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奇跡の索道 [鉱物(下越)]

本格的に鉱物趣味を初めて約5年間になるけど、その間随分下越の山中をさまよい歩いてきました。
索道(鉄索)をはじめとする鉱山遺構を見つけるのも、坑口を見つけるのと同様に楽しいものです。
そして昨日(14日)、初めて未だに立っている木製の索道支柱を発見しました。

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高さがあります。
周囲の杉林に溶け込んでいて、下だけ向いて歩いていたら気づかなかったでしょう。

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真下には、索道関連のパーツが幾つも落ちていました。

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ワイヤーはそれほど太くはありません。
ほとんど垂れ下がっている状態なのだけど、この支柱の立っている向きに注目すれば、その方向に坑口が控えているはず。
それにしても、おそらくは戦前のものと思わる木製の支柱が未だに立っているとは奇跡以外の何物でもありません。
鉄製の支柱でさえ、ちゃんと立っているのは金丸鉱山のそれ(越後金丸駅の近くに1本残っている)以外に見たことはないです。
しかも、立っている地形は尾根上。
まばらに杉の木が立っているとはいえ、かなり風当たりは強いはず。
もちろん積雪も多いだろうに、よくもまあ。

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この先に索道支柱が立っていました。
最初沢沿いに歩いたのだけど、途中から尾根に上がってみたらちゃんとした踏み跡が残っていたので、それを辿っていったのです。

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沢沿いにも鉱山道の名残が残っていました。
かなりヤブっぽかったけど、踏み跡を外さなければ大したことはない。
初冬限定のお楽しみです。

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この山域の探索はこれで2回目。
前回到達した標高まで登ったあと、坑口がありそうと目星を付けておいた谷間へ下降開始。
簡単には行かなかったけど、やっと坑口を探し当てることができました。
なかなかの風格です。
20~30m手前から、小沢に支保工用に切り出したと思われる丸太が何本も散乱しており、前兆はありました。

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入口周辺の壁の一部。
3mくらい手前から壁面は石英に覆われており、期待を抱かせます。

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しかし、内部はほぼ埋没。
左側の黒い土が見られる辺りに15cmの隙間があり、這いつくばって奥を覗いてみると支保工の残骸の一部が視認できました。
しかしその奥で完全に土砂に埋まっている様子。
沢沿いに開口している坑道の場合、やはり崩落&埋没しやすいですね。
あとで地図を見てみたら、この坑口の位置は例の索道の支柱の向きとほぼ一致していることがわかりました。
昔の文献の地図だと、近くにもう一つ坑口がありそうなのだけど、そちらは見つけることができませんでした。

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坑口下部の沢の風景。
ナメが連続しており、沢歩きも快適そうでした。





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