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鉱物 (新発田市・赤谷鉱山) ブログトップ
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赤谷鉱山点描~若きブルーアラゴナイト [鉱物 (新発田市・赤谷鉱山)]

かつて赤谷鉱山では、約1mの横幅の、世界最大級と言われる青いあられ石(ブルーアラゴナイト)が採掘されました。
現在それはクレーストーン博士の館(胎内市)に保管・展示されています。
この巨大なブルーアラゴナイトが見つかった晶洞はその後ダイナマイトで入り口を破壊し、封鎖してしまったそうです。
しかしながら、今でも坑道内ではブルーアラゴナイトを見ることができるのです。
最近3回の探索でそれを確かめ、大きな晶洞ならぬ鍾乳洞的空間の中で、それは少しずつ成長しているようでした。
ブルーアラゴナイトに限らず、水晶でもパイライトでも何でもいいのですが、そもそも鉱物はどのような産状で見つかるのか?
図鑑を見ても産状~自然界の中でどのような形で、環境下で見つかるか~の写真を載せている本はほとんどありません。
水晶などのメジャー鉱物に関しては、最近ユーチューブで採掘の模様をアップしている人が増えてきたので、そういった動画で産状を知ることができるようになりました。
ここでは、ぼくが知り得たブルーアラゴナイトの産状を紹介したいと思います。

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どうでしょうか。
水色主体に、白色やピンクがかったものの写真を載せました。
やはり水色のものが別格の清楚さを感じましたが、写真で見ても感想は変わりません。

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これは今回見かけた中で、もっとも質感がラリマー(ブルーペクトライト)に似ていたもの。
横幅8~10cmぐらいです。
おそらくブルーアラゴナイトこそ、異極鉱なんかよりもラリマーの原石に最も似ていると思うのですが。
名付けて、新発田のラリマー。
ルーペで見ると結晶の形の違いで見分けられますが、表面だけ見ても違いは全くわかりません。
それでいて、個人的にはラリマーよりさらに軽妙な波動を感じるんですけど・・・
ぼくはブルーアラゴナイト派ですね。


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水色の濃さでは、最大でこのくらいの彩度でした。
純白の部分が混在しており、圧倒的な小宇宙を形成しています。

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これも石の大きさは約10cm。
端っこにアラゴナイトでよく見られる形状~六角柱状の三連双晶~が今まさに形成されつつある様子を見ることができます。
モコモコとした全体の形がかわいらしいです。

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ブラックないしはグレー基調の表面に、一部水色の層が溶け込み、絶妙なグラデーションを形作っています。
黒と水色の組み合わせは非常に珍しく、サンプルとして採取。
これで横幅7cmです。

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ブルーアラゴナイトの断面です。
厚み約1cm。
長波のUVライトを照射すると、青く蛍光しました。
蛍光色については個体差があり、寒色系の白から青みの強い水色まで、5個持ち帰った石はすべて微妙に発色が異なりました。






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赤谷鉱山点描~鍾乳石の種類 [鉱物 (新発田市・赤谷鉱山)]

6月に入ってから3回赤谷鉱山を訪れました(8、10、15日)。
その過程でかなり大きな鍾乳洞を発見。
そこは複数の坑道が出会っているところで、採掘跡が広い空間となっているのです。
石灰岩がメインのため鍾乳石が現在進行形で形成されつつあり、そこでは地球の鼓動をダイレクトに感じることができます。

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赤谷鉱山は主として鉄鉱石を採掘していた鉱山ですが、金属鉱山ではこのようなおどろおどろしい色の酸化帯が坑道内によく見られます。
衣服に付いた汚れはなかなか落ちないので、あまりこんなところを歩きたくはないのですが。

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ここでは、石筍とつらら石、鍾乳管(ストロー)、針鉄鋼などが写っています。
赤茶けた色は鉄錆によるもので、左上にぶらさがっているストローなどは鉄が主成分。
その点がいかにも金属鉱山らしいです。
鍾乳洞内は広義での洞窟生成物の宝庫であり、ここ数日それらの分野を勉強していました。
ゆえに記事のアップが遅くなりました。

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別な角度から。
石筍がだいぶ発達しています。

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こちらは同じストローでも、こちらは化学式CaCO₃で表される炭酸カルシウム。
大体1年間に2.5~6mm成長するそうです。
この坑道が採掘されてからおそらく40年前後が経過していると思うのですが、長さ的には理屈にかなっていますね。
いくつか水色のストローも見られるのが興味深いです。

