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菅谷鉱山発見! [鉱物 (新発田市・菅谷鉱山)]

地質Naviというサイトで、全国の地質図を見ることができるというのは先日書いたけど、地質図は地形図がそうであるように年代に応じて様々なバージョンが有り、バージョンによっては収録されていない鉱山もあります。
3年前、初めて胎内市のクレーストーン博士の館を訪れた時、壁に貼ってある巨大な地質図に感動してしまい、持っていたデジカメで(許可を得た上で)模写したことがあります。
新発田の千石鉱山の場所はその図に記載のマーク(地図には鉱山名は明記されていない)が千石鉱山ではないかと思い、場所を分析した上で(クレーストーン博士の館にある地質図は20万分の1)、なんとか探り当てたのでした。
ところが、現在地質Naviで見ることができる地質図には、千石鉱山のあるべき位置にマークは何も記載されていません。
逆に、高知山鉱山はネットの地質図には記載があるけど、クレーストーン博士の館の地質図には記載がありません。
さて、新発田市にはもう一つ菅谷鉱山があったようです。
文献には何も出てこないし、クレーストーン博士の館にある地質図にも記載はないのだけど、なぜかネット版のそれには載っているのです。
採っていた鉱物はマンガン。
マンガンと言えば、お隣胎内市にも胎内川沿いの山奥に竹豊胎内鉱山と下川鉱山でもマンガンを採掘していたようです。
小さな鉱山でマンガンを採っていた鉱山は村上市や阿賀町にかなりあり、密かに目を付けている鉱山もあったりします。
例えば、菱マンガン鉱(=インカローズ)が採掘されていた、阿賀町のA鉱山やB鉱山・・・
菅谷にあったらしいマンガン鉱山でも、ひょっとしたら菱マンガン鉱が採れていたかも、という夢想と期待を抱き、多分ここであろうという場所へ行ってきました。

IMG_9666.jpg

猛烈な笹薮が行く手を阻み、一時はやめようかなと思いましたが、距離的にはそれほど歩かなくてもすむはずなので、頑張って藪こぎしながら沢沿いを登っていきます。
途中で左岸から右岸へと沢を渡るのですが、沢の転石を見て鉱山に近づいているという確信が芽生えました。
マンガン重石っぽい石が多いのです。
沢が二手に分かれるところでどっちへ進むべきか迷いましたが、黒い石と石英が目立つ方の沢を選択。
しばらくすると感動の瞬間が訪れました。
坑口が左手に現れました!
地形的に上の方にも坑口があると感じたので、尾根を少し登って2つの坑口を見渡せる位置から写真を撮りました。
やっぱり、もう1個小さめの坑口があるようです。

IMG_9648.jpg

これが下の方の坑口。

IMG_9653.jpg

入り口の壁を見ると、石英が結構目立ちます。
マンガン系の鉱石は石英と共生することが多いことをあとで知りました。

IMG_9651.jpg

入口入ってすぐの坑道。
ズリ石が散らばっています。
それほど鉱山が閉鎖されてから年月が経っていないのでしょうか、泥や落ち葉の堆積があまりなく、生々しいです。

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坑道のどん詰まり。
坑道と言っても、奥行きは5~6mしかありませんが。
よく見ると、天井の壁にも石英が見られます。
自形結晶の水晶がないか、ちょっとだけ探しましたが、さすがにそれはなかった。
しかし、ここの石英、青っぽい色をしているものがあるのです。

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IMG_9665.jpg

僅かですが透明感もあり、石英単体としても見るべき価値のある石が転がっています。
一応、菱マンガン鉱はない模様。
あと、黄鉄鉱、白雲母などが見られました。

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こちらは、上の坑口内部。
奥行き2mもありません。
鉱物的には下の坑口のそれと同一でした。

IMG_9674-(2).jpg

いかにもマンガン鉱石といった風情のこの石を持ち帰りました。
マンガン鉱石共通の特徴として比重が重いというのがありますが、この石もずっしりきます。

IMG_9683.jpg

IMG_9685.jpg

拡大してみると、白雲母がかなりあることに気付かされます。
細粒の黄鉄鉱も混じっていると思います。

IMG_9699.jpg

縞々の部分が青白く蛍光。
もう1個、石英の小石も持ち帰ったのですが、こちらは蛍光しませんでした。
ひょっとしたら、マンガンの影響でピンクに蛍光するかなと思ったのですが。
新発田の近郊にこんな鉱山が眠っているなんて。
櫛形山脈は奥が深い。
侮れません。







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