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楢山の玉髄 [鉱物 (阿賀町) 楢山]

11日、9日に引き続いて楢山(阿賀町)へ行ってきました。
前回訪れた際、大きな岩場を2箇所発見し、そのうちの1箇所を探検しました。
今回は残る1箇所の岩場をざっと見てみるのと(晶洞がないか、岩壁の下部にクラスターが埋もれてないか・・・)、隣接する小沢を遡行してみるのが目的でした。

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最初に目指したのは、前回より右側に位置する大岩壁。
取り付きに辿り着く前に、こんな岩場が出現。
五頭の中ノ沢森林公園へ行くとこんな風景が頻繁に見られますが、ここでは残念ながら犬歯状の玉髄は見られず。
ただし、岩の表面はわりと珪質になっている部分が多く、のちのち期待を抱かせてくれました。

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その近くの岩。
もこもこしていますね。
真珠岩や松脂岩に分類されるであろう岩がたくさん山中にありました。

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そして、ここが屏風岩。
ただし、ぼくが勝手に付けたネーミングです。
岩場の付け根を30mくらいトラバースしたところで谷が現れ、傾斜が50度を超えたのでそこでUターン。
風化の度合いが少なく、割れ目などもなし。
早々と見切りをつけ、小沢の遡行に切り替えました。

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この沢が面白かった!
ここはスラブ上の小滝の直下なのですが、ここから先に進むにはザイルがないと危険なので、ここで引き返しました。
すぐ右手に大きな倒木があり、側壁が露出していました。

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粘土に埋もれて楢山特有の球顆がたくさんあり、中には割らずとも既に半透明な玉髄が露出していたり。

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結局、この小滝の落ち込みの河原が最もすごかったです。
林道脇に落ちている球顆や真珠岩より、さらに雰囲気的に上質っぽいそれが凝集しており、かなり興奮してしまいました。

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幾つかハンマーで割ってみたら、青みがかったグレーの、蛋白石ライクな玉髄が現れました。
大蕎麦谷沢を遡行しても、なかなかこぶし大より大きなサイズの球顆はゲットできないと思いますが、ここではこぶし大が平均サイズ。
さらに一回り大きな石もごろごろしています。

DC_IMG_5476.jpg

いくつか持ち帰った中のひとつ。
水で湿らせて撮影しています。

DC_IMG_5482.JPG

これが今回のお宝です。
玉髄部分の厚みだけで4cmあり、石全体では12X9X5cm、質量865g。
実はもっと原石は大きかったのですが、現地で整形し、一回り小さくしてから持ち帰りました。

DC_IMG_5494.JPG

反対側の面。
黄色い部分も結晶です。
たわしでごしごし洗った後なので、表面がぷにぷにしているとかそういうことはありません。

opal_keiko.jpg

楢山産の玉髄に限らず、蛋白石ライクな玉髄はほとんどが蛍光します。
稀に暖色っぽい白に蛍光するものもありますが、楢山のそれは寒色系の白に蛍光するものが多いようです。
365nmのUVライト使用。



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コメント 2

skame

こんばんは。
ご無沙汰しております。
このような石を玉髄というのですか。
亡くなった父が栗拾いに行って、このような石を持ち帰ったことがあります。まだ物置小屋にあったと思いますが、栗拾いそっちのけで友人たちとこのような石を拾ったと聞いています。
旧三川村の谷沢から五十島の奥へ抜ける道の道中だったといっていました。父はめのうといっていましたが、玉髄や蛋白石が正しいのですね。
by skame (2020-10-16 22:38) 

carlossato

skameさん、ご無沙汰しております。
玉髄(カルセドニー)とメノウ(アゲート)の違いは主に縞模様の有無です。
蛋白石(オパール)と玉髄の違いは水分の含有量です。
一般に、蛋白石は3~10%で、それ以下のものは玉髄と呼んでいます。
どれも水晶のバリエーションであり、ひとつの石の中で連続体として現れることもよくあるので、それほど厳密に区別されているわけではありません。
水晶と玉髄の違いも学術的には定説があるわけではなく、慣習として、自形結晶(=水晶)か他形結晶(=玉髄)かで区別しているようです。
阿賀町の山間部では特に玉髄が多いようです。
川によっては蛋白石も多い。阿賀町の蛋白石は一般に灰色か青みがかった半透明な灰色が普通ですが、稀に遊色と言って、虹色が部分的に出ることがありますが、そういうものはプレシャスオパールと呼び、宝石として珍重されます。R49を福島県に入ってすぐの宝坂集落の山奥の沢沿いに、江戸時代から知られてきたオパールの産地があり(現在は絶産)、ここではこういったプレシャスオパールが採れたのです。
下越ではあと五頭山系の一部で玉髄が普通に見られますが、二王子岳周辺では少ないです。
二王子山麓の沢沿いは石英系の石(珪石)は多いのですが、半透明な玉髄はあまり見かけません。
そういえば古い文献に、阿賀町のメノウの産地として確か谷沢の名前が挙がっていたような記憶が・・・
今度その林道をチェックしなければ。


by carlossato (2020-10-16 23:11) 

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