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鉱物 (新発田市・赤谷鉱山) ブログトップ
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赤谷鉱山点描その4 [鉱物 (新発田市・赤谷鉱山)]

9月12日の記事で未知のホールを3つ発見したと書いたけど、唯一なんとか侵入できそうなホールを22日、探検してきました。

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それにしても、つくづく8月上旬の豪雨はすごかったんだなと思います。
至るところにその影響が現れており、この河原なんかも左右の斜面からなだれ込んできた大小の岩石で埋め尽くされていました。
すっかり景色が変わってしまった。
ひたすら身が引き締まります。

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しばらくは河原の転石を観察していました。
こちらの岩は結晶質石灰岩でしょうか。

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やや酸化していますが、赤谷鉱山の代名詞・赤鉄鉱の大きな石(幅1m近くある)。

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そして坑内へ。
このわずかな隙間から、空身になり這いつくばって入りました。

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う~ん、思ったほど大きなホールではありませんでした。
大中小と3つに分ければ、こちらは小ホール。

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それでも天井はかなり高く、白と茶色のコントラストが見事です。

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右奥の方にホールは伸びており、よく見るとこんな場所もありました。
この坑道も坑内図に載っていないもの。
どこに続いているのだろう。

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初生期のアラゴナイト。
この閉鎖された空間なら、人間に邪魔されることなく成長できることでしょう。
僕自身、この空間を訪れることは二度とないです。
一期一会の出会いに感謝。

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帰りに新たな神殿(に見えなくもない)を発見。
落葉が進んできたので、山奥の探索がしやすくなりました。


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赤谷鉱山点描その3 [鉱物 (新発田市・赤谷鉱山)]

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いよいよA鉱区の内部へ。

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これは胆礬か?

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ズラリと並ぶ鉱車。

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こちらは多分マラカイト。
今回探検したのは運搬坑道のみ。
それでもところどころ壁にはマラカイトが見られたし、白いフローストーンやケーブパールも一部見られました。

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入り口に近い壁面で見た神秘的な光景。
この白い糸、蜘蛛の巣ではありません。
なんだろう?
木の根っこのような気がします。
前回に行き続き、下山したら加治川治水ダムの従業員Wさんに遭遇。
飯豊の北股岳の話で盛り上がり、すっかり仲良くなりました。




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赤谷鉱山点描その2 [鉱物 (新発田市・赤谷鉱山)]

とうとう念願のA鉱区へ足を踏み入れました。

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最近雨は降っていないので、水はそれほど流れていないだろうと高をくくっていたけど甘かったです。
これではまるで沢歩き。
この石段のことを人道と言います。

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それでも上部1/3は水が全く流れていなかったです。

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この風景を見たくてここまで登ってきました。
緑の谷・赤い谷」というHPに、昭和30年代に撮られたと思われる写真が掲載されているのですが、それと同じアングルを探すのが夢でした。
赤丸で囲んだ部分が、今も残る袖上橋の橋桁。
ぼくが高校生の時はまだ橋が残っており、実際に一度だけですが渡ったことがあるのです。

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同じ場所から飯豊連峰の北股岳方面へカメラを向けてみました。
下に写っているのが加治川治水ダムのダムサイトです。






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未知の大ホール3個発見 [鉱物 (新発田市・赤谷鉱山)]

新潟県下越地方で広く災害をもたらした8月の豪雨は、山奥の鉱山にも影響をもたらしました。
今まで現実を直視するのが怖いのもあって行けていなかったけど、6月上旬の訪問以来久々の赤谷鉱山へ。
赤谷鉱山は大きくA・B・Cの3つの鉱区に分かれていますが、昨年から集中的に探検しているのはB鉱区。
ところどころ鉱山道は沢沿いの急な崖の上を縫うように伸びており、途中何箇所か細い沢を横断しますが、そういった小さな沢が土砂で埋まっていないかが心配。
結論から言うと、やはりというか鉱山道は無傷ではありませんでした。
ある場所では沢の両岸がえぐられており、鉱山道が部分的に消失していました。
他の場所では上流側から沢沿いに大量の土砂が押し寄せ、やはり鉱山道を崩落させていました。
後者では10mほど斜面を下ってそこからトラバースし、なんとか鉱山道に復帰できましたが、ヤブの深さが尋常ではなく、かなり参りました。

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ここがくだんの崩落箇所。
鉱山道は谷の、この写真でぎりぎり写っている部分を通過しているのですが、そこが崩落していたため、カメラを構えているこの場所まで降りてこなければなりませんでした。
それでも何とか現地までたどり着くことができ、ほっと一安心。

