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赤滝銅山最終章 [鉱物 (弥彦山周辺・赤滝銅山)]

10日、新年になってから初めての鉱山探検へ。
行き先は、弥彦山周辺に明治~大正時代にかけて稼業していた複数の鉱山の中で、最も標高が低いところに坑口があったと思われる赤滝銅山。
既に最近2年間で4~5回足を運んでいるけど、まだ坑口らしい坑口を発見していないし、精錬所跡も特定できていません。
昨年は3本ある沢のうち2本を精査し、残るはあと1本となりました。
その沢も途中の堰堤までは行ったことがあるのですが、その先は未踏破。
今回はラスト・フロンティアである最終堰堤から先の沢を詰めてきました。

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これが最終堰堤。
もう片方の沢のそれも似たような景観ですが・・・

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途中からパイプが現れ始めました。
あちこちで分断されていますが、総延長250~300mは続いていたと思います。

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そして、石垣も出てきました。
もう片方の沢は中流部以降石垣は見られなかったので、こちらの沢が本命であることを確信。

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やがて広い台地が右岸に現れました。
石垣の長さも長い。
広場は縦長となっており、70~80mくらいはありそう。
対岸もフラットな地形になっていて、踏み跡は両岸にはっきり残っていました。
この辺りがやはり坂井銅山の核心部のようです。
ここが精錬所のあった場所なのでしょう。
ちなみに、対岸(左岸)の上手側斜面の中ほどにズリも発見。
幅5~7mくらいに渡ってズリが拡がっており、中心部を20cm程の細い水の流れがありました。
その上部には大きな岩が2つか3つあり、おそらくはその周辺に坑口があったものと思われます。

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この広場の最も奥の方にも石垣がありました。
帰宅後、唯一人坂井銅山の坑口にたどり着いたM君のブログを読み返してみると、この石垣の写真も載っていました(上から5枚目の写真)。
彼は書いています、奥の石垣、堤防の役目?

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そして、この広場を抜けると小滝が現れました。
すぐ奥に堰堤というか、堰が見えます。
近づいてみます。

IMG_4800.jpg

ああ、やっと見つけた!
M君のブログで1枚目の写真の堰がここです。
感無量のひととき。

IMG_4805.jpg

あとは坑口探しのみ。
郷土資料の図によると、赤滝を中心に右岸に1つ、左岸に3つの坑口が控えているはずなので、まずは赤滝を特定することが先決。
さっきの広場の下手に右岸側から注いでいる小沢の落ち口が落差7~8mほどの滝だったのですが、岩盤は特に赤くはなく、候補としては弱い。
赤滝探しは別としても、精錬所の置かれていたと思わしき広場の周辺を徹底的に探索したのですが、坑口を見つけることは出来ませんでした。
M君のブログを再度引き合いに出せば、3枚目の写真の場所は大体わかりました。
しかし、4枚目の写真の坑口がわからない。
これは想像ですが、彼がこの地を訪れたのは十数年前であり、その間に埋もれてしまったのではないかと。
隣の沢もそうですが、この辺の斜面はどこも地盤が柔らかいのです。
近年は災害級の大雨も何度もありましたし、他の坑口も含めて全部入り口が埋没してしまったと判断せざるを得ません。
さて赤滝探しですが、広場を抜けて100mくらい上流部に現れたこの滝が最もイメージに近かったです。
広場を抜けた辺りから斜度は微妙に増し、次から次へと小滝が現れるようになりました。
踏み跡はさらに続いていたので、もう少し沢を遡行してみました。

IMG_4807.jpg

さっきの滝の20m上流で沢は二手に分かれ、どちらも20~30mほどでゴルジュ地帯となり、大高巻きしないと前方には進めない滝が出てきます。
この写真の滝は右側の沢(こちらがやや水量が多い)に現れた大滝。
死角になっていて見えませんが、すぐ奥で10~15mの滝が連続しており、直登は不可能。
踏み跡もこの滝の下で途絶えていました。
左側の沢も同様に大高巻きしないとどうしようもない15~20mの滝が出てきて、そこでUターン。
それにしても、上流部はダイナミックな渓相です。
特に上の写真の沢は面白そう。
沢登りの対象としても絶好なのではないかと感じました。

IMG_4824.jpg

帰り、ちょっとでも怪しい地形があったらアルバイトをいとわず探索してみましたが、特に成果はなく・・・
しかし、こんな年代物のドラム缶が転がっていたりと、歴史的な遺物は幾つか発見することができ、高揚感は続きました。

※2024/02/01追記:
当初は赤滝銅山と坂井銅山が同一のものであると思いこんでいたのですが、採掘権第707号などの文献と出会い、坂井鉱山の鉱区を知ることができました。
そこは白瀬川ではなく、宝川中流部に設定されていたのです。
それで今日、該当する記事を全てタイトルや本文を修正したのですが、赤川良作さんから鉱業権を買った坂井氏はその後大幅に鉱区を拡張したと伝えられております。
従って、拡張した鉱区に赤滝銅山が含まれる可能性があるのです。
この場合、坂井鉱山=赤滝銅山ということになります。
本ブログでは一応分けていますが。






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