても足りません。

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今回持ってきたハンマーは軽量なハンマーだったのでなかなか割れません。
10数個割ったところで腕力終了。
これはと思う大きめの球顆を3個持ち帰って、家で改めて割ってみました。
すると、空洞部分に水晶が成長していました。
そもそも空洞のある球顆自体が珍しいので、とてもラッキー。
写真ではわかりにくいのですが、ルーペで見るとちゃんと錐面が発達している極小の水晶に覆われたサボテン水晶が内部にありました。
これがアメジストなら、世間で言うところのかぐや姫水晶ということになるのですけど、遊色入りのオパールやかぐや姫水晶が見つかる可能性を確かに感じた次第。

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結局3年前に歩いた距離にほんの毛の生えた程度しか遡行できなかったけれど、河原には他の河川では決して見られない大きな碧玉もたくさんあり、鉱物観察が本当に楽しかったです。
写真は、アルミノセラドン石入の碧玉。これで長辺50cmくらい。
赤い碧玉はあまり見なかったけど。




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楢山の玉髄 [鉱物 (阿賀町) 楢山]

11日、9日に引き続いて楢山(阿賀町)へ行ってきました。
前回訪れた際、大きな岩場を2箇所発見し、そのうちの1箇所を探検しました。
今回は残る1箇所の岩場をざっと見てみるのと(晶洞がないか、岩壁の下部にクラスターが埋もれてないか・・・)、隣接する小沢を遡行してみるのが目的でした。

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最初に目指したのは、前回より右側に位置する大岩壁。
取り付きに辿り着く前に、こんな岩場が出現。
五頭の中ノ沢森林公園へ行くとこんな風景が頻繁に見られますが、ここでは残念ながら犬歯状の玉髄は見られず。
ただし、岩の表面はわりと珪質になっている部分が多く、のちのち期待を抱かせてくれました。

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その近くの岩。
もこもこしていますね。
真珠岩や松脂岩に分類されるであろう岩がたくさん山中にありました。

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そして、ここが屏風岩。
ただし、ぼくが勝手に付けたネーミングです。
岩場の付け根を30mくらいトラバースしたところで谷が現れ、傾斜が50度を超えたのでそこでUターン。
風化の度合いが少なく、割れ目などもなし。
早々と見切りをつけ、小沢の遡行に切り替えました。

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この沢が面白かった!
ここはスラブ上の小滝の直下なのですが、ここから先に進むにはザイルがないと危険なので、ここで引き返しました。
すぐ右手に大きな倒木があり、側壁が露出していました。

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粘土に埋もれて楢山特有の球顆がたくさんあり、中には割らずとも既に半透明な玉髄が露出していたり。

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結局、この小滝の落ち込みの河原が最もすごかったです。
林道脇に落ちている球顆や真珠岩より、さらに雰囲気的に上質っぽいそれが凝集しており、かなり興奮してしまいました。

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幾つかハンマーで割ってみたら、青みがかったグレーの、蛋白石ライクな玉髄が現れました。
大蕎麦谷沢を遡行しても、なかなかこぶし大より大きなサイズの球顆はゲットできないと思いますが、ここではこぶし大が平均サイズ。
さらに一回り大きな石もごろごろしています。

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いくつか持ち帰った中のひとつ。
水で湿らせて撮影しています。

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これが今回のお宝です。
玉髄部分の厚みだけで4cmあり、石全体では12X9X5cm、質量865g。
実はもっと原石は大きかったのですが、現地で整形し、一回り小さくしてから持ち帰りました。

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反対側の面。
黄色い部分も結晶です。
たわしでごしごし洗った後なので、表面がぷにぷにしているとかそういうことはありません。

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楢山産の玉髄に限らず、蛋白石ライクな玉髄はほとんどが蛍光します。
稀に暖色っぽい白に蛍光するものもありますが、楢山のそれは寒色系の白に蛍光するものが多いようです。
365nmのUVライト使用。



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楢山の奥へ [鉱物 (阿賀町) 楢山]

楢山(阿賀町)から大蕎麦谷沢沿いに伸びている林道を、終点まで走ってみました。
途中ソノ又谷沢が枝分かれし、林道は大蕎麦谷沢に別れを告げ、ソノ又谷沢右岸に沿って伸びています。
分かれ道からダートになり、再び舗装になったと思ったらすぐ行き止まり地点に出ました。
ここで林道は二手に分かれ、その先へ続いているのですが、どちらもロープが張ってあって進入できません。
そこから山手の方の林道を歩いて詰めていったら、10分くらいで工事中の林道の終点に出ました。

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ロープをまたいで工事中の林道へ入ると、両側に切り通しの露頭が出現します。
鉱物好きにとっては、たまらない現場なのですが、残念ながら石灰石(或いは石英片岩?)ぐらいしか見つからなかったです(次の写真)。

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そのあと車に戻り、ソノ又谷沢に架かる橋のたもとまで移動し、ソノ又谷沢をちょっとだけ遡行してみました。

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きれいな水石でもあるかなと思ったのですが、碧玉っぽい緑の石が少しあるだけで、以外と単調です。
この写真の石は、唯一カメラを向けたくなった石。
なんだか色々な種類の鉱物が組み合わさっているような。
本命の大蕎麦谷沢は途中からゴルジュが延々と続くので、本格的な沢歩きの装備で挑まないと無理なことがわかりました。
この沢の上流には紫水晶や玉髄の大型のものをはじめ、数々の鉱物ファンをうなられせるような鉱物が眠っていると思うのですが、源流部を攻めるのは不可能に近いようです。

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滝頭湿原の手前にある名瀑・大尾不動滝にも立ち寄りました。
柱状節理が見事です。
ネットで見つけたブログに、沢の転石に面白いものがあったとの記述を見つけたので、滝周辺の地形のチェックはもちろんですが、沢の転石も調べました。
しかし、ざっと見た感じではワンパターンの岩石しかなかったです。
それにしても、ほぼ10年ぶりに訪れた大尾不動滝、こんなに素晴らしい滝だったとは。

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6日、最初に訪れたのは阿賀町向鹿瀬の龍蔵寺。
龍蔵寺には、草倉銅山で働いていた坑夫たち(女性や幼い子供の抗夫もいたそうです)の墓地があり、弔う人のいない坑夫たちの無縁仏供養が毎年7月に行われています。
当初、訪問予定はなかったんです。
本来の目的は同じ向鹿瀬地区にある阿賀町の図書館で、草倉銅山に関する郷土資料を漁ることだったのですが(とても興味深い資料を発見しました)、その帰りにたまたまお寺の前を通りがかったのです。
すぐ、そこが龍蔵寺だとわかりました。引き寄せられたんですね。

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先日訪れた草倉銅山跡地では、平成30年7月に完成した無縁供養塔に参拝してきたばかりですが、なんと龍蔵寺にも同様の供養塔が建立されていました。

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やはり石碑の日付けは平成30年7月となっております。
詳細はどうぞ碑文をお読み下さい。
草倉銅山について、阿賀野川え~とこだ!流域通信というサイトに草倉銅山についてよくまとめられた記事がありましたので、リンクを貼っておきます。


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