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水谷銀山跡を訪ねて [鉱物 (新発田市・水谷銀山)]

新発田市のニノックススキー場へ行く途中、左手に菅谷地域コミュニティー実行委員会が作った標柱が現れます。
そこには、「明治から大正にかけて採掘された。最盛期には二百人余りの坑夫が働き、選鉱所、精錬所のほか、長屋、郵便取扱所、学校分教場があり賑わった。大正の始め、鉱脈が薄くなり廃校となった。」と書いてあります。
日本金山誌には蔵光鉱山の名前で出てきますが、地元では水谷銀山で通っているので、水谷銀山と呼ぶことにします。
実はとても歴史の古い鉱山で、600年前から採掘が行われていたようです。
ところで、三光川の支流である水谷沢には、実は30年前から山菜採りで何度か訪れたことがあります。
水谷沢沿いの林道に入って300~400mくらい走るとゲートが現れますが、車はそこまで。
当時からそのゲートはありました。
ゲートの前100mくらいの沢の両岸に多数のタラノキがあり、また、沢の対岸の斜面にはワラビも生えていました。
しかし10年くらいで一気にタラノキは成長し、同時にヤブも深くなり、ワラビが生えていた日当たりの良い斜面は樹木がどんどん成長し、今は単なる藪山と化しました。
水谷銀山に関してはそれほど詳しく調べたわけではないですが(まだ日本金山誌にも目を通していない)、”ミックンのつぶやき”と”新潟県北部の史跡めぐり”という2つのHPから得た情報が全てです。
最低限、石垣でも見つけられればいいやと軽い気持ちで久々に太陽が顔を出した3月7日、懐かしの水谷沢上流を訪ねてみました。

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赤の軌跡はGPS機器ガーミンで記録したそれです。
ゲートを過ぎてからも林道は道幅が狭まることもなく、林道終点の標柱が立っている地点まで(黄色の文字で書きました)しっかりした道が付いています。
林道終点の標柱(幅員3.6m、延長4,344mと表記)を過ぎても、しばらくは軽だったら通れそうな林道が続きます(ただし、路面は一気に悪くなります)。
行きは河原には降りず、ひたすら林道歩きで上流を目指しました。
”ミックンのつぶやき”によると、林道終点より300m先の右岸に、探鉱のために掘られた上谷坑があると書いてあるのですが、見つけることができませんでした。
もっとも、林道から見える範囲に坑口らしきものがあるかどうか、注意力を働かせただけで、坑口が道路から見えないところに位置しているのであればわからないわけで。
もっとも、林道終点から200mと記憶していたので(300mが正解)、その辺の誤差も影響しているかもしれませんが。

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林道終点を過ぎると、間もなく開けた風景が目に飛び込んできます。
気持ちいい!
左側は近年伐採された斜面のようで、グーグルアースでもこの地形を見つけることができます(2020/03/07現在)。

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渓相は基本的に癒やし系。
上流へ行くに従って岩場が出てきますが、まあまあ沢通しに行けます。
林道がなくなってからも、沢に沿って踏み跡がとぎれとぎれに付いていました。

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1.5mの小滝がかかる岩は、よく見ると珪岩でした。
水谷銀山では末期に珪石を採取していたらしいので、さもありなん的風景。
道端にも確かに石英系の石は一定の割合で見られました。
ただし、同じ二王子山麓の千石鉱山の珪石よりは純度が低いです。

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この日、カメラを向けた岩石は、先の小滝の岩とこのピンク色の石英の2つのみ。
地面に半分埋まっていたので汚れていますが、ハンカチでごしごしこすっても汚れは全然落ちませんでした。
しかしながらこの色合い、素敵です。
昨年内の倉川の枝沢でこのような珪石を拾いましたが、その石は赤紫だったけど、こちらはまさにピンクといった風情。
これで透明感があればローズクオーツです。

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そして、やっと人工物を発見。
山の神の祠です。
ただし、鉱山関係者が建てたものではなく、山仕事をしている人たちが建てたものである可能性もあります。
水谷沢沿いの山腹では今も盛んに林業が行われており、森はきっちり管理されています。
”ミックンのつぶやき”の「蔵光鉱山、水谷銀山跡」のページに出てくる、確実に鉱山関係者が作ったものと思われる祠を見つけたかったのですが、そちらはわかりませんでした。
付け加えれば、ミックンはHP内の「祠・石造物1」で、今回ぼくが見つけた祠の写真も掲載しています。
さすがミックン、ここまで来ているとは。
※参考 所要時間:ゲートから林道終点まで約40分、林道終点から山の神の祠まで約30分

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山の神から先は本格的な沢歩きとなり、ゴルジュ地帯も現れます。
ここは左岸を高巻き(踏み跡が付いていました)。
そして、まもなくUターン。
坑口が現れそうな気配がなかったし、帰りの体力のことを考えるとこの辺が引き際かなと思ったので。
途中、滝をかけて出会う枝沢も何本かあり、純粋に風景写真目的で来るのもいいかなと思いました。
(ただし、早春限定ですが。)

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帰りはできるだけ林道を歩かず、沢を歩くようにしました。
石垣は沢沿いにあるはずなので。
1枚目の地図で、ピンク色に囲った部分は”新潟県北部の史跡巡り”さんが、この辺りに男根を添えた山の神と、鉱山の石垣があるよ~と書いている場所です。
この地図をプリントして持参すればよかった!
帰宅してから改めてそのHPを見て気づいたのですが、場所を少し勘違いしていました。
上の写真の野原は、ピンクのエリアから150mほど右側に位置するのだけど、この辺一帯草木が生えていなかったので、てっきりここかなと思い込みました。
ここには石垣は見当たらなかったのですが、選鉱所があったのでは?と思ったりもします。
隣接する沢が非常に美しく、思わず250mほど沢登りをして道草しましたが、その沢では鉱山の名残を留めるものは何もなし。
1枚目の地図で黄色に囲った部分は、ぼくが勝手にこの辺に(岩場マークがある)坑口があるんじゃないかなと思っている場所です。
水谷銀山の鉱区はかなり広かったらしく、未知の坑口があちこちにあるかもしれません。

※水谷林道入口に立っていた、水谷銀山跡を示す標柱、倒れていました。
大きな標柱なので、一人ではなんともしがたく・・・



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