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フローストーン(流れ石)のバリエーションだと思います。

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同じフローストーンでも、こちらはゲージュツ的な美しさ!
ブルーアラゴナイトの赤ちゃんです。
この水色は微量の銅に起因します。

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リムストーン。
畦石とも言います。

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上の2枚の写真は決して泥ではありません。
触れてみると硬いのです。
自然の造形は本当に見ていて飽きない。
カメラを向けたくなる被写体はいくらでもあります。








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赤谷鉱山点描~鍾乳洞で地球の鼓動を感じる [鉱物 (新発田市・赤谷鉱山)]

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赤谷鉱山とある坑道深部。

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そして、何本目かの枝坑道を進んでいくと、全く予想だにしなかった光景を目の当たりにしたのでした。
巨大な地底の大広間。鍾乳洞と言ってもよいでしょう。
こんな空間が残されているなんて、赤谷鉱山について書かれたいかなる文献にも出てこない。
360°見渡す限り鍾乳洞。
上の写真はその1/4程を切り取ったに過ぎません。
天井も高く、Jさんと二人言葉を失い、ただただ立ち尽くすのみでした。

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壁の大部分が鍾乳石に覆われているのですが、まだ鍾乳石そのものは若く、大きなつららのようなものはなかったと思います。
特筆すべきはそのカラー。
純白が多いのです。
次に水色。
クリーム色や茶色はそれほど多くありません。
触ってみるとびちゃびちゃしているかと思いきや、全然硬いんです。
指が白く染まることは全くありませんでした。

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ある地面には、パチンコ玉サイズの丸い鉱物が見られました。
こちらも一見柔らかそうですが、触れてみると硬いのです。
そして、指が白く染まることはありません。
帰宅後調べてみたら、ケイブパール(洞窟真珠)でした。
生まれてはじめて見ました。
ウイキから引用します。
「cave pearlとは、鍾乳洞の中でカルシウム炭酸塩が沈着して生成する洞窟生成物の一種である。様々な形状のものがあるが、いずれも細かな層が同心円状に重なってできている。最大のものでは直径15cmもの球体が発見された例があるが、大抵は直径1cm以下である。単独で見つかる場合と、密集して存在している場合とがある。」
ケーブパールの上品な美しさは、まさに浮世離れしたものでした。

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赤谷鉱山が閉山したのは昭和52年。
すなわち、この大ホールが生まれてからまだ日が浅いのです。
そのため、石灰成分が現在少しずつ沈殿し、薄膜を作っている真っ最中といったところ。
この鍾乳洞に佇んでいると、文字通り地球の鼓動を感じ取ることができます。
この空間は呼吸しています。血が流れ、生きているのです。
そして、母なる地球の意識の片鱗が第三の目を通してこちらに伝わってきました。
言語化は不可能ですが、無限の愛のエネルギーとでも言いましょうか、太陽を肉眼でほんの1~2秒見つめる体験で得られる途方も無い眩しさが私の深層意識の隠された貯蔵庫を開け、そこに一斉に純白のまばゆい光がなだれ込んでくるような感覚。

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こちらは、かなり水色の彩度が濃いですね。
昔、赤谷鉱山のどこかの大きな晶洞で、現在胎内市のクレーストーン博士の館に保管・展示されている国内最大級のブルー・アラゴナイト(青いあられ石)と同じ色合いです。

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大ホールのかなり上の方に、カラフルなエリアがあったので、トリミングして拡大してみました。
こちらもあと500年もしたら、どんなに色鮮やかな鉱物に成長することか。
その頃また生まれ変わって、この鍾乳洞を訪れてみたいです。

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このように、単独で水色に染まった塊もありましたので、5cm程度の小さな奴をサンプルとして3つ持ち帰りました。
最初単なる青い鍾乳石かなと思ったのですが、念の為現地で知り合った若き鉱物学者に写真を送り、意見を聞いてみました。
すると、なんとこの青い石(正確には青い薄膜の部分)は、若きブルー・アラゴナイトであるとの鑑定。
母岩の上に微量の銅を含んだ石灰成分が沈殿し、水色のあられ石の薄層を形成したと考えられるとのことでした。
先日、飯豊鉱山の某坑道内でも小さな鍾乳石が発達しているエリアを見つけ、そこで白いあられ石が形成されつつあるのを発見したばかり。
その坑道も石灰岩からなる坑道でしたし、地質的には酷似しています。
ともかく、夢のブルー・アラゴナイトを目の当たりにして、しかも少しずつ成長しつつある若い結晶を間近に見ることができ、全身が打ち震えるほど感動した次第。

