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新発田の黒曜石 [鉱物(新発田市)]

二王子山麓に、縄文時代、東日本有数の黒曜石の産地として知られた場所があります。
黒曜石はオブシディアンのこと。
近年パワーストーンがちょっとしたブームになったので、黒曜石は知らなくてもオブシディアンの名前は聞いたことがある方が多いと思います。
黒曜石はその成分を分析することで産地を特定することができるのですが、新潟県内各地の縄文遺跡はもちろんのこと、遠く青森県の三内丸山遺跡でも新発田産の黒曜石が使われていたことがわかっています。


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これは、現地に立つ案内板。


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初めてここを訪れたのは中学生の頃だったと思います。その頃はこの写真に写っている範囲全てが緑の牧草に覆われていました。
今は右手奥にそびえる秋葉山(201m)を巡るハイキングコースがあるため、かろうじて道路は残っていますが、かつての牧場はほぼ原野に帰しています。
そのため、現地の人たちが言うところの「星くそ」(黒曜石のこと)を探すには、晩秋か春しかありません。


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これが、案内板に書いてある仏念釜。


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頂上には写真の巨岩があります。
約2000万年前、海底火山の噴火により飛ばされてきたものです。
周辺は溶岩で覆われており、黒曜石はそこに含まれています。


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岩の周囲には黒曜石は見当たらなかったのですが、やや離れた場所に1cm前後の細かな黒曜石が多数地面に散らばっていました。
ある程度その存在には偏りがあり、5m離れただけで全く見られなくなることもありました。
仏念釜へ行くには、土地勘のない人は勇気がいると思いますが、林道脇にも星くそは落ちています。


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これがその証拠写真。
道路の真ん中に1個あるのを見つけ、カメラに収めました。
持ち帰ってはいないので、現地へ行けばまだあるはずです。


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周辺を歩き回っていたら、そこそこの大きさの星くそが高密度で見られる場所を発見しました。


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この日、写真に撮った中では最も大きい星くそ。
このあと、さらに一回り大きな星くそを見つけました。
そこには4~5cmの星くそが数個転がっていたのですが、やや光沢に欠けていたので写真は撮りませんでした。


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これも3cmくらいの、大きな個体です。
そして、さらに山中をさまよっていたら、3~5cmの黒曜石が散りばめられている河原を発見しました。


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10mくらい連続して、断層が小沢に面して現れています。
黒曜石はその区間に多く見られました。


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水面から1mくらい離れたところの土手で写した写真。
時間がなかったので河原の黒曜石は詳しく観察する余裕がなかったのですが、これは紛れもなく黒曜石なので、河原に見られる黒い石もかなりの高確率で黒曜石が含まれていると思われます。


※ちょっと引っかかるものがあったので、26日この河原へもう一度行ってみました。
そして石をピックハンマーで割ってみたら・・・黒いガラス面は現れず、白っぽい粘土のような断面が現れました。
表面の質感がややざらついており、軽石のようなでこぼこが多少見られるので違うのかなと思いましたが、やはり違いました。
最後の写真の右側の黒い石は黒曜石でしたが、河原の黒い石は黒曜石ではなかったです。
ここに訂正させて頂きます。


※3月29日追記:ハンマーで割ってみた写真を追加でアップします。
今日たまたま間瀬で採取されたモンモリロナイト(モンモリロン石)の写真を見たのですが、これとそっくりなんです。
粘土鉱物という点も合点がいくし、モース硬度5という硬さも、ちょうどハンマーで叩いた時の感触と一致します。
モンモリロナイトは下越のあちこちで見られる石だし、火山岩系の石がごろごろしているエリアで見つかっても全然不思議ではありません。

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鉱物ウォーキング~五十公野公園編② [鉱物(新発田市)]

先日、石英質のきれいな石を採取した、有田病院近くの河原をもう一度歩いてみました。
こないだほど大きな石はなかったけど、やっぱり白くてわずかに透明感のある珪石は結構目につきます。
もう少し上手の河原へ行こうとしたけど、長靴必須。
場所によっては薮こぎをしいられるし、意外と敷居は高い。
今回はパスしましたが、五十公野山裏の加治川の河原、穴場中の穴場かもしれません。

桝潟周辺の遊歩道沿い以外では、野球場と陸上競技場の裏山に露頭が見られるとの情報を入手。
それらの競技場を建設するにあたって山を切り出したので、地層が露出しているのです。
しかしながら、建設からかなり歳月が流れ、斜面は草や灌木に覆われています。
今回かなり丹念に調べましたが、全然見つかる気がしない。
あきらめて駐車場へ戻りかけたその時、道路端に転がっていた大きな石に目が釘付けになりました。


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縦横それぞれ70cmはあるでしょうか。
ご覧のように熱水が入り込んだ跡が多数残っています。
五十公野山の南半分はだめなのかなあと思いましたが、そうでもないようです。
気を取り直して、近くの薮をかきわけかきわけ探索したら、やっと典型的なカルセドニーの鉱脈を見つけました。


