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蛍光鉱物の撮り方~正確な色再現のために [鉱物・パワーストーン全般]

先週末、R7競馬場IC近くにある天然石工房キューさんが、開店2周年記念セールをやりました。
なんと、店内全品半額の太っ腹!
そこでぼくがゲットしたのは、福島県内産の蛍石の原石でした。

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幅14cm、質量1440gの巨晶。
形はそれほど整っているわけではありませんが、白く透明な蛍石が表面積の半分を覆っており、他にも針水晶が若干見られる貴重な石です。
そしてこの原石、強く蛍光するのです!
ショップ内にイギリス産など、強蛍光する蛍石も幾つかあり比較してみたのですが、蛍光の強さ、蛍光色の美しさにおいて全く遜色ありません。
さて、夜いつもの365nmのUVライトを用いて蛍光実験を行ったわけですが、その美しさに目を見張りました。
それはちょうどこんな色です。

IMG_3663.jpg

なぜこんな写真を用意したかというと、現在のカメラの性能ではこの深みのあるブルーを、紫外線下で再現することは不可能だからです。
撮影していてすぐ気付いたのですが、赤紫に近い発色をするのです。
黄色に蛍光する鉱物を撮ると、少し赤が入るためオレンジに近い黄色になります。
今までの様々な石の蛍光写真を撮ってきましたが、カメラのオートホワイトバランスではレッドが強めに出る現象には気付いてきました。
赤系統の色に蛍光するならそれほど色相が変わるわけではないので問題にはならないのですが、このように青~紫の蛍光色の場合は色相がかなり転びます。
どういう設定にしたら見た目の発色に近づけられるか、いろいろ試した結果、カメラのホワイトバランスをマニュアルで色温度10,000に設定するのが最もよい結果が得られました。
カメラはキャノンのEOS6D Mark II もしくは EOS 80Dなのですが、これらキャノン機の場合だと色温度の上限は10,000までなので上限に設定します。
ただ、これでも十分ではなく、さらにフォトレタッチソフトで調整を加える必要があるのですが、そのようにして見た目に近づけた蛍光写真がこれです。

IMG_3648dp.jpg

つくづく人間の眼ってすごいなと思います。
実際の蛍光はこれより何倍も透明感と深みがあり、コントラストも強いです。
色空間はsRGBですが、例えAdobe RGBで撮ったとしても(Adobe RGB対応モニターを使うとして)、人間の眼で得られる情報量~そこには五感を通して入ってくる情報も含まれます~に比べたら何十倍もプアなわけです。
それにしても、この蛍石の蛍光の光線にはすっかり魅了されてしまいました。
決して大袈裟ではなく、この世のものとは思えない光です。
ちなみに、375nmのUVライトでも蛍光することはしますが、この場合は青紫に発色します。
365nmだと純粋な青です。
色相だけでなく、光線そのものの純度も倍増します。
ゆえに、蛍光鉱物を楽しむには365nmの紫外線ライトを強くお勧めします。

IMG_3658.jpg

これは、新潟の海岸で拾ったマンガン方解石(たぶん)の巨晶。
これはやや青味が入った鮮やかな赤に発色するのですが、やはり従来のオートホワイトバランスに頼った撮り方だと赤の深みが出せないでいました。
この石でも、例の色温度を10,000に設定して撮るやり方でテスト撮影。

IMG_3656.jpg

うまくいきました。
強度の画像処理を加えなくても、まあまあ見た目通りの色に写し取ることができました。
昼光下だと、色温度をこれだけ上下させれば色は思い切り変わりますが、紫外線の領域下だとその変化は微々たるもの。
RAWで撮る場合は、さらにトーンカーブでレッドを減衰させ、ブルーを少し持ち上げてあげるといいです。

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