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水谷銀山上谷坑 [鉱物 (新発田市・水谷銀山)]

25日、新発田の水谷銀山を2年ぶりに再訪。
といっても、今回は全く別なエリアの探検です。
9月、本も書いておられるNさんの好意で”日本金山誌”の新潟県版のページのコピーをもらったのだけど、そこに水谷銀山のことが書いてあったのです。
坑口の位置を記載した地図も添えられており、それを見ると当初思っていたよりずっと広い範囲が採鉱区だったことを知りました。
同時に、まだ訪れていない坑口が少なくとも2つあること、そのうち一つは全く場所の見当がつかなかった上谷坑でした。
そうか、尾根の向こうの沢沿いなのね・・・
地図の等高線は手書きで書かれ、デフォルメの多い絵地図もどきのものでしたが、なんとか位置の見当はつきました。
果たして無事坑口を発見できるのか?

水谷銀山は約700年前から採鉱が開始されたと伝えられている、歴史の古い鉱山。
明治30年頃に最盛期を迎え、その頃は水谷沢沿いの平坦な土地に集落が形成され、200人余の鉱夫が働いていたとか。
多くの鉱山がそうであるように、この鉱山も大正時代に閉山となりました。
旧川東村の郷土資料に記述があるほかは、日本金山誌で紹介されているぐらい。
つい数年前までは水谷林道の入り口に、水谷銀山の由緒を書いた標柱が立っていましたが今は倒壊。

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上谷坑へ至る沢(上三光沢)の中流部の渓相。
下流部はゴロタ石が多い、なんてことのない河原が続きますが、上流へ行くに従って岩場が多くなり、ここより先はゴルジュも現れました。

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入渓してすぐ、石英が多いことに気付きます。
今回、水谷坑を過ぎてさらに上流部まで遡行してみましたが、石英脈が途切れることはありませんでした。
二王子岳山麓の沢は、大体どこも石英が多いです。
近くに珪石を採掘していた千石鉱山がありますが、地質はよく似ていると感じました。

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これで50cmくらいですが、あまり大きな珪石はなかったです。
個人的に石英は好きな石なので、透明度の高いものはないか、結晶化しているものはないか、目を皿のようにしながらゆっくり歩いていきました。

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これが今回見かけた中で唯一の、結晶化した水晶が付いている珪石。
日本金山誌から引用します。

「・・・鉱床は古生層粘板岩に胚胎した含金銀石英脈である。(中略) 鉱脈はほとんど石英質であり、金、銀を含み硫化鉄を随伴している。平均品位はAu0.5~2.0g/t、Ag200~1,000g/tであり、一般に銀品位の高いのがが特徴である。石英鉱脈中、銀品位の高い所は第一に黄鉄鉱の濃集した所かその酸化帯である。(中略)鉱脈は概して上部より下位で1~2mと脈幅を増し、優勢となる。また、脈石鉱物の石英が乳白色の場合、金銀品位が一般に低下する傾向がある。」

今回道中見かけた石英の写真をたくさん撮ったのですが、ピクセル等倍で見るとたま~に細粒状の黄鉄鉱がついている場合がありました。
また、後半の記述からすると、乳白色でない石英がある(透明な石英のこと?)と類推できますが、ということは水晶もあるということです。
やはり、水晶探し目的で来てもいいかもしれませんね。

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幅70~80cmくらいの黒色粘板岩に石英脈が走っています。
この石英もある程度透明感があります。

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とうとうかなり上流まで来てしまいました。
これなんかも人工的に作られていますね。
2本ほど途中枝沢が右側(左岸)から出会うのですが、念のためそれらの沢も少し登ってみました。
らしい地形はあちこちに出てくるのですが、なかなか坑口が現れません。
Uターンしてから、今度は本命の右岸を流れる小沢へ入ってみました。
そこがビンゴでした。

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先日の、草倉銅山三角沢坑を見つけたときも感動しましたが、今回も魂を揺さぶられました。
思ったより大きく、大迫力。
入ってみます。

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内部は二股に分かれており、こちらは右側の坑道。
長さは4mといったところ。

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そしてこちらが左側の坑道。
長さは10m弱あるので、入り口からだとストロボが届かず、突き当たりの壁が写りません。
なので、5mほど中へ入ってから写しています。
どちらの坑道も冠水しており、水深は10~15cmほど。

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どん詰まりの壁の一部。
あちこちに石英が露出しています。
銀が含まれるかどうかはぼくみたいな素人にはわからないけど、まだまだ採掘できるのでは?というのが率直な感想。

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何かをくり抜いたかのような採掘跡。

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こちらも石英がびっしり。
小さなポイントも見られます。

IMG_0108.jpg

上谷坑を出てすぐの河原に、獣の白骨が埋もれていました。
水谷銀山で、前回(2020/04/18)ぼくが見つけた坑口は元山坑であることが、日本金山誌の当該ページでわかりました。
元山坑から水谷沢をもう少し遡ったところにも坑口があるようなので、近日中にそこも訪れてみたいと考えています。









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