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遠かった高知山鉱山 [鉱物 (新発田市・高知山鉱山)]

地質Naviというサイトで、全国の地質図を見ることができます。
使い方がちょっとややこしいのですが、地質図を地形図の上に重ね合わせ、透過度を変えることもできるので、慣れると楽しく地質散歩?ができます。
どういう基準で再録しているかは不明ですが、そこには休廃鉱山も記されているのです。
ただし、新潟県の地質図は20万分の1しか用意されておらず(例外的に飯豊山中心部は5万分の1のそれが用意されている)、大雑把な位置しか知ることができません。

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ここに高知山鉱山の名が見えます。
二王子岳の前衛の山に高知山(1024)がありますが、その山麓にあるようです。
ちなみに、前を流れる沢は南俣川。
二王子岳の登山口である南俣集落を過ぎるとすぐ南俣川沿いに伸びる林道と出会うのですが、林道入口にゲートが有り、そこから歩かないといけません。
ああ、バイクがあればなあ・・・
去年1年間いろいろな資料にあたりましたが、一つの例外を除き、高知山鉱山の名を見つけることはできませんでした。
あと、新潟県地質図説明書(昭和52年3月)に、高知山鉱山の名が出てきます。
そこには、金・銅・その他と書いてありました。

実は帰宅してから気づいたのですが、候補地の場所を勘違いしていました。
地質図によると一王子神社の南に鉱山マークがありますが、一王子神社と二王子神社を取り違えていました。
従って、本来は標高500~550mの辺りを探さないといけないのだけど、350mの辺り~林道が川を横断する前後~を探し回っておりました。
歩くこと1時間10分、距離にして約3km、ようやく目的地に達すると、対岸の斜面がきれいに伐採されています。


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なんだかなあと思いながら歩き回ってみると、林の中に古い鳥居が鎮座しているのが目に入りました。

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背後の杉の大木は根本で2本に分かれているので、この杉の木を夫婦杉に例え、神格化したのでしょう。

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来る途中にはこのような石碑もあり、かなり昔から林業が盛んだったことが伺いしれます。
今も林道沿いのあちこちにピンクのテープがぶら下がっており、今も山仕事に入る人が多い様子。
となると、あの山神社は山仕事に携わっている人々が建てたのか、それとも高知山鉱山で働く人達が建てたのか?
いずれにせよ、この神社の周辺を探索してみる必要がありそうです。

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祠の前に備えられていた男根。
鳥居もそうですが、建てられたのは戦前でしょう。
大正時代あたりか?

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伐採地の右に小沢が流れており、大小の岩が累々と積み重なっていました。
ぱっと見、坑口のように思える穴もあちこちにあります。
まずはこの沢を登ってみました。

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標高差で20mほど登ってみたのですが、ひたすらこのような岩場が続きます。
その都度ライトでこれはと思うプチ洞窟内部を照らしてみたのですが、採掘跡ではなさそう。
どうやら自然の造形のようです。

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沢から降りてきて、隣接する小さな谷を確かめたく歩を進めたら、ほどなく坑口らしき地形に遭遇。
中を覗いてみましたが、左側はずっと奥まで穴が続いているようでした。
でも、坑口だという確信はあまりなく・・・

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しかし、この辺の渓相は素晴らしいものがあり、そのうち鉱山の探索はどうでもよくなり、次から次へと現れる上の写真のような景勝に酔いしれていました。
一本コゴミの群生地も見つけたし、まあ来た甲斐はあった。

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ざっと200mの範囲の河岸段丘を歩き回り、体力も限界に達したのでUターン。
山神社から約1.2km歩いたところで、古びたワイヤーの塊を発見。
これが索道に使われたものだとすると、この近くに坑口があるのか・・・
すぐ対岸に谷地形が見られたので、その辺を少し探索。

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約50m登ったところで、またしても怪しい岩場が出現。
しかし、この岩場も自然の造形と思われ、人の手が加わった形跡は認めることができなかったです。
周辺に踏み跡もなかったし、標高もちょっと低すぎるし、ここではない。
やはり、山神社からさらに800~1000m歩かないとダメみたいです。
となると片道1時間40分はかかりそう。
バイクが借りられたらもう一度来てみたいと思うけど・・・

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ちなみに、林道上にはたま~にきれいな石英の石ころが落ちていました。
上の写真は、林道脇の小さな流れで見かけた石英。
沢沿いの岩石は花崗岩がメインでした。




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