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サンプルの一つに、365nmのUVライトを照射してみました。
すると、真っ青に蛍光するではありませんか。
持ち帰った石には片っ端からUVライトを当てて楽しんでいますが、このように思いもよらぬ石が蛍光したりするので面白いです。

ありがとう、地球よ。
ありがとう、ふるさと赤谷の山々よ。




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赤谷鉱山点描~スダチ沢から水無沢にかけて [鉱物 (新発田市・赤谷鉱山)]

6月8日と10日の2回、今年始めて赤谷鉱山を訪れてみました。
飯豊鉱山の鉱山道に比べたら遥かに歩きやすいのですが、それでもスダチ沢と篭久保沢との合流点まで1時間はかかってしまいます。

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左側に大きな坑口がパックリと口を開けています。

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完全な斜坑。
周辺は鉄鉱石の岩壁。
赤鉄鉱や鏡鉄鉱は、河原でいくらでも拾えます。

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スダチ沢と篭久保沢の合流点から先、スダチ沢は水無沢と名称を変えます。
なぜ水無沢と言うか。
そこからいったん付流水となり、水がなくなるからです。
8日に行った時は普通に水が流れていましたが、2日後に訪れた時は見事に水が消えていました。
スダチ沢下流部は厳しいゴルジュが連続、水量も多く、沢筋を忠実に辿るのは至難の業。
しかし、この辺からは優しい渓相となり、水無沢のかなり上の方まで沢を歩いていけます。
途中、上の写真のような鉱山関係の残骸があちこちに現れます。

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水無沢に入ると、ご覧のようなコンクリートの壁が現れます。

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河原には鉄鉱石だけでなく、結構いろいろな岩石が現れます。
こちらは結晶質石灰岩。
流水の影響を受けたのか、表面の凹凸が珍しい。

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水無沢下流部にカラミが幾つか落ちていました。
上流部には精錬所はないはずなのですが、はてさて?
でも、カラミが落ちていたのはほんの一角だけでしたが(トロッコの軌道の近くの河原)。

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沢沿いの岩場の露頭を見ていくと、あちこちで黄鉄鉱(パイライト)の脈を見ることができます。
こちらの黄鉄鉱、緑や青に変色しており、なんか美しい。

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こちらは形の整った2cm程の黄鉄鉱の結晶。
酸化もそれほどしておりません。

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この岩にびっしり付いている、赤茶けた鉱物も黄鉄鉱。
こちらは酸化が進んでいます。
黄鉄鉱と言えば飯豊鉱山のそれが有名ですが、赤谷鉱山でもごくフツウに黄鉄鉱を見ることができます。

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10日に訪れた時、現地で鉱物&地質の専門家二名に遭遇。
学者の卵であるKさんから、紫石英が出た露頭を教えてもらいました。
まだ紫色がかった石英が顔を出していたので、その日のぼくの同行者Jさんがハンマーを使って削り出したものがコレ。
その露頭は石灰岩なのですが、一部変質作用を受けているようでした。
Kさん、Jさん、そしてOさん、どうもお世話になりました。
ありがとうございました!

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この尾根の地中に坑道が張り巡らされているのです。
この斜面は、水無沢鉱床の北部の辺り。
赤谷鉱山の抗口は、320M坑、380M坑などというように、その坑口の入り口の標高が坑口名となっているのですが、この斜面の上の方に400M坑や420M坑があるはず。
左手から尾根の8合目あたりを縫うように旧道が伸びているはずなのですが、今も踏み跡が残っているのかどうか?
踏み跡を辿らないと、坑口の発見はまあ無理でしょう。
8日に一人で来た時、周辺の旧道がどれくらい残っているのか調べてみたのですが、今の時期は既に草が伸び切っているのでほとんどわかりませんでした。
もう1ヶ月早く来なければ。




