梅花石を求めて

阿賀町では広く球顆流紋岩や真珠岩の見られる場所が分布しているようです。
本格的に鉱物の写真を撮り始めてもうすぐ3ヶ月。
しかし、まだ球顆流紋岩を見たことはありません。
殻を割ると、中にたんぱく石や玉髄が入っていることが多いと言うことで、どちらも好みの鉱物であることから最近興味を持つようになったのです。
球顆ナントカ岩と言えば阿賀町のN山が有名ですが、昭和58年に出版された「新潟のすぐれた自然　地形・地質編」（新潟県自然環境部自然保護課編）によると、T川の名前が出てきます。
なんでも、T川の中流部に赤系統の色の球顆流紋岩が見られるとか。
一口に球顆と言ってもその殻の色は様々。
中でも赤い色の奴は”梅花石”と言って珍重されると聞きます。
そこでネットでこの石を調べてみたのですが、なるほどものすごくリッチな味わいのある石ですね。
こういう石は中に入っている玉髄も、（阿賀町では水色～グレーが多いですが）遊色の見られるたんぱく石が多いとの由。
そこで、買ったばかりの渓流用ウェーディングシューズを持ってくだんのT川へ行ってきました。

最後の堰堤を過ぎたところから入渓。
しばらくは葦原が続き、歩きにくくてペースが上がりません。
この沢の沢歩きのレポートをひとつだけネットで見つけて読んでみたのですが、ここまではレポート通り。
400mくらい歩いた所から渓相がそれらしくなり、球顆探しモードに入ります。
ところで、上の写真は入渓地点で見つけた梅花石っぽい石。
角が取れて丸みを帯びていますが、ネットで見られる梅花石の外観はまさにコレ。
この時点では期待に胸を躍らせたのですが・・・

既に中流部に差し掛かっているはずですが、それらしい岩石は見かけません。
結局50分ほど歩いた所で前方に大きな倒木が現れ、その20m先にも同様の倒木が沢を通せんぼしており、そこでUターン。
新品のウェーディングシューズがどうにも足に合わず、足の裏が痛くてしょうが無かったというのもありますが。

それでも、Uターン地点のすぐ手前では一抱えもある大きな赤褐色の流紋岩を見つけました。
太い玉髄の脈も現れており、この岩だったら梅花石と呼んでいいでしょう。

その少し下流ではこのような岩も。
これも、やや風化していますが梅花石の原石のようです。
本当はもう100mも歩くと滝が出てくるはずで、そこでUターンするはずでした。
その辺りまで行くと、ぼくのイメージしている赤い球顆の付いている流紋岩や真珠岩が一気に現れるのかなとも思いましたが、なにせ産状を見たことがないので既に見逃している可能性も高く。
もう一つの可能性。
先の本が出版されたのは1983年、今から36年も昔のことです。
もともと全長が短い沢なので、既に目に付きやすいところに出ている球顆は採り尽くされている可能性もあります。
とはいえ、ネットでは一切この沢の名前は出てこないのですが。

話は変わって、ここへ来る前に旧会津街道へ立ち寄りました。
具体的には、柳新田と行地集落を結ぶ林道です。
10数年前、柳新田から諏訪峠まで歩いたことがあるのですが、当時はこの林道を工事中で、ところどころ白い露頭が露出していたのを見た記憶があります。
こういう山奥だったらコンクリートの吹きつけもしないだろうし、林道沿いの露頭を調べてみようと思ったわけです。

ところが柳新田からいくらも走らないうちに、路肩が崩壊している所に出ました。

その辺りから落石の箇所が多くなり、上の写真を写した場所でUターン。
思うに、この林道を利用している人は誰もいないのでしょうね。
荒れ方がひどいです。
この林道は走らない方が無難です。

コメント 2

行地集落ですが、雨の日は要注意みたいです。（ご存知かもしれませんが）
先日、営林署の方と話す機会があったのですが諏訪峠付近から行地集落は蛭が凄いとの事。
行かれる際はご注意を！
by 小太郎 (2019-05-18 22:26) 

阿賀町はどこ行ってもヒルの噂を耳にしますね。なので、阿賀町での鉱物探しは5月一杯で中断するつもりです。
行地集落そのものには用事がないので、これからも立ち寄ることはないでしょう。柳新田側から入ったのはある理由があるからなのです。
今年はヒルファイターを既にホームセンターで購入したので、ヒル対策はバッチリです。といいたいところですが、やはりヒルには見たくもないし触れたくもない。
今年はヒルに遭遇しませんように。
by carlossato (2019-05-18 22:45)