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名もなき沢の石英脈と謎の坑口 [鉱物(下越)]

今年の春に2回遡行し、上流部でこれはと思えるアメジストのちょっとしたクラスターが付いた大きな岩を見つけました。
その時はカメラを忘れてしまったので写真は撮っていないのですが、ぜひ記録に残したいと思って12日に再訪。

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下流部はすごく傾斜がきつく、このような大小の滝が連続してぐんぐん高度を稼いでいきます。
下から見上げるととても登れそうにないと思うのですが、どの滝も幸いにしてなんとかザイル無しで直登可能。

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等高線が混み合う区間を過ぎると傾斜は落ち着き、その後はこのように穏やかな渓相が続きます。
沢は途中で二手に分かれ、今回右俣・左俣とも標高520m付近まで遡行してきました。
というのも、記憶にあったアメジストが見つからなかったからです。

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最初、分岐点から右側の沢へ入ったのですが、こちらは石英脈が濃く、終始このような独特の形状の水晶(海綿状カルセドニー)が見られました。
次に左側の沢へ。
すでにかなりヘロヘロになっていたのですが、水温がこれ以上低くなると長時間の沢登りはきつくなるので、これが今期ラストチャンス。
しかし、こちらの沢はやや登りやすいものの、石英脈が消えました。
一応標高520m地点まで遡行しましたが、体力も尽きかけているのでUターン。
そして、50mほど下ったところで坑口を見つけてしまいました。

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来るときも前を通ったはずですが、気づかなかった。
沢沿いにあるので土砂の流入が激しく、パッと見、自然地形と思ったのかもしれません。

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しかし1mほど入って内部を見てみると太い支保工が・・・
左の壁が青く染まっています。
たとえ胆礬であろうと、ここまで青いのはなかなか見かけません。
これはスゴイ。

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坑口は縦長になっており、こちらは下の方。
隙間の向こうに坑道が見えます。
上部の空間でさえ出だしが非常に狭く、四つん這い、あるいは這いつくばらないと前へ進めません。
そこまではしたくないし、できないので写真だけ。

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坑口の周りの壁面を観察したら、どこも石英脈が露出していることに気づきました。
しかも、柱面の発達した形状の水晶がところどころに顔を出しています。

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これなんか、アメジストと言えそうです。

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坑口前の沢の水中にも同様の水晶がありました。
このサイズではわかりにくいですが、原寸大にして眺めるとポイントが何本も見られるのです。

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壁面の石英脈中、最大の水晶ポイント。
3cmくらいでしょうか。

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茶色の細かい多角形の粒粒は、自形の菱鉄鉱。
先日の新潟ミネラルマルシェではコーデックスさんのファンになり、同店が主力商品として販売していたベラクルスアメジストに魅せられましたが、新潟産なんちゃってベラクルスアメジストと言えないこともない。





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