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第一次小出川調査 [鉱物 (新発田市・小出鉱山)]

以下、新潟県地質図説明書(昭和52年版)からの抜粋。

3・2 珪石・長石鉱床
(3)新発田地区
 鉱床は新発田五斗蒔部落東方小出川上流の五斗蒔地域と(中略)にあり、実川型花崗閃緑岩の貫入にともなって生成された古生層中の石英脈である。・・・」

小出川上流で珪石を採掘していたことが記載されている文献はこれが唯一。
ネットで検索しても、珪石や石英の採掘に関して、小出川の地名は一切出てきません。
もっとも、珪石を採掘していた場所は多くあったらしく、個人で掘っていた小規模鉱床が多いので名前すらなく、従って文献から漏れている場所もかなりあるのだと思います。
新発田市でいえば、珪石を採掘していた鉱山では千石鉱山が複数の文献に出てきますが、そこからそんなに遠くない山中にやはり珪石を採掘していた場所があると昨年11月に知り、春になったら探してみようと思っていました。
同じ二王子山麓にあるニノックススキー場は駐車場部分で標高が300mありますが、駐車場の積雪も先日ゼロになったので、12日、ちょっと早いけど小出川を下見してきました。

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昨年秋に下見したときは、五斗蒔集落を抜けるとすぐ林道は通行止めになっていました。
ゲートの先で堰堤工事が行われていたのですが、ご覧のように工事は終了、新しい堰堤ができていました。
場所は、1/2.5万の国土地理院地形図でいうと右側の送電線の近くでしょうか。
地形図を見ると小出川沿いに伸びる林道の終点に堰堤がひとつありますが、それより1km以上手前にあります。

IMG_0681.jpg

堰堤の崖です。
赤茶けた岩肌が特徴的。
上流部でもこれと同じ地層が一部見られました。

IMG_0684.jpg

新しい堰堤前の広場で見つけた石英です。
千石鉱山につながる沢の下流で、これと全く同じ質感の珪石をよく見ます。
林道脇の砂利にも、一定の割合で小さな石英の石ころが混じっていました。

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最初、地形図でいうと419.2mの小ピークに向かって破線が南に分岐していますが、その破線沿いを沢が流れており、その沢を途中まで歩いてみました。
この日は本格的な装備を持ってきておらず、足元も紳士靴!です。
踏み跡はまだまだ奥へ続いていましたが、ヤブは相当深く、沢通しに歩いたほうが良さそうに思えた時点でUターン。
本流に戻ると再び上流を目指しました。

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地形図に載っている堰堤が最終堰堤と思いきや、そこを過ぎても踏み跡(地図記載の堰堤まではしっかりした林道でしたが、堰堤をすぎると登山道っぽい踏み跡になりました)は右岸に続いていました。
10分ほど歩くと新たな堰堤が見えてきました(上の写真)。
さすがにこれが最終堰堤でしょう。
踏み跡はますます道幅が細くなってきましたが、ピンクのテープは途切れす一定の間隔で付いており、まだまだ先へ行けそうです。
しかし、時間の関係でここでUターン。

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上流へ行けば行くほど石英が多くなってきたというわけではありませんが、沢筋を探すとこのような石英を見つけるのはそれほど難しいことではありません。
今回簡単にですが下見をして、地形図と照らし合わせて怪しいなと思った場所は2箇所あります。
どちらも標高300~350mに位置するのですが、千石鉱山が標高310mだったことを思うと、あ、やっぱりと合点がいったり。
地形的には特に難しい箇所はないものの、ヤブが密なので行くなら春先か晩秋ですね。

IMG_0699.jpg

帰りに、五斗蒔集落外れの丘の上にある山の神に参拝。
実はここの近くの田圃へ、もう30年ほど前になりますが、母とよく山菜採りにきたものです。
あの丘の上になにやら建物があるなあと気づいていましたが、地図を見るとどうやら神社らしい。
ということで立ち寄った次第。
五斗蒔集落は典型的な過疎化が進んでおり、廃屋が目立ちます。
この神社もかろうじて体面を保っていますが、神気はあまり感じられませんでした。





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