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琴沢橋付近の渓谷美と謎の抗口 [鉱物 (新発田市・赤谷鉱山)]

先日、鉱物の大家から、琴沢(爼倉山登山道入り口を流れる沢)を飯豊川へ下ったところに水晶があるらしいという話を聞きました。
らしいというのは、その方が自分の目で確かめたわけではなく、赤谷鉱山で働いていた人(だったか土地の古老だったか)から聞いた話だったからです。
今年は残雪が多いため加治川治水ダムまで車で入ることは出来ず(昨年は4月29日に入れた)、琴沢橋手前で通行止めとなっています。
その琴沢橋の下を流れるのが琴沢ですが、見るからに両岸とも断崖絶壁で、橋の直下はもちろん、加治川との合流点まではとても行けそうにありません。
しかしものは試し、昔取った杵柄(高校~大学時代、この近くの斜面を降り、本流で何度かイワナ釣りをしたことがある)、超久しぶりに急斜面と格闘してきました。

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まず、琴沢橋から10~15mくらい先の林を歩いてみたのですが、なんとなく踏み跡っぽいものが下の方へ続いているのを発見、そこをトレースしてみました。
なるほど、その踏み跡もどきはピンポイントで斜度のゆるい斜面を縫うように付いています。
しかし、水面まであと5mというところで70~75度くらいの急な岩場に出て、そこでジエンド。
ザイルがあったら猫の額ほどの河原に降下できますが、ひたすらゴルジュが続いているので、前にも後にも進めません。
周囲の岩場を見渡してみましたが、木の枝が邪魔でよく見えないため、その場からすぐ離れました。
次に向かった先は、琴沢橋の真下です。
しかし、ここも水面まであと3~4mというところで進退窮まりました。
その地点から撮ったのが上の写真。
ここもザイルと言わないまでも、10mの補助ロープがあれば河原に降りられたのですが、やはり前後には移動することは不可能。
写した写真を帰宅後ピクセル等倍で見ても、水晶や玉髄はなかったです。

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目の前には赤谷鉱山鉄道の遺構が・・・
よくこんな急斜面に作ったものだと感心。

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次に向かった先は、2012年5月以来の訪問となる、琴沢橋から400~500m下流にある岩場です。
ここは道路からなんとかロープなどを使わずに河原へ降りることができ、この30数年間の間に7~8回は降りたと思います。
ところが、10年振りに行ってみたら、かすかな踏み跡が続いていた斜面がそっくり崩落していました。
自然の猛威を目の当たりにして、しばし立ち尽くしました。
気を取り直して、周囲の地形を改めて観察。

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対岸の岩場に変化はないようです。
10年前に写したこの岩場の写真と見比べてみると、全く同一。
いかにも堅牢そうなので、崩壊するわけはないですが。

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こちらがちょうど10年前の5月下旬に写した、同じ河原の写真。
ここから、左岸を50~80mほど遡行することができたように記憶しています。

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同じく10年前の撮影。
左岸の近くの岩壁。
水晶は見られませんね。

さて、戻る時かすかな踏み跡を見つけたので、滑落しないよう気をつけながら崖の先端へ出てみると・・・

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なんと、抗口のような間口1~1.5m程の穴が待ち受けていました(左側が川側)。

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足場が40cmしかないので体勢を入れ替えることもままならず、不自由な姿勢のままなんとか洞窟内部を撮影。
ゆるく左方向にカーブしているようです。
地図を見ると道路を挟んで南側に溜池のようなものがあるのですが、それの排水を目的として作られた穴でしょうか?
それにしては結構天井が高いような気もするし、近くを赤谷鉱山鉄道が走っているので、それと関係する何かの洞窟でしょうか?
果たして??

