SSブログ

大沢鉱山水没坑道の奥へ [鉱物 (村上市・大沢鉱山)]

慶長二年(1597)から正保二年(1645)の間に開坑されたと言われる大沢鉱山。
坑口は柴倉山の北斜面に分布しているけど、日本金山誌における同鉱山の位置を示す地図だと場所が西へかなりズレて表示されているのです。
(地質NAVIにおける地質図に鉱床を表記させてみると、もっと誤差が多くなる。大沢鉱山は川を挟んで対岸に表示されるのだから。元地図が20万分の1なのでしょうがないけど。)
日本金山誌の地図はいい加減なものが多いのですが、念のためその辺りの斜面も探索すべく、11日現地へ向かいました。

IMG_2659.jpg

前回廃林道脇で見つけた標柱によると、この林道の全長は4.6kmなのですが、起点と終点は明記されていないので不明。
今回最初に探索した、柴倉山山頂から直線距離で西北630~650mの斜面の取り付きにも、その古い林道が山肌を縫うように標高150m付近の斜面に伸びていたのです。
途中崩落したり、ヤブが濃かったりであと10年もしたら歩けなくなりそうな雰囲気でしたが、その林道から明神川支流に入り、急斜面を詰めたところで見つけた地形です。
落ち葉に埋もれていますが、落ち葉の下には残雪が埋もれています。
巨大な雪渓。
ちょうどこの辺りが日本金山誌で丸印が付けられた辺りだし、雰囲気的にも真正面の岩壁下部には雪渓の下に坑口が埋もれていそう。
こっち方面の斜面の探索はこれで切り上げ、次は前回見つけた大きな坑口より西側の斜面の探索に向かいました。

IMG_2671.jpg

等高線の間隔が緩やかな斜面に来ると、いろいろらしい地形が現れ始めます。
この窪地は明らかに人工地形。
赤茶色のレンガらしきものも見られます。

IMG_2677.jpg

その近くでかなり大きな石垣発見。

IMG_2678.jpg

石垣の左側の風景です。
おそらく坑口が埋没しているものと思われますが、定かではありません。
ここから標高240~250mの辺りをトラバースしながら、前回見つけた大きな坑口へと向かいました。
くだんの坑口のさらに上部、標高285mまで登りましたが、2箇所ほど埋もれてしまったのかもしれない坑口(確信は持てない)を見つけただけで、新たな発見はありませんでした。

IMG_2690.jpg

この日のもう一つの目標は、冠水している2本の坑道を奥まで歩いてみること。
坑口を入ってすぐ、坑道は3方向に分岐しており、中央の坑道と右側の坑道が途中から水没というと大袈裟だけど冠水しているので、そこを突っ切っていく予定。

IMG_2693.jpg

まずは中央の坑道へ。
水深はそれほど深くはなく、最大で15cmくらいだったでしょうか。
また、水量そのものも前回来たときよりわずかに減っていたように思います。

IMG_2695.jpg

全長は40mくらいでしょうか。
最奥部手前のカーブに坑木が何本か散乱していました。

IMG_2696.jpg
そして終点。
方角的にはこの先に左側の坑道が出会うはずで、ひょっとしたら本来はつながっていた可能性もあります。

IMG_2704.jpg

いったん入り口まで戻り、次は左側の坑道を進みます。
こちらは最大水深23~25cmありました。
しかし冠水している箇所はここまでで、この先は普通に歩けました。

IMG_2701.jpg

途中から左にカーブし、やがて終点。
黒いつぶつぶはコウモリの糞です。
全長約50m。
センターの坑道もそうだったように、途中テラス状に掘られた横穴がありました。
地質はどこも同じで、基本的には粘土質石英脈。
あと大沢鉱山エリアで未探索なのは、柴倉山のピーク直下の9合目から8合目にかけての斜面だけとなりました。
(山腹をトラバースしている廃林道より下の斜面は、まだ全く歩いておりませんが。)





nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。