坑口という名の芸術・草倉銅山滑滝鉱区 (3)

奥ヒを採掘していたのが、ここ冠一番坑。
滑滝鉱区の坑口群では、この坑口が最も大きく、風格がありました。



坑口入口。
何もかも迫力満点。



途中から立坑に近い斜坑となっており、すぐ行き止まりになりました。



入ってすぐ坑道は二手に分かれるのですが、右の坑道を進むと今度は立坑の真下に出ます。
これは上を見上げて撮っています。
と、この風景を見た時ぴ～んと来ました。
草倉銅山滑滝坑のパイオニアであるM君がブログに次のように書いています。
「・・・当時の道を通らずに尾根道をまったりと歩いて獣道を強引に降りたら、危うく竪坑？に落ちる所でした。剣呑。奥ヒの延長かな？資料の地図と違う・・・予定地点よりかなり手前にあったので驚愕。」
そうです、確かにここは奥ヒの延長。
彼が落ちそうになったのはこの真上の辺りだったのでしょう。



冠一番坑のすぐ左側にも坑口がありました。
水平坑道でしたが、15mくらいまでしか掘っていませんでした。



不動沢の河原に目をやると、右岸の下の方にも坑口が・・・
これは疎水坑道かな？



その上の斜面。
前ヒや滑滝本口をはじめとする多くの坑口があちこちに開口しています。



鉱山道がどこまで伸びているか、確かめました。
滑滝を過ぎ、30mくらい進んだところで途切れていました。
別に橋がかかっていたわけではなく、元々こういう地形だったと思います。
沢を渡るとすぐ左岸に鉱山道は移り、その先は山神堂エリアを経て通洞坑まで続いているのです。
やる気と体力さえあれば、滑滝から草倉本坑エリアぐまでぐるりと一周することも可能。
ただし本当にヤブが非常にうるさい区間があるので、早春と晩秋限定ですが。