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なにげに対岸を写してみると、なんと抗口のようなものが写っています。
実は現地ではこの事に気づかず、あとで気づいたのです。
現地で気づいていれば望遠側にズームして写すところなんだけど・・・
怪しい・・・




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場割沢を極める (後篇) [鉱物 (新発田市・赤谷鉱山)]

場割沢、及び場割沢鉱区内の貯鉱所跡から拾ってきた石を紹介します。

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質量195g。
鏡鉄鉱に苦灰石(ドロマイト)が付いています。
この手の石が、貯鉱所跡の壁際に結構落ちていました。
場割沢沿いの転石には、苦灰石はあまり見られませんでした。

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苦灰石部分のクローズアップ。

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質量185g。
自然銅がびっしり付いています。
ぼくは鉱物採集を初めてまだ2年のぺいぺいですが、今まで見た中で最も大きい自然銅です。

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クローズアップ。

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裏面はやや色味が異なっており、ところどころ黄鉄鉱と苦灰石が見られます。
ところで、重晶石と苦灰石の区別がつきません。苦灰石と方解石も、ものによっては酷似しており、やはり判別は難しい。
重晶石も苦灰石も条痕色は白、光沢はガラス質、結晶面は苦灰石の場合で菱形か三角形、重晶石だとそれに加えて四角形・台形・六角形など多様、劈開も三方向で一緒。
モース硬度も大差なし。
でも成分は全く異なり、苦灰石はマグネシウムとカルシウムの炭酸塩鉱物ですが、重晶石はバリウムの硫酸塩鉱物。
赤谷と飯豊鉱山は苦灰石を豊富に産出したので苦灰石ということにしていますが、以上の理由から確信は持てません。

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質量260g。
この石も鏡鉄鉱と苦灰石がミックスされています。

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苦灰石部分のクローズアップ。

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裏面はほぼ白色の苦灰石となっており、光沢もあります。

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なんとなく蛍光しそうだったので、長波(365nm)のUVライトを当ててみたら案の定蛍光しました。
1枚目の写真の石も、同様にサーモンピンク色に蛍光しました。


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場割沢を極める (前篇) [鉱物 (新発田市・赤谷鉱山)]

赤谷鉱山の主要な鉱区であった場割沢を再度訪問。
沢沿いに、前回よりさらに上部へ行ってみました。

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途中、選鉱場があった所を通過していきます。
このコンクリートの残骸もその施設の一部なのでしょう。

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沢の転石には、よく見ると1~2mmくらいの小さな黄鉄鉱の結晶が付いているものも多かったです。
五頭山や弥彦山のちょっとした沢の浅瀬でも黄鉄鉱の細粒は見られますが、ここのはサイズが一回り大きい。


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素直に沢を詰めていくと、20mほどの滝で詰まります。
その滝のやや手前から、右手のわずかに窪地になっている地形を詰めていくともう少し上へ行くことが出来、やがてここに出ます。
今回はGPS機器を持ってきていなかったので標高はわからないのですが、前回の到達地点から標高差で15mほどは上に行っているでしょう。
まだまだ場割沢の半分のレベルにも達していないのですが。
ここから先は傾斜がきつくなり、ザイルがないと危険なので、ここで引き返しました。
さて鉱物ですが、場割沢下部と同じようなものしか見当たらず(赤鉄鉱&黄銅鉱)、今回念頭に置いていた苦灰石の美晶はなかったです。
なので長居はせず、次の目的地へ。

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ブログ「緑の谷・赤い谷」からお借りした写真を加工しました。
場割沢鉱区は結構横幅があり、端っこの方の地形を探索しようと思ったのです。
場割沢を過ぎ、20~30mも歩くと、右手に高さ4mくらいのコンクリートの壁が現れます(次の写真)。
帰宅後、その施設は何かなあと思って調べてみたらこの古写真を見つけた次第。
黄色の矢印がこのコンクリートの壁だと思います。

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他の資料をあたったら、どうやらこれは飯豊鉱山(赤谷鉱山のではない)の貯鉱所跡らしいです。
やぶからすさんの記事にも同様のことが書いてあったので、間違いないと思われます。
もっとも、5月3日にアップした自分の記事で、自作の地図に貯鉱所跡と記載していましたね。
実際の場所は、自作の地図よりわずかに左側でした。
現在の国土地理院の地形図にもまだ載っていますが、袖上橋はとっくになくなっていますのでご注意。
壁は30~40mほど続きます。
この壁の向こうはどうなっているんだろうという好奇心で、壁の向こうへ行けそうなルートを探しました。

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壁が終了するとここへ出ます。
貯鉱所の排水パイプが横たわっています。
このすぐ右手に石段がありました。

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よく目を凝らさないとわからないです。
この石段の上の方は枝が被さっていたりして、最初の3mしか石段の恩恵に預かれなかったのですが、なんとか壁の上部へ到達。

