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ベントナイト地帯の水晶 [鉱物 (阿賀町)]

JR三川駅近くに”関ベン鉱業”の事務所があります。古舘地区には関ベンの工場がありますし、今でもベントナイトの採掘をしている現場が幾つか阿賀町にはあります。
ベントナイトはモンモリロナイトを主成分とする粘土鉱物の一種ですが、副成分として1)石英・クリストバライト・オパール等の珪酸鉱物を含むもの、2)長石・ゼオライト等の珪酸塩鉱物を含むもの、3)カルサイト・ドロマイト等の炭酸塩鉱物を含むもの、4)石膏等の硫酸塩鉱物を含むもの、5)パイライト等の硫化鉱物を含むものなどに分類することができます。
今回ご紹介する沢は1)のパターンでしょうか。
まだまだ経験不足なので、阿賀町では1)のパターンの場所しか見つけていないのですが、石英系の鉱物~玉髄やメノウ、水晶などが見つかることも多いのでそれはそれでOK。

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昨年初めて訪れた沢なのですが、まだ雪代水が治まっていないので、水は白濁していました。
この沢は上流へ行けば行くほど粘土化が進んでおり、それら粘土が流出しているため白く濁っているのです。
尾根の反対側斜面を流れる沢も同様の地質なのですが、中流部にかなり透明感を備えた水晶系の石を見つけることができます。
例えば上の写真ですが、左側に大きな(実際30~40cmある)水晶が岩の表面を覆っているのが見えるかと思います。

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拡大するとこんな感じ。
この沢で見られる水晶は錐面が小さいか、全く錐面のない板状のものが多く、色は無色かグレー、ないしは茶色のものがほとんどです。
完璧な薄紫色のそれはまだ見たことがありません。

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厚みが5cmある玉髄。
昨年秋に来たときはもっとこの手の石があったのですが、沢が増水している上、水が白濁しているのでほんの少ししか大きな結晶を見つけることができなかったのが残念。

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モコモコ君はわりと少数派。

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このような半透明の薄い結晶は多く見られます。
一見ゼリー状に見えますが、ちゃんと硬いです。
完全に不透明なものはなく、多かれ少なかれ透明感があるので、見ていて快感です。

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ある程度上流部へ行くと、このような風化した壁がどんどん出てきます。
よく見ると、板状のメノウや玉髄があちこちに埋まっています。
ただし、粘り気が非常に強い粘土なので、長めの防水手袋を持っていかないでホジホジすると悲惨なことになります。
足元もしかり。
下手に砂の上に足を置くと、底なし沼のごとく一気に15cm以上足が埋まることもあり、気が抜けません。
ロングスパッツ必須。

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今回新たに見つけた結晶はこれ。
中央やや右寄りの部分に小さなくぼみがあり、そこに茶色の水晶が見られます。

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地質Naviというサイトで各地の地質を調べることができるのですが、それによるとここは流紋岩溶岩、デイサイト地帯ということになっているようです。
ゆえに柱面の発達した、いわゆるポイント状の水晶は見られないのですが、郷に入ったら郷に従え、今ここで見られる鉱物を愛でるのみ。
GW後には濁りも取れると思うのですが、次回は源頭部まで完全遡行を試みたいと思います。



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