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この鉱区の坑道は7割がた歩きつくしているのですが、今回は残りの2~3割を歩いてみようと。
それら未踏破の坑道はいずれも常時冠水しており、今まで避けていたのです。
その筆頭がこのプールの部分で、腰のあたりまで潜るかなと思いきや思ったより浅く、端っこの方で50cmぐらいしか水深がありませんでした。
背後に未踏破の坑道が伸びており、昭和49年作成の坑内図を見ると、途中にホールがありそうなのです。

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その坑道は壁の大部分がドロマイトで覆われており、途中大きな平タガネが捨てられているのを発見。
かなり年季の入っていそうなタガネだったので、持ち主が来たのは最近ではないと思います。
20年以上前じゃないかなあと推測。
いくつか晶洞が開けられていました。

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ほどなく坑道の終点に来ました。
坑内図では途中に大きな採掘区があるはずですが、それはなかった。
思ったよりあっけなく坑道の終点に到達。

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その向こうには大ホールが待ち受けていました。
しかし、階層が違う。
これは一体?
あとで昭和36年作成の赤谷鉱山地質図~こちらは全ての階層を上から俯瞰して描いたもの~を見てみましたが、この部分には何もないのです。

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右側奥。
下を覗き込んでみますが、20~25mの深さがありそうです。
崖ぎりぎりまで歩を進めても、ホールの全容は見えません。
2本の鉄パイプが立っていますが、錆びまくっているのでこれを支点に懸垂下降することは不可能。
近くの別な支柱には太いロープが巻かれていたので、当時はここから下へ降りていたのでしょうか?
しかしこれだけの大きなホールなら、正規の出入り口が別にあるはず。

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左側奥。
改めて坑内図を見ても、この鉱区の全階層においてここにつながるような坑道は記載がないのです。
唯一可能性があるとすれば、最下層の280m坑の坑道でしょうか。

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その後は2~3本の未踏破坑道を歩きましたが、そこでまた新たな発見がありました。

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やはり膝までの深さの水で冠水している他の坑道を歩いていったら、この場所へ出たのです。
なるほど、そういうことか(独り言)。
坑口の向こうに地表の緑が拡がっています。

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近くに縦坑がありました。
下から見上げるように撮っています。
この階層の上には340m坑があるはずですが、位置的にも高度差の感覚的にもこの真上には340m坑があるのでしょう。
ちなみに340m坑の坑口はどうも崩落していると思われ、幻の坑道なのですが。


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既知の大ホールの最奥部のわずかな隙間から下を覗き込んでみると、そこにもかなり大きなホールがありました。
ここもかなり深さがあり、ひょっとすると最初の大ホールの左端に当たる可能性なきにしもあらず。

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そして、今回3つ目の未知の大ホールを見つけました。
写真の赤茶色の鍾乳石の向こうに大ホールが拡がっているのです。
ここも坑内図には記載のない謎の空間。
そこに至る坑道もこの付近には全く見当たらず、謎は深まるばかり。

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ある坑口の近くの斜面です。
右上の斜面のかなり上の方から豪快に崩落しています。
坑口が塞がれなかったのは不幸中の幸いと言えるでしょう。







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赤谷鉱山点描 [鉱物 (新発田市・赤谷鉱山)]

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赤谷鉱山の玄関口の図面です。
飯豊川にかかる吊り橋、ぼくが中学生の時はまだ渡れたんです。
次の写真は、つい最近写した”鉄選鉱場”の現在の姿。

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35mm換算29mmのレンズだと、全体が入りません。
かなり草茫々ですが、1ヶ月早ければ持倉鉱山の製錬所に比肩する神殿の全容が見えることと思います。
ぼく自身初めてこの建物を見ました。
橋のたもとから15分くらいしか歩いていないのに、こんな堂々たる建物が人知れず残っているとは・・・
ちゃんとここまでの踏み跡も残っていました。

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さらに近づいて、中央付近から見上げるように撮りました。
上の階層にはここからは行けません。
多分坑道を歩かないとアプローチできないと思います。
その坑道も今は閉鎖されているので入れません。

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こちらはいわゆる”人道”。
標高220mから370mまで上がることができます。
ぼくは標高差で30~40mほど上がったところで引き返しましたが、310mまでは確実に行けるようです。
そこから先は不明。
上の写真はそのUターン地点から撮ったものですが、このあたりから階段状に泥の堆積が激しくなり、スパイクアイゼンなどの滑り止めがないと危険と判断。
古写真を見ると一帯は禿山だったのですが、既に原始に還っています。
視界が利かないため、例の選鉱場の建物も全く視認できませんでした。

