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探検!飯豊鉱山 ⑤ [鉱物 (新発田市・飯豊鉱山)]

昨夜、新たな飯豊鉱山の地質図を入手することができました。
論文のタイトルは「東北日本内帯の2・3のいわゆる接触鉱床における鉱床と変質帯との関係」です。
著者はあの今井直哉教授。
この文書に”飯豊鉱山下一番坑第1中段地質図”が載っていました。
この図もまた非常に詳しく、今度行く時持っていかなければ、と思いました。
(6月28日追記:この論文で論じられているのは飯豊坑~古岐沢右岸の坑口群~であり、ぼくも含め一般の鉱物マニアが訪れる古岐沢左岸の坑口とは別物になります。下一番坑も飯豊坑に属します。)

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さて、メインの坑口を出て、まずは前回同様鉱山道の終点まで一気に歩きました。
途中、前回撮りそこねた対岸の巨大坑口を撮影。
めちゃくちゃ大きいです。

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鉱山道終点から下の河原。
降りられそうだなと思ったのですが、最初の4~5mが難しく(掴めるしっかりした枝や岩がない)、やはり河原へ降下するにはザイルが必要かもしれません。
今はとにかく地表がどのような地形になっているのか視認できないので、晩秋にもう一度来てみて、対岸へ上がれるルートがあるのかどうか調べてみたいです。

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坑口aは完全閉塞だったので、隣の坑口bへまず入ってみました。

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最初の3mは斜坑のような感じで神経を使いましたが、それも3mだけ。
坑道はその先左右に伸びているのですが、水没ならぬ泥没状態。
匂いもひどく、コウモリの糞の匂いが入り混じった不快な臭いが充満していました。
これでは探索どころではないので、即撤収。

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そして、前回見つけた坑口群の中では最も食指をそそられた坑口cへ。

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この坑道の壁は全部グレーの石灰岩でした。
枝坑道はなく、80~90m先で行き止まり。
思ったより短かったです。

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下一番坑の壁面の鉱物は一様ではなく、質感も色合いもコロコロ変わるのですが、こちらはグレー1色。

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でも、素敵な鉱物がありました。
アラゴナイト(あられ石)です。
赤谷鉱山の青いアラゴナイトが有名ですが、石灰岩地帯では割とよく見かける鉱物。
洞窟や鍾乳洞の中で育ったアラゴナイトは珊瑚のような形をしているものが多く、そのようなアラゴナイトは山珊瑚と呼ばれたりします。
この結晶もあと数十年したら立派な山珊瑚に成長するのでは?
近くに黄褐色のそれもありましたが、純白のアラゴナイトは別格の存在感でした。

IMG_0928.jpg

近くでは鍾乳石も成長中。
この坑道のごく一角での話なのですが、鉱物の神秘に触れた思いがしました。

IMG_0922.jpg

そして、獣の糞の上ではキノコが成長中。

IMG_0925.jpg

名残惜しいですが、そろそろ帰らなければ。
個人的には、パイライトよりアラゴナイトが好きだったりします。
こんな産状で見られるんだと、また経験値がひとつ増えました。
石灰岩地帯もまた楽し、です。




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