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壁の内側には何もなく、やたら椿の木が生い茂っています。
笹薮よりはマシですが、藪こぎを強いられます。

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こんな感じで続いています。
壁際に小さな鉱石が密集しており、ここで石探し。

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この写真ではわかりませんが、なにげにここに散らばっている鉱石はレベルが高いのです。
先の場割沢上部では1個しか拾わなかったけど、ここでは4個も拾いました。
念願の、美晶とは言えないまでも、苦灰石の結晶の形が明確にわかる石や、びっしり自然銅が付いている石などが次々と目に留まりました。
ほんの15分ぐらいしか石探しはしなかったけど、この場所はすごい。
閉山してからここで石探しに来たのは、間違いなくぼくが第一号と思われ。
椿は常緑樹なので、早春でもヤブの濃さはあまり変わらないかも。
再訪するかは微妙ですが。



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柳の下のどじょうを狙って [鉱物 (新発田市・赤谷鉱山)]

当ブログ、5月18日の記事の石を見つけた場所へ行ってきました。
ラベルを書くとすれば赤谷鉱山産ですが、厳密には赤谷鉱山のズリや坑口付近で採取した石ではなく、地理的に広義での赤谷鉱山に属するエリアで見つけた石になります。
柳の下のどじょうに終わるかと思いきや、50分の探索の結果、運良く類似の石を発見!

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道路の端から1mほどの、岩壁の基部を覆い尽くしている土を掘り起こして発見しました。
既に草がぼうぼうとなっているし、シダ系植物の胞子の飛散が半端なく、土埃の発生もひどく、マスクをしていても時に咳き込むほど。
もちろん目には透明なゴーグルをしているのだけど、なかったらひどいことになりそう。
そんなこんなで1時間近く探索した割には、ごっく限られた範囲しかチェックできませんでした。
ということは、まだまだ可能性を秘めているということです。
これは土の中から見つかった状態の石。洗浄前です。

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横幅17.5cm、質量1080g。
こちらは洗浄後。
タワシで洗い、つまようじで隙間の土をざっと取り除いた状態です。
前回見つけた類似の石同様、ミニ水晶の群生とパイライトの自形結晶が見られます。
ルーペで見ると、クローライト付きの水晶のポイントもあったりして興奮します。
でも、老眼がかなり進んでいるので、これ以上のクリーニングは難しい。
前回のは1日サンポールの原液に浸けて赤錆を取ったけど、サンポールではあまり効果がなかったので今回はこれで最終形とします。

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マクロレンズで撮った画像を見ると、いやになるほど根っこやゴミやドロが目に付き、がっかりするのと拡大画像に感動するのと半々の感情に襲われます。
今回は感動するほうが勝ったので記事にした次第。


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鉱物の箱庭 [鉱物 (新発田市・赤谷鉱山)]

5月14日、最初に場割沢のズリへ行った時、ある鉱石を土の中から見つけました。
その場所は正確に言うと場割沢ではなく、次に立ち寄った、近くのちょっとした崖の下の地面から掘り起こしたものです。
3/4が土に埋もれており、発見できたのは奇跡と言うしかありません。

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横幅約13cm、質量805g。
2日間サンポールの原液に浸け、さらに2日間酸を完全に抜いてから改めて隙間にこびりついている土などを掻き出し、やっと撮影にこぎつけました。
母岩は緑泥石でしょうか。
黄鉄鉱、黄銅鉱、石英(水晶)、閃亜鉛鉱が含まれています。
こないだスダチ沢の坑口を訪れた際、坑口付近の壁や地面に転がっている鉱石で、初めて黄鉄鉱の天然の自形結晶を見ました。
まさか、これほど早く自形結晶がたくさん付いたクラスターを入手できるとは。

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マクロレンズで、あちこち拡大撮影してみました。
水晶のポイントのように、単一鉱物の自形結晶もいいけど、複数の鉱物が共生・同居しているクラスターもいいものです。
すっかり虜になってしまいました。


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場割沢のズリへ [鉱物 (新発田市・赤谷鉱山)]

数日前に引き続き、2回めとなる赤谷鉱山場割沢鉱区のズリ場へ行ってきました。
前回も今回も諸々の事情で現地には約40分しかいられなかったのだけど、中身の濃い探索ができました。