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こちらは石灰岩の大岩壁。
3年ぶりに訪れました。
場所はスダチ沢の支流、篭久保沢右岸。
中程にある洞窟に入ってみたいけど、ロッククライミングのエキスパートでないと無理です。

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今日は篭久保沢左岸に踏み跡が残っているのを発見、それを辿ってみました。
昔の地質図によると、このあたりから沢を離れ、斜坑から続く尾根へと伸びているはず。
途中その道は分岐し、翁平方面と場割沢篭久保坑口450m坑に通じています。
ここからかなり距離も標高差もあるので、それなりに気力体力が充実していないと無理。
今回は既にあちこちの探索を終え、体力が残っていないので、踏み跡を確認しただけで下山。
この人工的な堰へは3年前に一度沢ルートで来ましたが、鉱山道ルートだと本当にラク。
ただし、かなり灌木が地を這うように伸びているため、そこそこ体力は使いますが。

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スダチ沢と篭久保沢の分岐点付近の河原には、あちこちに黄鉄鉱や黄銅鉱の脈が走っている岩がゴロゴロしています。
この黄鉄鉱は幅2cmあるのですが、ハンマーでうまく切り出せば形の整った結晶が取り出せそう。

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色合いは自然銅なのですが、黄鉄鉱か黄銅鉱が酸化したものかも。
よくわかりません。

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これは黄銅鉱。
眼下には巨大な穴がぽっかりと口を開けていますので、落ちないように気を付けないと。

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赤谷鉱山は苦灰石(ドロマイト)でも知られています。
お隣の飯豊鉱山にもドロマイト地帯がありますが、こちらは茶色や黄褐色のものがほとんど。
よく探せばそこそこ大きな晶洞もあり、実際採掘した跡もありました。
これは地面に落ちていたものを拾ったもの。
なんだかんだ言って、河原の転石探しが一番楽しいかも。
坑道内の閉鎖的な空間より、外のオープンな空間で石探しする方がいろんな意味で気持ちいいです。




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赤谷鉱山琴沢坑口を探して [鉱物 (新発田市・赤谷鉱山)]

昭和52年(1977)にその長い歴史を閉じた赤谷鉱山。
場割沢・スダチ沢・水無沢の3つの鉱区に大別されます。
「赤谷鉱山付近の地質と銅鉱化作用」鈴木雄一~を読むと、昭和30年代後半から45年あたりにかけて、どのように探鉱の範囲を拡げていったかが詳しく書かれており、個人的にはとても面白く読めました。
大雑把に要約すると、東西方向に伸びる断層に沿って胚胎する鉱床群を昭和30年代後半から44~45年まで開発していった。
具体的には、東西鉱床、南押No.1~3鉱床、籠久保No.1~3鉱床、琴沢西鉱床などである。

いずれの鉱床も場割沢鉱区に属するものなのですが、場割沢鉱区は比較的標高の高い斜面にあり、主だった坑口は全て塞がれているため内部へ入ることは不可能。
しかしながら、根っからの悪ガキである当方としては探検意欲をこの上なく掻き立てられる対象であり、赤谷鉱山を代表する場割沢、スダチ沢、水無沢の各坑道に入るのが目下最大の夢だったりします。
つい最近、場割沢の西端、いわゆる琴沢西鉱床から東西鉱床への起点となったであろう琴沢坑口の位置を記した構内図を入手しました。
他の地質図や坑内図ではそこまで載せると大きくなりすぎるので、途中で琴沢坑口への坑道がカットされているのです。
そのため、地形図に照らし合わせるとどの辺に坑口が位置するのかがわからないでいましたが、これでかなり絞れてきました。

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坑口の標高は450m。
右側に、ここでは省略しましたが籠久保坑口を東端とする450m坑の全てが描かれており、明確な位置がわかっている籠久保坑口を基準に琴沢坑口の場所も類推できるのです。
とはいえ、この図は地形図と重ねて描かれてはいないので、それほどピンポイントでの把握は無理なのですが。

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25日の記録です。
黒い上下に伸びる破線は、俎倉山への登山道。
標高400m付近まで登山道を利用できるので、体力的に最も消耗せずアクセスできると考えたわけです。

