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草倉銅山舟内沢鉱区 [鉱物 (阿賀町・草倉銅山)]

国立国会図書館デジタルコレクションで見た古い資料の地図によると、不動沢上流が舟内沢となっています。
新発田市の加治川が上流で飯豊川と名を変えるように、流域によって呼び名が変わるのはよくあることなので、てっきり舟内沢鉱区の坑口群は通洞坑の前後にあるのかなと思っていました。
ところが違いました。
通洞坑への行きは、林道からある小さな沢を降りて不動沢へとアプローチし、帰りは昨日の記事に書いたように不動沢上流でスノーブリッジが現れたためそこでUターン、下りに利用した沢を遡行して林道へ戻ったのでした。
行きは極力旧道を拾って歩き、ほとんど沢歩きはしなかったのですが、帰りは逆に沢歩きメインで林道を目指しました。

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不動沢からくだんの小沢に入った途端、この坑口が現れました。
高さは2m以上あり、迫力満点。
文字通り腰が抜けました。
地形的に死角というか、ちょっとわかりにくい場所に位置しているので、この坑口と出会えたことは幸運だったの一言に尽きます。


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奥行きはそれほどなく、7~8mで行き止まり。
足元には切り出したばかりの大量のズリ石が散乱しており、つい最近まで人が作業していたかのよう。
時計の針がこの洞窟内では100年前で止まっているかのよう。
草倉銅山全域では、ここ舟内沢鉱山が一番最後まで稼働していたみたいなので、まだまだ鉱脈は残っているのかもしれません。
ちなみに、この坑口の標高は273mです。

※4月23日追記:
ひょっとしたら、この坑口は岡竪坑かもしれません。

IMG_9332.jpg

そこから沢沿いを歩くこと75mで、かなり大きな坑口に遭遇。
左手後方に坑口は岩壁に沿って拡がっています。
前方に見える坑口は、そこまでの区間ひどいヤブなのでヘリまで行くのを断念しました。

IMG_9335.jpg

今回、35mm換算で18-35mmの画角となる超広角ズームレンズでの撮影なので、かなり圧縮効果が高いです。
実際はこの岩壁、横幅高さともにかなりあり、大迫力でした。

IMG_9337.jpg

大体40~45度くらいの角度で落ち込んでいるでしょうか。
先日新たにアマゾンで購入した2800ルーメンの懐中電灯で照らしてみると、さすが大光量、穴の底まで見ることができました(深さ20m前後)。
広角レンズなので穴の奥の方は写っていませんが、30~50mのザイルがあったら降りていくことは可能だと思います。
後方にザイルをフィックスするのに適した大木がせり出しているし、でも危険すぎるので実行する気にはなれませんが。

IMG_9340.jpg

別な方向。
完全な縦坑です。

IMG_9347.jpg

そこから、沢沿いに次から次へと人工的な地形や橋や樋の残骸で出てきて面白かったです。
段の上の穴も坑口ですね。

IMG_9350.jpg

何に使われたのか、角材もそこかしこに散らばっている。

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その先で、沢の両サイドにこのような人工地形。

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2つ目の大きな坑口から170mで、2つ目のそれと同じくらいの大きさの坑口発見。
こちらも文字通りの縦坑となっており、垂直に落ち込んでいます。
上に見える滝の向こうにも坑口がありました。

IMG_9361.jpg

写真をトリミングして奥の方が見えるよう工夫しました。
ここでも新兵器の強力ライトは威力を発揮、ほぼ底まで見ることができたのですが、こちらは2個めのそれよりさらに深く、25mくらいありそうでした。

IMG_9365.jpg

そこから約70mで、おそらくこれが最後と思われる小さめの坑口へ到達。
この小沢が舟内沢だったのですね。
帰宅後改めて「新潟県地質図説明書」(昭和52年版)の図2-2-5、草倉鉱山付近地質図を眺めていたら、小さな字でその沢に舟内沢との記載があるではないですか(ルーペで見て初めて気づいた)。

鉱物ですが、通洞坑付近の岩場では針水晶を見かけたけど、舟内沢では特に何も見かけなかったです。
もっとも沢歩きに集中していて、あまり鉱物探しはしなかったのでよく探せば何か見つかる可能性は残されていますが。




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