SSブログ

眠れる紫水晶 [鉱物(阿賀野市)]

25日、標高は低いもののまだ探索したことのない、未知の急斜面に足を踏み入れました。
気合いで突っ込んでいった林の中は花粉が充満しており、今期最もきつい花粉症の症状に襲われ2時間で撤退せざるを得ませんでしたが、収穫はありました。
鉱物探しをするようになってから今年で4年目に突入しますが、今までで最も大きな紫水晶の原石を見つけたのです。

IMG_5223.jpg

半分崖混じりの急斜面の入り口まで、40~50cmほどの細い水の流れがあります。
先日訪れた小沢同様、ここもきれいな玉髄や水晶が容易に見つかりました。

IMG_5220.jpg

こないだの沢もそうでしたが、ほとんど河床は落ち葉に覆われているのでうっかりすると見過ごします。
比較的落ち葉の堆積が少ない辺りを手でほじほじしていると、たまに玉髄や水晶片が顔を出すのです、このように。
これなんかはかなり大きい方で、握りこぶしより一回り小さいくらいのサイズでした。

IMG_5245p.jpg

持ち帰ってタワシで洗った直後の画像。
写真ではよくわかりませんが、先端部分は完全に透明であり、摩耗度の少ないそこそこ鋭角な錐面が見られました。

IMG_5227.jpg

面白かったのは、この小穴。
ここより10m下手で沢は伏流水となり、もう沢は終わってしまったかと思いました。
ところが10m先で写真の穴が現れ、覗いてみると深さは1mほどあり、底を10~15cm幅しかなかったですが、まだ水がちょろちょろ流れているのが見えました。
とはいえ穴の直径は頭を突っ込むことができるほど大きくはなく、フラッシュライトでごく一部分しか観察することができません。
それだけでは飽き足らず、腹ばいになってカメラだけを突っ込んで内部を撮影してみると・・・

IMG_5230.jpg

おお、10cmほどの玉髄が顔を出しているのがわかりました。
しかし、手が届きそうにない・・・
他にも小さな破片がいくつも他のカットに写っています。
この伏流水はトンネル状になっている空間を流れているのですが、そこにはとんでもない結晶が埋もれている予感。
この小沢の源頭部の両壁はかなり粘土化が進んでおり、壁を切り崩せば一定の割合で玉髄や水晶、メノウが埋もれているのだと思います。

IMG_5234.jpg

源頭部に入ると、ズリではないのですがズリのように30~50cmの岩石が斜面を覆っているようになり、ほとんど落ち葉で見えないものの一つ一つ丁寧に岩をひっくり返していくとたま~に水晶系の鉱物が顔を出すのです。
結構斜度もあるので落石に注意しながら地味な作業を続けていると、上の写真の玉髄を見つけました。
半ば埋もれており、なんとか引っ張り出してみるとサンドイッチ状の玉髄のようでした。
表面の一部が犬歯状の細かい結晶に覆われており、それが青みがかったグレーだったのでよもやと思いながらお持ち帰り。
自宅で重さを測ってみると1.3kgありました。
うっかりして洗ったあとの全体像を撮り忘れたのですが、サンドイッチ状の構造~たまにこの山塊では見かけます~をしているということはへき開しやすいということでもあります。
割れ目の中心部に平タガネを入れ、思い切って割ってみました。
予想通りきれいにへき開してくれ、結局4つに分解することができました。

IMG_5243.jpg

そして、内部は薄紫色をしているのでした。
どれも300g前後の質量があるのですが、うれしいことに等しく薄紫色をしていました。

IMG_5249.jpg

IMG_5258p.jpg

結晶の形はやや不揃いですが、空気にさらされていなかったため退色がありません。
たまにはハンマー使ってみるのもいいものですね。

IMG_5240.jpg

伏流水区間も含めた小沢の源頭部を過ぎると、いよいよ傾斜は増し、ヤブも深くなります。
上部の登山道に抜けるちょっと手前の崖で撮った写真。
張り出した木の根っこに、おそらく5kgはありそうな巨大メノウが挟まっていたのです。
1/3くらいは土に埋もれているようでしたが、多分引っ張り出せると思います。
しかし周囲の地形から言って、結構その作業は命がけ。
なのでカメラに収めるだけに留めました。
探せばいくらでもこういうサプライズが待っていそうです。
この斜面の先にはさらなる斜面が展開しているし、この近辺だけで一生楽しめそう。
ただし、地形の厳しさに比例して現れる水晶系鉱物の量も質も向上するように思うので、基礎体力の向上も怠らないようにしなければと気を引き締めている次第です。





nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。