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ところが一筋縄ではいきませんでした。
この写真は5月11日に写したもの。
最初にアタックしたこの日、歩き始めから15分で登山道はまず琴沢を横断します。
それから5分も歩かないうちに、前方に大きな雪渓が現れました。
1.5mほどの厚さがありました。
アイゼンの有無を問わず、これ以上進むのは無理と判断、ここで撤退。
5月25日に二度目のアタック。
この時はこの雪渓は完全に消失していました。
しかし、登山道を外れてからのヤブが深い・・・

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視界が全然効かなくて、GPS機器を持っていなかったらたちまち迷子になるでしょう。
目的の沢にやっと出て、そこからようやく目印の大岩壁が見えてきました。
琴沢坑口は琴沢西鉱床や東西鉱床の玄関口だったと思われ、昭和40年代前半まで稼働していたはずだから坑口はそれなりに大きいと予測。
それなら見つけやすいと思ったのですが、甘かった。
これでは10m以内に接近しないと、坑口はわからないかもしれません。

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そして、枝沢に入るとまたもや分厚い雪渓が行く手を塞ぎました。
帰宅後GPSのログを見てみると、一番南の沢は440mあたりで引き返しているのですが、がんばってあと10m登ればよかったなあと深く後悔。
なぜなら、このあたりが最も怪しいと感じるからです。

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今回訪れた沢は3本全てチャートが主体。
先に掲げた文献通りです。
部分的に珪化が進んでいるところもあり、それはそれでワクワクしましたが、スダチ沢で見られるような鏡鉄鉱、赤鉄鉱、黄鉄鉱化した岩盤などは全く見られませんでした。
俎倉山の登山口にあたる琴沢駐車場までは例年4月29日前までに開通するので、それから速攻で出かければもっと視界が利くと思いたいところなのですが、いかんせん琴沢を登山道が最初に横断するところの雪渓が、今年のようにかなりの大雪だった年はGW中は巨大なスノーブリッジとして残るため、通過は困難かと。
となると、落葉した頃の晩秋がいいのかもしれません。
ということで、次回の探索は11月。




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赤谷鉱山場割沢鉱区380m坑口 [鉱物 (新発田市・赤谷鉱山)]

3度めの正直で、ようやく380m坑口を発見することができました。

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この古い地図ではかすれていてよく判別できないけど、この判別しにくい点線のルートが唯一この坑口へ登攀可能なそれでした。
要は、このルートは周辺の急斜面で最も斜度のゆるい部分を縫うように登っているのです。
なぜこの坑口を何度も探し求めたかというと、赤谷鉱山で最大規模を誇った場割沢鉱区の地底世界へアクセス可能なルートである可能性があったからなのです。
場割沢の北斜面は斜度が急過ぎて、人道以外は歩けないし、そうすると選択肢はごくごく限られてしまうのです。

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坑口付近にあった鉄索の残骸。
今でもスダチ沢の上空には左右の谷を結ぶワイヤーが2本、ピンと張られているのが見えます。
その起点がここ380m坑であり、反対側の起点は320m坑です。

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穴があるっぽい地形はあちこちに見られるのですが、どこも空振りに終わり、あきらめて下山しようかなと思い始めたたその時、支保工らしき物体が目に入りました。
近寄ってみると、半ば埋もれていますが、ここが坑口でした。
実際の標高ですが、ぼくのGPS機器は389mを示しました。

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腕を精一杯伸ばして、内部を撮影してみました。
見事に土砂で埋まっています。
残念。

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周辺の風景その1

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周辺の風景その2

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周辺の風景その3

この辺りの岩は、細脈ながらも結構石英脈が付いていたりしたのですが、右端のピンク色の部分をピクセル等倍で見てびっくりしました。
現地では全然気づかなかったのですが、全体がローズクォーツ的玉髄っぽい。
決して単なるカリ長石ではないと思う。
でも、再びあの急斜面を登る気にはならず、この謎は迷宮入りしそうです。
ちなみに、この坑口から翁平方面に続く作業道が残っているかどうか調べたのですが、部分的にこれかな?と思う踏み跡は無きにしもあらずでしたが、基本的には既にどこもかしこも草薮と灌木に覆われており、トレースは不可能と感じました。





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3つめの大ホール [鉱物 (新発田市・赤谷鉱山)]

赤谷鉱山某鉱区の坑道内で、3つめの大ホールを見つけました。
多分これ以上はないものと思われます。
とりあえず、この鉱区の坑道探査に関してはこれで一区切り。

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坑道内のある風景。

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上の機械の周辺の壁は苦灰石で構成されていました。
結構あちこちに苦灰石地帯があります。

