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持倉沢で蛍石を発見! [鉱物 (阿賀町・持倉鉱山)]

29日、まだ行けるはずと(こないだ降った雪はここ2日間で溶けただろうと予想)、持倉鉱山事務所跡より上流へ再度チャレンジしてきました。
ただし、前回行きそびれた最終堰堤から上流を目指すのではなく、今回は事務所跡から200m先で出合うマンダロク沢を途中まで歩いてみるのが優先事項。

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前回はスルーした、対岸にある精錬所跡をまず見学してきました。
中へは入らなかったけど、川を渡渉して周囲をぐるりと一周。
このまま自然に還すのはもったいない遺構です。
この日、林道終点には車一台とバイクが一台。
バイクのお兄さんはすぐ入れ違いで帰っていったけど、車の人~女性~はぼくの前100mを歩いていました。
よくこんな時期に一人で来るなと感心。
やはり持倉鉱山事務所跡の見学が目的だったらしく、カメラ片手に写真を撮りまくっていました。

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対岸から見る鉱山の事務所跡の建物も絶品です。
みなさんが魅せられるのもわかりますね。
最近10年で一部のアーチが崩落したり、少しずつ自然に還りつつあるようです。
繰り返しますが、この遺構は非常に貴重だと思います。
後世に残したいですね。

さて、マンダロク沢は出合いから堰堤が3つ連続しています。
一つ目は右岸から、二つ目と三つ目は左岸から巻けます。
でも、一番神経を使ったのはマンダロク沢への入り口でした。
一応対岸にピンクのテープが枝にぶら下がっており、そこが目印。
しかし河岸段丘が一段高くなっていて、取り付きに苦労します。
ぼくは5m下手から這い上がりましたが、なにげにいやらしかったです。

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3つ目の堰堤を過ぎると、こんな感じの渓相が続きます。
新潟峡彩山岳会の方が作ったマンダロク沢の遡行図によると、最終堰堤の先に二つ小滝があり、そこを過ぎると長いゴロタ石の河原に出るはず。
そのゴロタ石の河原で蛍石探しをするつもりだったのですが、五十母川本流(持倉沢)の河原と違って、あまり石灰岩を見かけません。ましてや結晶質石灰岩や方解石は皆無。
黒っぽい、硬そうな岩が続きます。
なんか蛍石の気配が感じられない。
マンダロク沢沿いに坑口があるわけではないのですが、地質関係の専門的な資料によると、蛍石はこの辺の山中一帯に広く分布するとのこと。
五十島鉱山は持倉沢の左岸にあったらしいですし、同じ左岸に出合うマンダロク沢にも可能性はあるわけで。
それで遡行してみようと思い立った次第。
水温はさすがにこないだより低く、かなり堪えました。
そして、遡行図記載の二つ目の滝と思わしき場所でUターン。
そこを通過するには太ももまで水に浸かる必要があったのですが、膝から上は濡らしたくなかったので(体力消耗しますから)すぐに撤収を決めた次第。
その先には開放的な地形が現れるとは思うのですが、それはまたいつかのお楽しみということで。
15分後、本流との出合いまで戻ると、河岸段丘上の旧道は歩かず、できるだけ沢通しで上流を目指しました。
前回とは違い、石捜しをしながらゆっくりと。


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結局、事務所跡から数えて4つめ(多分)の堰堤まで行き、そこでUターン。
折り返し地点でどっかと腰を下ろし、しばしティーブレイク。
やはり本流は結晶質石灰岩が多いです。
こないだもそうだったけど、今回もとてもきれいな石を幾つも見つけました。
今回はUVライトを忘れずに持ってきたので、怪しいなと思う石があったらライトを照射してみましたが、そもそも怪しいと思う石がなかなか見つからなかったので、あまり使わなかったけど。
結晶質石灰岩に当てても、たまにピンク色に蛍光するだけで(そういうのは方解石ですね)、なかなかバーンと青く光る石にはお目にかかれません。
やはり最終堰堤から先へ行かないと難しいのかなと夢想しながら立ち上がり、帰途へつきました。
ほんの4~5m進んだその時です。
急に胸騒ぎがしてきて、足元の黒っぽい縞々の石に目が釘付けになりました。

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それがこの石。
実は地上に顔を出していたのは1/3ほどで、あとは地面に埋もれていました。
それを5分くらいかけて掘り出したあとに撮ったのがこの写真。
UVライトを当ててみたら、なんと青く蛍光したのです。
それも強蛍光。
横幅30センチはろうかという大きな石で、蛍石の部分の面積は小さいものの、石の四方八方に脈が出ています。

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片手でUVライトを持ちながら、なんとか蛍光写真を手持ちで撮ってみました。
新潟大学サイエンスミュージアムに展示されている五十島鉱山産の原石で縞々模様のそれがありますが(その原石が一番大きい)、あれと似たような模様が上の原石全体を撮った写真でいうと右端と左下に付いており、そこに蛍石の結晶が付いていたのです。
拾って持ち帰り、家で重さを量ってみたら5.5kgありました。
見てくれは美しくない石ですが、自分にとっては念願の、独力で見つけた初蛍石であり、一生の記念になる石です。

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帰りに、違う角度から精錬所跡をパチリ。
かくして初冬の夕暮れは静かに過ぎていくのでした。


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