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万才坑を探して [鉱物 (弥彦山周辺・間瀬銅山)]

間瀬銅山に関して、詳しく言及している資料(学者の論文も含め)はほとんどありません。
郷土資料の記述が全て。
過去何度か当ブログで書いているので詳しくは書きませんが、大正4年に発見された万才坑が間瀬銅山の歴史において最大の採掘量を誇ったと郷土史にあります。
場所については地図はなく、大平山上部というのが唯一の手がかり。
大平山は結局大平園地のあるピークだと突き止め、一昨年から何度か虱潰しにこれはと思う地形を歩き回ってきました。

oohirayama.jpg

イエローのラインが今回(29日)歩いた部分です。
数十メートル途切れてはいるんですが、その右の登山道は昨年弥彦スカイライン側から往復しました。
ピンクで囲んだエリアが坑口が控えているのでは?と予想している場所で、今日の結果を踏まえて言うと、一番上のエリアの可能性は消滅。
その下のピンクのエリアも可能性は限りなくゼロに近い。
あるとすれば明神沢立坑の東、尾根一つ隔てた谷の沢筋あたりが怪しいと思います。
明神沢立坑が一つだけ独立してあるのは何とも解せず、地中で他のもっと大きな坑口とつながっていると考えるのが自然。
その大きな坑口こそ万才坑ではないかと。
今度弥彦スカイラインが開通したら、一番下のピンクのエリアを探索してみるつもりです。
明神沢立坑の近くに旧道の分岐があるとの記述をどなたかのブログで読みましたので、今は廃道となっている旧道こそ、万才坑のために作られた道ではないかと想像したり。
ところで、なぜ今回このルートを歩こうと思ったかと言うと、月産30tの産出をみたというほどの坑道であれば、そこに至る踏み跡が残っているはず。
イエローのラインの尾根筋に明瞭な踏み跡が残っていることに昨年気づきました。
A沢の分岐から上の方の沢沿いは既に探索済みなので、今回は分岐から下の方の沢沿いに坑口があるのではないか、となるとこの尾根道から坑口に至る踏み跡が分岐しているのではないかと考えを巡らせ、沢の分岐点のやや上~標高420m付近~まで歩いてみました。
そのまま弥彦スカイラインに出て田ノ浦コースで下山してもよかったけど、1年で最も見通しが効くこの時期を有効利用したく、帰りも同じルートを下りながら左右の地形をつぶさに観察しながら歩いたのです。
途中からA沢に降り、沢沿いに踏み跡がないかもチェック。
踏み跡がなければA沢の上流に坑口が控えている可能性はなくなりますから。

IMG_5405.jpg

下降地点から20m上流のゴルジュ帯。
すぐに小滝が連続する地形となり、この先から踏み跡は完全に消えました。

IMG_5409.jpg

左にカーブするとすぐこの滝が行く手を塞ぎ、ここでUターン。
沢靴を履いていれば直登できますが。
この沢の源頭部は地図を見てもらうとわかるように、昨年遡行しています。
傾斜はそこそこ急でしたが、ザイルを使うような場所はなかったので、おそらくこの沢は通しで難なく遡行できるでしょう。
中級者レベルから多分OK。
快適な沢歩きができるものと思われます。

IMG_5397.jpg

正面右のピークが大平園地(大平山)。
痩せ尾根に付いている踏み跡は明瞭で、地形図をみてもらうとわかるように斜度はほぼ一定です。
最初の7~8分は視界があまり良くないですが、標高200mの辺りから視界が開け、その後はそこそこ広い視界を保ったまま歩けます。
ヤブが深いところもなく、鎖場もありません。
はっきり言って、このルートを利用する人がいないのは弥彦山七不思議の一つ。
田ノ浦コースと合わせて周遊コースとして利用するといいのでは?
唯一の難点は、コースの入口がわかりにくいこと。
田ノ浦側からもそうですし、スカイライン側から下山ルートして利用する場合もコースの入口に標識はないため地図読みが必要です。
田ノ浦側から登る場合の注意点を述べます。

IMG_5412.jpg

写真には写っていませんが、すぐ左手に「登山口->」大きく書かれた看板が立っています。
その前に登山道を挟んでこんな倒木が横たわっていますからここが目印。
東側20m先に沢が流れており、写真にはかすかにしか写っていませんが堰堤があります。
この堰堤は階段が設けられているので、階段を利用して河床に降り、沢を横断します。
すぐ目の前に尾根の末端が見えてくるので、そこまで踏み跡は一時的に不明瞭になるのですが痩せ尾根の真ん中を登っていきます。
2~3分も歩けば踏み跡は明瞭になり、普通の登山道と同一レベルになるので、あとは無心に登るだけ。
途中枝道もなく、迷うことはないでしょう。
ちなみに、なにげにこのルートは下から上まで(上と言っても引き返した地点までですが)山野草があちこちで咲き乱れており、疲れが吹き飛びました。
歩く人がほぼ皆無なので、踏み跡ギリギリまでお花畑が続いているのです。
山野草ファンにもオススメしたい穴場ルートです。

※4月4日追記:
ぼくが今まで八号坑と思いこんでいた坑口が万才坑である可能性が高いです。
詳しくは4月4日の記事参照。



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