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ピントが後ピンになっているのが悲しいですが、今回初めて水晶を発見しました。
場所はこの苦灰石地帯の一角。
今井直哉氏の論文だったと思うのですが、赤谷鉱山のぼくが今回探索した坑道内は変質スカルンが多く、石英がほとんど見られないとのこと。
確かに石英は全くといいほど今まで見ておりません。
飯豊川沿いの岩場では、小さいですが自形の水晶があちこちで見られますし、もう少し地底世界でも見られると面白いのですが。

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そして遭遇した3つめの大ホール。
厳密に言うと大ではなく中ホールですが。
このホールがユニークなのは、底部へと斜面を降りていくのがとてもラクなこと。
斜度もそうですし、何より石が崩れないのがラクな要因。
このホールは白の洞窟とでも名付けないほどあちこちが白い鍾乳石もしくはアラゴナイトの薄膜で覆われており、それらの液体が多少なりとも流れているところは石と石が密着し、剥がれないのです。

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天井の一部分。
どこを切り取ってもため息しか出ません。

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こんな感じの白壁があちこちに。
残念ながら水色の壁はなかったですが、これはこれで美しいものです。
自然の造形に乾杯!

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対岸に見えていたココの真下へ来てみました。
水がコンコンと流れています。
この坑道はどこへ通じているのか、皆目検討がつきません。

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ここから来た道を振り返ってみました。
正面上の四角い空間が、ぼくが歩いてきた坑道。
今まで訪れた3つのホールの中では、ここが最も心が落ち着く、静寂感に浸れる空間でした。


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赤谷鉱山水無沢鉱区へ [鉱物 (新発田市・赤谷鉱山)]

結果から言うと、核心部にはたどり着けませんでした。
水無沢を歩くのはこれで3回目。
前回は篭久保沢との合流点を過ぎ、取水口のちょっと先、右岸に出てくる360m坑のあたりまで来ました。
ホーバー峰へ続く尾根の標高450~490m付近に坑道の多くが掘られているのですが、この尾根は非常に急斜面でヤブの状態も悪く、旧道もほぼ消失しているので上部の坑口へたどり着くのは不可能。
可能性のあるのは水無沢を標高400~420m付近まで遡行し、右岸に控えているはずの坑口を見つけることです。


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この辺からスダチ沢は水無沢と名を変えます。
旧道は超絶なヤブと化しているので、沢通しに歩くのが一番ラクです。

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360m坑。
完全にふさがっています。

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ここを過ぎた辺りから徐々に落差が大きくなり、巨岩が次から次へと現れてきます。

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詳細な地質図を見ると水無沢鉱区のかなり奥の方まで左岸に踏み跡があるはずなのですが、一応その痕跡は認められます。
例えば上の写真ですが、右端の真ん中あたりから左端の上の方まで斜めに踏み跡らしき地形が認められるかと思います。
しかしながら山肌が削られており、道の痕跡はほとんど消えています。
また、旧道下の斜面はどこも急であり、草付きの滑りやすい地面。
しっかりした灌木もまばらにしか生えておらず、旧道をトレースするのは早々にあきらめました。

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順調に行くかに思えたのですが、385m地点でとうとう通らずの小滝に遭遇。
太ももまで濡れる覚悟があればなんとか通過できそうなのですが、この日は沢靴ではなく登山靴だし、下半身を濡らしたくありません。
なのでここで撤退。
帰宅後、そういえば四方沢の旅の長島氏が大スダチ沢を登って水無沢を下降に使っていた記録を見た覚えがあるので、この滝が出てこないか読み返してみました。
すると、写真は載せていないものの、次のように説明がなされていました。
「・・・425mで左岸から枝沢を併せて、少し下るとようやく次の滝が出てくる。5m滝は右岸の小尾根上のリッジを下降し、次の倒木が詰まったゴーロの落ち込みのようなところは倒木を利用する。」
ここでいう倒木は右側に見えているそれではなく、死角になっていてわからないのですが、左側の落ち込みを塞ぐような形で横たわっている倒木を指すものと思われます。
まあ、ここさえクリアすれば問題なく、少なくとも標高425mまでは行けるはずなので、来年春にでもまたトライしようと思います。

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さて、ここで左側に縦長の坑口を見つけてしまいました。
地質図には載っていない坑口です。
中へ入ってみます。