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今年五十公野山で見たなかで、もっとも厚みのある脈です。
白い部分の高さが、目分量ですが2.5cmはあります。
横の長さは6cmくらいありそう。


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これがその岩場の全体像。
垂直に近い急傾斜となっており、熊手で草をかき分ければまだまだ鉱脈は現れるかもしれません。
薮が深いので7月以降は来られないかなと思います。



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鉱物ウォーキング~五十公野公園編① [鉱物(新発田市)]

小学4年か5年生の頃、緑風園の近くで貝かなんかの化石を拾ったことがあります。
五十公野公園にある桝潟の北にも、新潟県が海の底にあったときに出来た地層があり、同時に火山活動で出来た地層も近くに同居するため、地球の鼓動を感じることの出来る貴重なエリアとなっています。
アカデミック系の文献をネット上で見ることができ、そこに詳しく五十公野の地層やそこで見られる鉱物のことが書いてあります。
ようやく五十公野丘陵の残雪がほぼゼロになったため、その文献で示されているポイントを巡ってきました。


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去年だったか、秋口に下見した時は草ぼうぼうでよく地形がわからなかったけど、さすがに早春はよくわかります。
しかし、その文献~おそらくかなり昔に書かれたものと思われます~の写真と比較すると植物に覆われてきているし、風化も激しいような。
また、とうに鉱脈は削り取られている可能性もあります。
文献には「大きな熱水鉱床が見られます。その中には、たんぱく石、めのう、水晶といった宝石が含まれています」とあるけど、ひとつも見つけることはできませんでした。
ここは間違いなく、その文献⑥の場所に違いないのだけど。

それにしても、ウォーキングを楽しんでいる人の多いこと多いこと。
中には杖をついて、一歩一歩踏みしめながら登山道を歩いている高齢者の方もおられ、3年前から膝が故障しがちで走れなくなった自分のことを顧みると、非常に励みになりました。
結局この日は2時間半歩きました。
これでもまだ五十公野公園全体に張り巡らされた登山道や遊歩道の1/4しか踏破していません。
またどこかの遊歩道で、鉱物との出会いがあるかもしれません。楽しみ楽しみ。

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その文献で紹介されている露頭では不発だったけど、新たに見つけた露頭でこんなものを見つけました。
次に、個人的に思いあたりのある地形~露頭が出ているところ~が有田病院の近くにあるので、そこへ移動。

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すぐ右が有田病院。
病院の駐車場前から河原に下りることができ、そこから7~8mで写真の右端へ出ます。
ところが風化が非常に激しく、岩というより粘土の塊でした。
もちろん、白っぽい半透明の物質は皆無。
しかしながら、その前の河原にいろいろな鉱物があるのではないかと思い、対岸の、つまりカメラを構えている側の岸の河原で石ころ探しを始めました。
ここは夏には監視員が常駐する水泳場でもあり、子供の頃から馴染みの場所です。
さて予感は的中、色とりどりの石が転がっています。
鉱物の知識は初心者レベルなので確かなことは言えないのですが、白っぽい石英は幾つかすぐに見つけることができました。

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石にたたきつけて割ってみたらこんな感じ。
特に最後の写真のやつは非常に光沢があり、見た目はアゼツライト!?の原石そっくりです。
これでビーズを切り出し、ブレスレットを作りたいくらい。
それは現実的ではないので、ルースに加工して穴を空け、ペンダントにするのがいいかもしれません。

 


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鉱物ウォーキング開始! [鉱物(新発田市)]

この冬の間にますます鉱物&パワーストーンにのめりこみました。
雪解けと同時に鉱物探ししてやるぞとこないだから意気込んでいたのですが、一気に雪解けが進み、まずは地元の五十公野山で鉱物ウォーキングスタート。


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五十公野丘陵はところどころ熱水鉱床の露頭があり、たんぱく石や白いメノウ、チビ水晶などが採れるようです。
本命のポイントはやや標高の高い所にあり、そちらはまだ残雪に覆われていたので、まずは桝潟周辺の遊歩道沿い、及び隣接する尾根筋を歩いてみました。
あるところには集中してありますね。
カルセドニーです。
昨年だったか初めて下見した時に見つけた類似のポイントは、なんと採取された形跡がありました。
上の写真のポイントは無傷?だったけど、すぐ近くのポイントでは3箇所ほど採った跡が見られました。

新潟競馬場ICを下りたところにキューという名前の石屋さんがあり、そこの玄関を入ってすぐ右横の陳列棚に県内各地で採取された鉱物の標本がずらりと並んでいます。
そこで初めて、間瀬海岸で色々な天然石が見つかることを知りました。
海岸地帯なら雪は積もらないので、通年鉱物探しができますね。
本やネットで名前が挙がっている場所の他にも、五頭山や飯豊・朝日の山々は花崗岩でできているので、探せばいくらでもポイントはありそうです。
実際、五頭山麓の沢沿いで採取された、結構立派な水晶のクラスターの写真をネットで見つけたり。
次のターゲットは間瀬かな?


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