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間瀬銅山のブルーアラゴナイト [鉱物 (弥彦山周辺・間瀬銅山)]

さて、いよいよ八号坑へ突入です。
今回は木製トロッコレールの敷かれている本坑道を、最奥部まで行ってみるのが目的のひとつ。
もうひとつは、昨日の記事にも書きましたが、坑内にアラゴナイトがあるかどうかを確かめること。
まずは枝坑道は一切無視して、一気に最奥部を目指しました。

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ここがそれ。
びっくりしました。
感覚的には300~400mくらい歩いたような気がします。
これほど距離があるとは。
この記事を書くにあたって再度地形図を見てみました。
八号坑の入り口から真南に直線を引き、鮫銅山の坑口があると思われる沢に交差するまでの直線距離を測ってみました。
すると、470mしかありませんでした。
郷土史の絵図には、八号坑の注釈として”鮫坑に至る”と付記してあります。
当初はまさかと思いましたが、これは事実に違いありません。
かつては鮫鉱山と行き来する、連絡坑みたいな坑道があった可能性も否定できません。
これは面白くなってきました。

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前回到達した坑道までは、壁面は地味です。
ところが、その辺りから壁面に白や水色のフローストーンもどきの模様が現れ、一気に活気を呈してきます。
その辺りから目的の一つであるアラゴナイト探しをしながら歩いたのですが、ほとんどの上の写真のような毒々しいまでの色の凸凹は、触るとべチャリと潰れてしまうのです。
白い部分もしかり。ソフトなゼリー状です。
しかし、かなり奥の方まで来ると、とうとう液体ではない、触っても指が白く染まらない硬い結晶が現れました。

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アラゴナイトです。
結晶の厚みはせいぜい1cmといったところで、生まれてからまだ若い結晶なのですが、このような白いアラゴナイトが現れるようになったのです。

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そして、最奥部に近いこの辺り(前後10m)で壁面の地質が変わり、ズリの中に今まで見られなかったマラカイト(孔雀石)やカルサイト(方解石)の破片がかなりの頻度で見られるようになりました。
他には、田ノ浦ビーチでよく見つかるような、緑泥石ベースに黄鉄鉱や黄銅鉱が鉱染しているタイプの石も見られました。
それどころか、壁面に黄銅鉱脈が露出している露頭もありましたし、鏡鉄鉱のように、キラキラしている壁面も。


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銅イオンの溶け込んだ液体が付着し(こすってもほとんど取れませんでした)、マラカイトのようになりかけている石を集めて記念撮影。

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こちらは壁面に析出していたマラカイト。
やはり触っても指に色が付かず、硬いです。

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そして、とうとう見つけたブルーアラゴナイト!

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こちらもそう。
両者は20cmほどの距離を置いて並んでいました。
どちらも色味の付いた結晶部分は長辺5cmくらいのサイズでしかありませんが、間瀬銅山にもアラゴナイト、及びその中でも貴重とされるブルーのアラゴナイトがあったのです。
これを一度見てしまったら、マラカイト探しはどうでもよくなりました。
スピ的な言い方をすれば、波動が全然違うのです。
アラゴナイト、特にブルーアラゴナイトは5次元に存在する鉱物のようでした。

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こちらは、やはりその近くの壁面に見られたブルーアラゴナイト。
これが色合い的に最も赤谷鉱山のそれと似ているでしょうか。
ただし結晶の厚みはなく、こちらも5~8mm平均といったところ。
ところで、この日はアラゴナイト出現に備えて長波のUVライトを持ってきました。
アラゴナイトは青っぽく蛍光するので、微妙な石があったらUVライトを当ててみて、蛍光の有無が判断材料のひとつになるからです。

IMG_1390.jpg

右端はさっきの美麗なブルーアラゴナイトなのですが、蛍光色もこの世のものとは思えないような美しさでした。
ちなみに、中央と左端にもうっすらと水色に蛍光している部分がありますが、これもアラゴナイト。
昼光での色が半透明な薄茶色ないしはクリーム色なのでわかりにくいのですが、アラゴナイトらしく蛍光色は水色を示しました。

IMG_1396.jpg

先の蛍光写真で、左側に写っているもっこりした石がこれです。
こちらもアラゴナイトですね。
白っぽい水色の蛍光を示しました。
他にも、木製のレールの一部がクリーム色のアラゴナイト化しているところも複数箇所ありました。

IMG_1402.jpg

さらに、この近くで緑泥石のズリの中にカルサイトと思われる無色の半透明の鉱物が見られたので、試しにUVライトを当ててみました。
思わず、うわっと声を出してしまいました。
これは見事だ!
三脚は持ってきていないので、蛍光写真はいずれもザックの上にカメラを置き、シャッタースピード5~6秒での撮影。
その間、UVライトを左右に振りながら照らし続けるわけです。
そういうやり方で撮りました。

IMG_1415_16p.jpg

比較的大きめのカルサイトが付いていた石をサンプルとして1個持ち帰り、じっくり観察してみました。
青緑の部分はマラカイトで、左側の茶色い部分は黄銅鉱です。
田ノ浦海岸で見つかるカルサイトがそうであるように、間瀬銅山の山中で見つかるそれもピンク色の蛍光を示します。微量のマンガンが含まれているせいだと思います。
白いアラゴナイトは決して多くはないものの、数箇所で見ることができました。
一方、青いアラゴナイトは特定の場所(1箇所)でしか見られませんでした。
まだ枝坑道へはほとんど入っていませんので、今後は枝坑道の鉱物を調べてみたいと思っています。

※4月4日追記:
ぼくが今まで八号坑と思いこんでいた坑口が万才坑である可能性が高いです。
詳しくは2022年4月4日の記事参照。









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