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6mくらい先で崩落していました。
壁の岩は全部石灰岩。
ところどころ鍾乳石化している部分もありました。

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水無沢では、河原の転石だけでも結構いろいろな鉱物を見ることができます。
結晶質石灰岩、赤鉄鉱、鏡鉄鉱、黄鉄鉱、苦灰石、石英・・・etc
上の写真の黄鉄鉱は、沢に面した岩場に露出していたもの。
かなり後半に脈が出ており、うっすらと紫がかった石英脈も混じっていたり。
この日は荷物の軽量化を図るため、沢歩き優先のスケジュールにしていたため、ハンマーやバールは持ってきていませんでした。
実際、転石を割って紫水晶を見つけた人もいるし、そもそも水無沢鉱区は赤谷鉱山の中では最も新鮮なスカルンが生じているエリアなので、転石専門に鉱物ハンティングするのも面白そうです。






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赤谷鉱山の大ホール [鉱物 (新発田市・赤谷鉱山)]

今年、何回か足を運んでいる赤谷鉱山某鉱区の坑道内で、新たな大ホールを発見しました。

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外付けのストロボを忘れたので、懐中電灯をライト代わりにして撮影。
これはフォトショで2枚をつなぎ合わせた画像。
ここは何かのパイプだかレールだかが多数置かれているようです。
右側に天井の高い大空間が拡がっており、ぼくが最初に見つけた大ホールよりトータル面積ではこちらが勝ると思われます。
なにせ3つの小山を乗り越えるとその奥の別な空間につながっており、その端っこまで探索した帰り、道に迷ってしまったほど。
完全に方向感覚を失いました。
なんとかスタート地点に復帰できましたが、冷や汗をかきました。

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この大広間に至る途中の坑道。
この辺りから周辺の地質は苦灰石主体に変わりました。

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途中の壁面にあった、苦灰石の晶洞。
飯豊鉱山の、純白の苦灰石だけに覆われている枝坑道のそれと違い、表面の色はこんな感じが主体。
でも、割ると中から白みの強い結晶が現れます。

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大ホールの風景その1。

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大ホールの風景その2。
似たような景色が連続し、別な大広間と部分だけを抜き取ったらどっちがどっちかわからないとおもいます。
この大ホールでも白や水色のフローストーンが見られますが、少数派でした。


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鍾乳石系以外の鉱物では、苦灰石、黄銅鉱、黄鉄鉱が目立ちました。
上の写真には3者が揃い踏みしています。

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これは一見ソフトそうな質感ですが、硬かったです。
どんな成分が含まれているのかわかりませんが、黒と黄色、一部茶色がミックスした鉱物は珍しいと思います。
これぞ大自然の造形。

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生まれたての、ブルーアラゴナイトの赤ちゃん。
もう少し厚みのあるものもありましたが、せいぜい5mm止まり。
見るだけに留めます。

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赤みの強いピンクのフローストーンは初めて見ました。
1000年後、どんな結晶に成長しているのだろう。

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幾つかの谷を乗り越え山を乗り越え、大ホールの最奥部の中広間?へ到達。
この間何本もの坑道が上の方、下の方と様々なレベルで交差しています。
2~3本それらへ入ってみたけど、すぐ崩落のため行き止まりになっている坑道ばかりでした。
あと、竪坑も多かったです。
数えていないけど、4つくらいはあったと思います。

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そして偶然見つけた展望テラス(笑)。
まさかここに出るとは。驚きました。
ということは・・・この大ホール、やっぱりとてつもなく広い。
下に見えているかまぼこ型のドームは、2枚めの写真の坑道です。
この下は崖なので降りられません。

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今回はこの大広間だけ探索して帰途へ。
しかし、頭上に鉄索のワイヤーが沢を挟んでピンと張ったまま伸びているのを発見。
するとその起点を確かめたくなり、ワイヤーを眼で追いながら密ヤブに覆われた急斜面をよじ登りました。
斜度はどんどん増していき、身の危険を感じたので途中で撤退しましたが。
この日は詳しい地質図を家に置き忘れてきたので、単純にワイヤーを視界に入れながらやみくもに斜面を登ったけど、残っているかどうかは別として、この鉄索の起点~そこには380m坑が控えているはず~に至る踏み跡があったのです。
その旧道は篭久保沢との出会いから翁平へと続いており、途中380m坑へと分岐しているのでした。
380m坑は場割沢鉱区へアプローチできる、非常に貴重な坑口。
当然封鎖はされていると思うけど、いろいろ妄想は膨らんでいきます。




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