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哀愁の赤谷鉱山 (1) [鉱物 (新発田市・赤谷鉱山)]

新発田市東赤谷にあった赤谷鉱山の発見は、江戸時代の天明年間にさかのぼります。
明治時代に大手資本が参入することにより鉱山は活況を呈し、大正14年には鉱石運搬のための鉄道が赤谷駅まで敷設されました。
昭和14年、日鉄鉱業が経営するところとなり、戦時中は赤鉄鉱や銅鉱を年間10万トンも掘ったということです。
その頃、働いていた鉱夫の数は4~500人。
隣接する飯豊鉱山の存在もあり、昭和16年には赤谷線が東赤谷駅まで延びました。
昭和52年、採算が合わなくなったため日鉄赤谷鉱山は閉山。
赤谷線も昭和59年に廃線となりました。
以上が大雑把な赤谷鉱山の歴史です。

ぼくは赤谷線に乗った記憶があり、10代後半から30代前半まで、何度も東赤谷から上流の加治川でイワナ釣りをしたことがあります。
飯豊橋からスダチ沢の合流点までの河原にも、ザイルを使って懸垂下降し、大イワナを狙ったり。
赤谷鉱山の鉱床は、場割沢、スダチ沢、水無沢が主なもので、他にも源兵衛野巣、翁平の鉱床があります(最後の2つの鉱床の場所はわかりません)。
昨年から鉱物や鉱山に興味を持つようになり、片っ端から下越地方の鉱山へ出かけていますが、そんなわけで地元の赤谷鉱山には深い思入れがありました。
GWに突入し、先日琴沢橋のゲートがオープン。
加治川治水ダムまで通行可能になったので、4月30日いざ赤谷鉱山へ!

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赤谷鉱山は貴重な産業遺構だと思うんですけど、新発田市はそれをある程度後世に残そうとする意思は全くないようなので、ここ1年の間に収集した資料と、今回踏査した結果を踏まえて地図をこしらえてみました。
(2022/08/18追記:各鉱床の範囲はかなり間違っていることがわかったので、哀愁の赤谷鉱山(3)の冒頭に正しい地質図を改めてアップしました。そちらも併せて御覧下さい。)
鉱物マニアの間では、パイライトの巨晶が採れることで有名な飯豊鉱山が尾根一つ隔てて隣接しており、飯豊鉱山側を含めて旧道を記しました。
旧道に関してはスダチ沢沿いのそれを歩いただけで、それ以外の旧道は全く歩いたことがありません。
おそらく現在は影も形もなくなっていると思われますが、個人的にどこに旧道があったのかは興味があるのでそれも記してみた次第。

A地点に車を停め(2~3台駐車可)、歩きはじめます。
いきなり二手に踏み跡が分かれており、どちらへ進むべきか迷いますが、左手の方に進みます。
帰りに右手の方も歩いてみましたが、下草は低いものの棘のある枝があちこちで道を塞ぐように茂っており、うっとうしいです。
この道もB地点で途切れます。
場割沢鉱区の選鉱場があった地点がここです。
Aから左手の踏み跡を辿っていくと、すぐに石垣の遺構が現れます。

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鉱山の本拠地に突入したんだなという実感が湧いてきます。
そしてほどなく、長い石段が右手に現れます。

IMG_2409.JPG

この石段を上っていくと、Aから右手の踏み跡と選鉱場前で合流します。
その先にも石段はひたすら伸びており、傾斜もさらに増し、本能的にそこから先へ進むのはやばいなと感じます。

IMG_2547.JPG

これが上に続く石段の写真。
左手はテラス状の地形となっており、そこに選鉱場が建っていたのでしょう。
次のリンクは場割沢鉱区の古写真です。
この長い石段は、おそらく676段あったという人道だと思います。

https://yabukarasu.blog.fc2.com/blog-entry-251.html
https://yabukarasu.blog.fc2.com/blog-entry-17.html

この石段の入り口(B)付近がちょっとしたズリとなっており、赤谷鉱山の代名詞である赤鉄鉱や鏡鉄鉱をいくらでも拾うことができます。

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鉄鉱石は重いので、写真を撮っただけですが。

IMG_2417.JPG

袖上橋の遺構です。
ぼくが高校生の時は、まだこれより手前の吊橋(猿橋)と共にまだ渡ることができたんです。
橋の袂には貯鉱槽があったようです。

IMG_2422.JPG

多分、これかな?
この先、スダチ沢と加治川治水ダム直下まで続く踏み跡との分岐点はわかりにくいの注意が必要。
あと1ヶ月もするとヤブに埋もれることでしょう。
スダチ沢沿いの踏み跡は最初は明瞭ですが、堰堤を過ぎるとかなり不明瞭になります。
そして、地図でいうC地点で小沢を横断するのですが、そこで路肩が崩れており、踏み跡が消えます。
行きは沢へ下っていく方のルートを選択しましたが、ここは右手へと登っていくのが正当です。
詳しくは後日書きます。
さて、Cから沢の方へゆるやかに降りていったのですが、こちらにもかすかな道の痕跡がありました。
そして、スダチ沢をはさんで対岸に巨大な坑口が見えてきました。
これは他の人のブログで見ていたので知っていましたが、間近で見るそれは大迫力。

IMG_2429.JPG

ただ、ひたすらヤブが生い茂っており、坑口の全容を見ることはできませんでした。
中央下の赤茶色の部分は4~5mの高さの滝となっています。
ここから踏み跡を30~50mも進むとそこから河原へなんとか降りられそうだったのですが、この赤滝を直登するのは無理そうだったし、坑口まで行けるルートがあるのかどうかは未確認です。



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