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2024年葡萄鉱山の今 (1) [鉱物 (村上市・葡萄鉱山)]

葡萄鉱山発見・稼行の最も古い記録として伝わるものは、近隣の神社の文書だそうです。
それによると、嵯峨天皇(平安時代初期)の頃に白銀を採掘したと言います。
江戸時代に入ると村上藩が稼行し、中小屋附近で銀や鉛を採掘したと伝えられていますが、次第に衰微し、いつしか休山しました。
明治40年に長岡市の呉服商・長谷川久太が事業を再開、大正6年に㈱葡萄鉱山設立。
その後幾つかの変遷を経て、昭和30年㈱朝日鉱山が買収。
昭和35年に㈱白銀鉱業(のちの東邦亜鉛株式会社)が買収、昭和41年3月閉山。
2~3月にかけて計3回調査し、だいぶデータが揃ってきたので公開することにしました。

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選鉱場跡です。
ネットで散見される選鉱場の写真と比べると、灌木がさらに密に生い茂っているのがおわかりになるかと思います。
夏場になると完全に木々に覆われてしまい、建物を視認することはほぼ不可能になります。

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こちらは事務所跡。
思ったより大きく、阿賀町持倉鉱山の事務所跡遺構と同じ面積があるかもしれません。

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同じく、事務所跡で見かけた遺物?
このバイクに乗って通勤していたんでしょうね。
個人的には有形文化財に指定したいです。

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選鉱場1階部分。

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大きな貯水槽まで残っていました。

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こちらの坑口は本坑口。
文字が完全に風化しており、判読できなくなりました。

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昭和31年撮影の、在りし日の選鉱場。
シリーズはあと2回くらい続くと思います。

※葡萄鉱山の鉱物
①鉱石鉱物:閃亜鉛鉱、方鉛鉱を主とし、少量の黄銅鉱、黄鉄鉱を伴う。
②脈石鉱物:主なものは方解石、鉄苦灰石、苦灰石で、少量の石英を伴う。
晶洞にはときに重晶石や石膏が認められる。

※クレーストーン博士の館(胎内市)へ行くと、葡萄鉱山産の立派な閃亜鉛鉱を見ることができます。
犬牙状方解石と共生しており、一見の価値あり。









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