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古写真を見ると草木一本生えていない大斜面なのだけど、現在は完全に自然に還っており、赤谷鉱山随一の産出量を誇った(場割沢鉱区が9割を占めていた)面影は表面上はありません。
とはいえ、GPS機器で記録した今回歩いた軌跡をチェックしてみると、標高差でわずか20m弱登っただけ。
270m地点で引き返したのだけど、場割沢の上部は標高500mあります。
やっぱり場割沢鉱区はとてつもなく広大なんです。

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途中、大きな壁かブロックが崩れているところを通過しました。
その脇に自然に出来たものか、壁が崩れたことで出来たものかはわかりませんがちょっとした穴が出来ており、隣接する斜面には、粘土(カオリナイトかモンモリロナイト)に埋もれて鉱石が多数顔を出しています。

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これはその粘土に覆われた斜面のほんの一部だけど、写した写真をピクセル等倍で見てみると、水晶のポイントらしいものも見られます。
今度ゆっくりここでホジホジしてみたいものです。
水が赤茶色に染まった場割沢を詰めていくと、ほどなく小滝を通過しますが、右手から何とか巻けました。
小滝の上へ出ると一気に沢筋に散乱している鉱石の”質”が上がり、種類も増えてきます。
結局ここだけで探索に30分を費やし、頭に思い描いていた鉱物もゲットすることができました。
といっても、ドロマイトの美晶にはお目にかからなかったけど(それらしい大きめの鉱石は転がっていたので、ハンマーで割れば或いは中から汚れのないドロマイトが姿を現した可能性はあります)。

東赤谷にあった本来のズリ山はとうの昔に撤去され、今は幾つかの広場にズリの名残が残っているだけ。
赤鉄鉱だったら今でもこの広場で拾うことができますが、採掘現場により近い斜面に行くと、比べ物にならないくらい鉱石の質と量は向上します。
ただし、かなり急な沢を登っていくので一般的ではありません。
といっても、お隣飯豊鉱山の坑口直前の、あの斜面の急峻さに比べたら天国ですけど。
沢靴は必要なく、スパイク付きの長靴なんかで十分。
繰り返しますが、場割沢鉱区は下部だけでも面積が非常に広く、一般的な知名度はないので人が入っている形跡もなく(ゴミは皆無でした)、ズリのポテンシャルの高さは特筆モノです。

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今回ゲットした石たち。
みんな7cm前後の小さな石ばかり。
しかし、赤鉄鉱と言えどこだわりをもって質感の高いものを拾ってきたのでとりあえず満足です。

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今お話しした赤鉄鉱。
鏡鉄鉱のシルバーと赤い部分が同居しており、イメージ通りの赤鉄鉱を見つけることができました。

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こちらは鏡鉄鉱。
かなり大粒の結晶が見られます。
方解石や石英も付いています。

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灰鉄輝石(ヘデンベルグ輝石)も多数見られました。
できれば水色~黄緑のヨハンセン輝石を見つけたかったですが、それは叶わず。
もっとも両者(灰鉄輝石とヨハンセン輝石)は連続体として出現することもあるので、ヨハンセン輝石に近いものはあったかもしれません。
写真のこれも比較的グリーンが入っている方だと思います。

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さっきの赤鉄鉱の反対側の面を写してみると、何やら黄褐色の部分が・・・
どうやら菱鉄鉱か苦灰石のよう。
貝殻のような菱面結晶が見られますが、図鑑で調べてみると上記の鉱物が候補に上がりました。

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黄銅鉱の中にはこのように虹のような色が付いているものがあります。
赤谷鉱山スダチ沢へ行ったときもレインボー黄銅鉱は見つけたけど、こちらの石はレインボー部分の面積が広い。
石英や亜鉛系鉱物、それに自然銅も見られます。
まだまだあるかもしれない。
もっと勉強しなければ。

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最後にコレ、謎の鉱物。
見つけたときは泥にまみれており、灰鉄輝石だろうと思いました。
しかしながら、帰宅後入念に水洗いすると思ったほど繊維質な質感はなく、焦げ茶色部分の透明度がかなりあることに驚きました。
煙水晶のようなガラス質の質感。

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実際、水晶のようにとんがっている部分があったので、拡大撮影してみました。
面の数から言うと水晶ではないようです。
もう少し図鑑で調べてみます。
(一応、灰鉄輝石ということにしておこう。)










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