ホタル前線北上せず

今季初めて胎内市のS川上流へやってきました。
ここは川沿いに農道がかなり長く延びており(400～500m)、どこにホタルがより多く出現するかは行ってみないとわかりません。
ここから直線距離で約1.5km下流のポイントでは、知人がこないだの週末に乱舞を見たとのこと。
ならばそろそろここまでホタル前線が北上してくるかなと思ったのですが、結局最も下手の方で多く見られたので、まだ完全には北上していなかったようです。



明るいうちにざっと全域を下見して驚きました。
ここはご多分に漏れず休耕田が多かったのですが、田んぼがかなり復活しており、荒れ地だったところには写真のように花菖蒲が植えられている光景を複数箇所で目にしました。
あぜ道や奥の林との境の土手もきれいに整備されており、なんというか、土地の持ち主の方の自然への愛情が感じられるのです。
ここは農家の方の世代交代がうまくいったようですね。
ということで最初はここにカメラを構えたのですが、かなり上流に位置するこの湿原にはまだホタル前線が北上していないとみえて、ホタルはさっぱり。
早めに見切りをつけて下手の方へ三脚担いで場所移動。



結局、上流域への入り口にかかる橋の前後で最も多くホタルが見られました。
ここもヘイケが多数生息するのですが、まだヘイケはごくわずかだったので、この場所ではシーズン始まったばかりのようです。



この場所の撮影を20時25分に早めに切り上げ、どうしても絶好の条件の時に訪問したかった、新発田のヒメボタルがいるかもしれない小沢の源流へ。
そこは櫛形山脈を流れる、新発田市管内の沢の上流(というか源流)。
林道終点から山仕事用の細々とした踏み跡が沢沿いに延びており、その先は原生林といった風情の場所。
林床もふわふわして適度な湿り気があり、ヒメボタルの生育環境としては理想的です。
もっとも、とうの昔に絶滅していたらまず復活することはない種類のホタルだし、100年前にタイムスリップしたとしても、全ての山林にまんべんなくヒメボタルが生息しているということはないと思うのです。
地質や鉱物の分布と同じく、地域ごとの特徴があると思うので、下越地方においては三面川から北の方にしかもともと分布していないのではないでしょうか。

※先日、私のブログを見て姫探しを県内で始めたという方からメールを頂きました。
それによると、下越の、村上市以外の場所で姫を見つけたとのこと。三面川以南にもいたのです！
嬉しいですね。
やはりピンポイントで下越各地に生息しているようです。

月夜のホタル見物

数年ぶりにある渓流の上流へ行ってみました（胎内市）。
標高は80m弱しかないのだけど、7月中旬までホタルの飛翔が見られる穴場です。
結構流域が長く、道が適度に曲がりくねっているため、場所を選べば月明かりの入りにくいところもあります。
どこからも人工光は視界に入らないため、星見に適した場所でもあります。

EOS80D改 + 16-35mm F4L IS (16mm)

月明かりがなければヘイケの乱舞が見られるポイント（とっくにピークは過ぎていますが）。
それでもまだまだホタルはいます。
頭上に白鳥座が横たわっており、モザイクでそれを入れようとしたけど、うまくいきませんでした（点に写し留めた星空を合体させる場合、どうしても歪曲収差があるので難しいです）。
そのために天体仕様の80Dを使ったのだけど。

EOS80D改 + 16-35mm F4L IS (20mm)

せっかくなので、昇ってきた天の川をこのカメラで写してみました。
半月でもうっすらと散光星雲がピンクがかって写ります。
でも、この程度ならノーマル機との差は限りなくゼロに近いですが。

EOS80D改 + 16-35mm F4L IS (20mm)

横に2枚モザイク。
護岸化された渓流ですが、ほぼ自然の状態に還っており、沢沿いに多くのホタルが飛び交います。

時刻は既に21時半を過ぎています。



EOS6D Mark II + SIGMA 24mm F1.4 DG art

21時50分、月が高い木立の下に沈みました。
もともとこの原野と田んぼの境目はホタルが集まってくる場所なのですが、早めに月光が当たらなくなるのでそこがホタルたちに人気のゆえんかもしれません。
さすがに22時を過ぎるとホタルはまばらになりました。
22時20分撤収。