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千石鉱山遠望 [鉱物 (新発田市・千石鉱山)]

新発田市には、珪石を採掘していた場所が二箇所あります。
昭和52年版「新潟県地質図説明書」にそれらの概要が記述されているのですが、これらの鉱床はあまり大きくなかったようです。
最大で10m、延長50m程度で、約10鉱体が確認されているとのこと。
ここで取れる珪石は鉱物学的に言うと、実川型花崗閃緑岩の貫入に伴って生成された古生層中の石英脈だそうです。
鉱石(珪石)はフェロシリコン(鉄と大量のケイ素の合金)を作るために使われたのですが、現在日本国内での精錬は行われておらず、すべて中国もしくはブラジルから輸入しています。
昨年なんとか千石鉱山の坑口までたどり着いたのですが、勘違いで鉱床は縦に広がっているものと思い込んでいたためすぐ行き詰まってしまい、撤収せざるを得ませんでした。
鉱床は横に広がっているらしかったので、ひょっとしたら今の時期なら双眼鏡で鉱床の全体像がわかるかもしれないと思い、復習がてら雪化粧しかけた二王子山麓へ。

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あれです!
思ったよりハッキリとそれらしい地形が見えたので感動。
やっぱり鉱床は横長でした。
ただし、双眼鏡で眺めてもブッシュが密生しているため、本来の岩肌のディテールがわかりません。
それではといったん家に戻り、超望遠ズームレンズをカメラに装着。
すぐさま現場へ舞い戻り、35mm換算で960mmとなる焦点距離で写してみました。

IMG_3823p.jpg

うっすらと露天掘りの跡と思わしき地形が確認できます。
端から端まで50~60mくらいでしょうか。
だとすると、地質図説明書の記述内容とも合致します。
現場には火薬庫跡が残っているのですが、そこまでなんとか足を伸ばしてみたい。
ぼくが昨年Uターンした地点も双眼鏡で眺めるとピンポイントでわかったので、次回は千石鉱山の全容を写真に収めることができそうです。

IMG_0653.jpg

帰りに、沢へ降りるもっとラクな場所はないか、左岸を100m弱歩いてみました。
昨年はちょっと藪こぎしてから沢へ出たので、藪こぎしなくてもいいルートを探したのです。
これは難なくショートカットのルートを見つけることができました。
そのルートを取ると、この河原へ出ます。
水量は思ったより多く、水勢もそこそこあります。
普通の長靴ではちょっと厳しいかも。
沢通しに歩くには、太ももまでカバーするヒップウェーダーが必要かな、足を濡らしたくないなら。
さて、千石鉱山はこの沢の支流沿いにあります。
ここから4~5分で二股に出るのですが、そこを左側の沢に入り(右側の沢のほうが水流が多い)、詰めていけば水が枯れかけた頃、突如大きな坑口が右岸に現れます。
昨年の印象だと、二股までは河原に石英はあまり見なかったと記憶しているのですが、やはり転石が少ないため、石英らしき石はあまり見かけませんでした。

IMG_0675.jpg

水底はおおむね砂が堆積しており、パイライトの細かい粒粒でキラキラしていました。

IMG_0657.jpg

ちょっと水垢が付いていてあまり美しくはないですが、一応石英です。
二股から上流へ行けば、このような石英がゴロゴロ出てきます。
今回は普通の長靴しか持ってきていなかったので、二股までは行かず、新たな下降地点をチェックしたらすぐ現場を離れました。
探せば、黄鉄鉱の脈もあるのかもしれませんね。
全ては3月以降のお楽しみです。




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