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万才坑はどこだ? [鉱物 (弥彦山周辺・間瀬銅山)]

『間瀬郷土史』に次のような記述があり、ずっと引っかかっていました。

「・・・大正四年年始め、大平山の上部に露脈を発見して探鉱したら、坑口より約100メートルの地点に新鉱脈を掘り当てた。ちょうど大正天皇即位式当時だったから「万才坑(バンザイコウ)」と名付けた。月産三十トン以上で最大の探鉱場となった。」

昨年まで大平山がどこかわからなかったのですが、弥彦山ロープウェイ山頂駅の北にある開けた小高い山が大平園地(もしくは大平公園)ということを今年になってから知りました。
ということは、大平園地が大平山?
大平園地周辺では坑口の存在が知られていないことから(明神沢立坑だったら、大平山より弥彦山に近いので、大平山上部とは言わないでしょう)、これは面白いことになりそう。
何人か、間瀬銅山関係の坑道で最も長いと思われるそれの内部写真をネットで公開していますが、確かにそれは予想以上に長く、迷路状になっており、純粋に探検意欲を掻き立てられます。
ぼくの分析だとそこは八号坑だと思うのですが、万才坑は間瀬銅山中最大の探鉱場となったとありますから、八号坑より大規模であることは想像にかたくありません。
弥彦山のどこかに、まだ誰も閉山後訪れていないかもしれない大きな坑道が眠っているとはなんという浪漫。

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最近10日間で2回スカイラインから、これは思える地形や沢を探索してきたので簡単にレポートします。
赤線がGPSの軌跡、ピンクの線が古地図に記されている旧道(明瞭な踏み跡が残っています)。
まずはロープウェイ山頂駅近くの谷間より。

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道路上から見下ろすと、黒い岩盤の沢の下の方に崖らしき地形が見えたので行ってみました。
標高差で約70m降りると、沢の全容が見えてきました。
崖に見えたのは錯覚で、ご覧のようにちょっとえぐれた地形となっており、沢の地質は玄武岩でした。

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間瀬海岸がそうであるように、玄武岩溶岩ときたら沸石なので沸石を探してみたのですが、これしか見つけることができませんでした。
鉱物的には収穫なしです。

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他の場所での探索の帰りに立ち寄ったので、すでに身体はヨレヨレ。
帰りがキツかった・・・

そして2回目の探索は、割と本命視していた大平山の北尾根を歩いてきました。
ここは古地図を見ると、宝川が大きく二手に分岐する地点の尾根まで破線が付いており、先日太刀川鉱山跡と思わしき場所を探索した際、その尾根の取り付きにしっかりした踏み跡が付いているのを確認しています。
ということは、この旧道直下を流れる沢沿いに坑口があったとすると、旧道を取りあえず歩きながらそれらしい地形を探せばいい。
大平山を南北に縦断する遊歩道沿いにこの旧道の踏み跡が残っているかが不安でしたが、それは杞憂に終わりました。

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特に踏み跡のスタート地点に目印があったわけではないのですが、新緑芽生える前の時期ならなんとかそことわかるでしょう。
旧道は終始こんな感じの道幅で痩せ尾根に伸びていました。

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ところが思ったより樹木が密に生えているため見通しが悪く、谷間が見えません。
なので、標高差で約100m下ったところで見切りをつけ、谷へ降りてみました。
そこがここ。
結構大きな岩場があり、近づいてみるとこの岩もやはり玄武岩でした。

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この小滝も玄武岩でしょうか。
たまに現れるこのような小滝は全部直登できたので、技術的にはラクな遡行でした。
沢の周辺に踏み跡は全く見られず、ここではないと感じました。

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源頭部の風景。
ネットでこの沢の遡行記を探しみたのですが、見当たりませんでした。
田ノ浦口登山道(間瀬銅山コース)からアプローチし、登山道が沢を渡るところで入渓、そこから源頭まで遡行すると面白いのでは?
高巻きを要する滝はなさそうなので、沢歩き気分が味わえる中級者向きのバリエーションルートとして使えそうです。
次があるかはわかりませんが、この次行くなら大平山南西斜面(この沢の支流の源頭部)を探索してみたい。
ここは上部にやはり玄武岩の大岩壁がそびえているので、その下あたりが怪しいかも。
明神沢立坑と同じぐらいの標高プラスアルファ(350~400m)の地点が狙い目かと。

IMG_9256.jpg

万才坑はいずこ?

※4月4日追記:
現在、間瀬銅山付近で見られる坑口のうち最も本格的な坑口が万才坑である可能性が高いです。
詳しくは2022年4月4日の記事参照。






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