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大石川の紫水晶と内ノ倉川の紫水晶 [鉱物(下越)]

10月6日、今年の夏に日和山海岸で拾った謎の光る石を鑑定してもらいに、胎内市のクレーストーン博士の館へ行ってきました。
館長の小川さんはJICAから鉱物の専門職員として派遣され、南米で10年以上も鉱床開発の指導に携わってこられた鉱物の専門家。
今回初めて1時間以上もお話しを伺いましたが、小川さんの話だったら何時間でも聞いていられます。
それくらい興奮のし通しでした。

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今回診てもらったのは、当ブログで2回ほど取り上げたこの石です。
改めてマクロレンズを使い、最短撮影距離付近で写し、かつ大幅にトリミングしたのが次の写真。

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今まで無色なのかなと思ってきましたが、こうしてよく見るとわずかに色づいていますね。
さて、15分以上もいろいろ検査してくれた結果、小川さんの見立てではトパーズではないかとのことでした。
まず硬さをチェックしてくれたのですが、見た目とは裏腹に非常に硬く、モース硬度7の水晶より硬いとのこと。
モース硬度8以上の鉱物となると種類が限られてくるので、その中では最もトパーズが近そうと仰ってくれました。
ただし、これほど赤く強蛍光するトパーズは聞いたことがないということで、断定はできないとのことでしたが。
自分でも改めて調べてみたのですが、一般に我々がイメージするトパーズは、ある程度結晶の大きいそれです。
このクラスターは微細な結晶が寄り集まっているので、トパーズのことは思い浮かびませんでした。
しかし、先日買ったばかりの「鉱物肉眼鑑定事典」秀和システム刊~を読むと、細かい結晶の集合体を脈性トパーズと呼ぶこともあるという記述があったので、こういう産状もあるのかなと。
トパーズの蛍光は、ネットでは長波で黄色、短波で青に蛍光する画像しか見つけることができません。
しかしながら、トパーズは多様な色があり、それぞれ含有する物質が微妙に異なるので、このように蛍光する個体があっても別に不思議ではないと思います。
具体的には、1枚目の蛍光と最もよく似た色合いのそれはルビーの蛍光なのですが、ルビーはアルミニウムを含みます。
一方、トパーズもアルミニウムやフッ素を多少なりとも含むので、おそらくぼくが見つけたこの個体はアルミニウムを多めに含み、それが赤く蛍光させる因子になっているのかもしれません。
ともあれ、小川館長には改めてお礼申し上げたいと思います。
このブログを読む機会はないかもしれませんが、心から感謝申し上げます。
ありがとうございました。

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さて、鉱物趣味を始めてから2度目の訪問となる今回、前回の3倍くらい時間をかけて館内の展示物を目を皿のようにして見て回りました。
時にUVライトを取り出し、石に光を当てながら・・・
そんな中で特に興味を惹かれたのは、大石川上流で採取された二つの紫水晶のクラスターです。
上の写真のそれは色合いはパッとしませんが、結晶の厚みもあり、なかなかここまでのものはお目にかかれないかと思います。
(ただし、当ブログで何度か取り上げましたが、白山公園内にこれより大きな水晶があります。紫色はしていないけど、ちゃんと犬牙状のクラスターです。改めてあれってすごいなあと思う・・・)

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そして、もうひとつはコレ。
この石を見て、すぐさま今年5月に内ノ倉ダムからさらに奥の小沢でこれとそっくりの形をした石を見つけたことを思い起こしました(4月28日の記事参照。)

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こちらはぼくが内ノ倉川上流で拾ってきたピンク色の石英。
部分的には赤紫がかっている箇所もあり、大石川のそれをアメジストと呼ぶなら、こちらもアメジストと言えなくもない。
大石川で採取されたそれは、これより3~4cm横幅があるかもしれません。
高さは同じくらいだと思います。
内ノ倉川上流へは行こう行こうと思いつつも、あれ以降足を踏み入れていません。
内ノ倉川水系は一発大物が出そうな雰囲気がありありだと、改めて思った次第です。

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こちらはクレーストーン博士の館の玄関前に転がっている、幾つかの巨大方解石のうちのひとつ。
産地を聞いたら、糸魚川産とのことでした。
ただし、こちらの方解石に蛍光現象はほとんど見られませんでした。

※2020/09/21追記
トパーズではなく、スピネルであることがわかりました。


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