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謎の鉱物、その後 [鉱物 (村上市)]

20日、もう一度旧山北町の謎の坑口を訪れました。
「ミックンのつぶやき」の超抜粋シリーズに、笹川鉱山(山北村・勝木)の名前が載っていましたが、ひょっとしてこれかな?
引用します。
「花崗岩中の鉱脈10数条、走向E-W、傾斜Nのものが多く、他に走向N-S、脈幅0.1~。鉱石:黄銅鉱、黄鉄鉱」
1955年現在、中外鉱業(株)によって探鉱中だそうです。
もともとの脈幅が小さいのと、ほぼ採り尽くしたであろうことから、今回も黄銅鉱や黄鉄鉱の存在は確認することができませんでした。
例のやや透明度が感じられる斑晶を含む部分を削ってみると、次の写真のように花崗岩的な断面が現れます。

IMG_5694.JPG

数カ所、比較的もろい部分をカットしてみましたが、どれも同じ断面が現れました。
これら灰色の斑晶を含む岩石は、花崗閃緑岩か斑れい岩だと思います。
これらの花崗岩類と安山岩がせめぎあっているのがこの鉱山の地質の特徴。
このようにカットして露出した新鮮な断面にUVライト(365nm)を照射すると青紫に蛍光するのですが、地層の表面は汚れているのでほとんどが擬似蛍光。
かなり近くから照射してやっと暗紫色に蛍光しているのに気づく程度。
ですから2mも離れた地点から照射すると疑似蛍光ばかりになるのですが、面白いから実験してみました。


IMG_5709_10p.jpg

IMG_5723_25p.jpg

3枚目の写真の左側には、薄い紫に蛍光する斑晶が多数写っています。
これは稀な例だったのですが。

IMG_5731.JPG

洞窟中程にリアカーの残骸。
あと、洞窟内には鍾乳石も見られました。
笹川流れには鍾乳洞が幾つかありますが、それらの鍾乳洞と同じく、曹灰長石が風化してできたものだと思います。
さて、家に持ち帰った2つの鉱石と現地で観察した結果をまとめると、ここで見られた鉱物は輝水鉛鉱、黒雲母、長石類(カリ長石・斜長石・アルカリ長石、曹長石など)、石英、方解石などでした。
前回よりさらに大きい斑晶からなる鉱石をゲットしたので、帰宅後、UVライトで蛍光実験。

IMG_9222_23ps.jpg

横幅11cm、質量440g。
EOS80D + EF100mm F2.8L IS MACRO USM 

たわしでゴシゴシこすって洗浄しただけですが、随分きれいになりました。
結果、現地でUVライトを当てたときよりビビッドに蛍光するようになりました。
基本、蛍光している部分は斜長石なのですが、これだけひとつひとつの斑晶が大きいと見ごたえがあります。
これは美しい・・・

IMG_9226_27ps.jpg

側面です。
こちらはわずかに赤みが交じる薄い紫です。

IMG_9220_21ps.jpg

IMG_9230_31ps.jpg

IMG_9248_49ps.jpg

ラストの写真ですが、中央の上寄りに透明な結晶が見られます。
石英です。その左側にもやや暗めの石英。
それらの部分はUVライトに反応しませんでした。






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