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間瀬銅山本坑エリアの全貌 (3) [鉱物 (弥彦山周辺・間瀬銅山)]

14日、五号坑と思われる結構大きな坑口の先に、続いて新たな坑口が右岸に出てきた話を前回書きました。
さて、この日はここからが本番。
前日下山時に、対岸のかなり上の方に坑口が二つあるのを見つけたわけですが、それらの探索に入りました。

IMG_2827.JPG

標高差で40mぐらいでしょうか、沢筋を離れ、急斜面をひと登りしたところで目的の坑口を発見。
これは14日の記事の、下から二番目の写真の坑口です。
ちなみに、一番下の写真の坑口はここよりざっと20mくらい上に位置するのですが、今回は見つけることができませんでした。

IMG_2833.JPG

驚くべきことに、非常に長い水平坑道が正面に伸び、右下には立坑が待ち構えていました。
小さめな間口からは想像できない、立派な坑道(ただし、高さはない)。

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望遠レンズで捉えた最奥部。
どうやらあそこで閉塞しているようです。
距離はだいたい40m弱でしょうか。

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こちらは右手の立坑内部。
左斜上方向に坑道が続いているように見受けられます。

IMG_2834.JPG

坑口を出て、ここからほとんど真上方向にあるはずの別な坑口を求め、斜面をああだこうだと登っていくと、なんとはっきりした踏み跡に遭遇。
ちょっと右側に逸れてしまったし、高度も予定より10mほど登りすぎてしまったので修正しようと思っていたら、立派な踏み跡が出てきました。
まさかこちら側の斜面~それもかなり沢から登っています~に踏み跡が出てくるとは全く予想外だったので逆に興味を惹かれ、あるべきもう一つの坑口探しはまたの機会に譲り、この踏み跡を辿ってみることにしました。

IMG_2836.JPG

踏み跡は終始明瞭で、弥彦スカイライン方面に向かって一直線に伸びています。
このまま稜線に突き上げるのかな?そろそろ引き返した方が無難かなと考えあぐねていた時、唐突に踏み跡が途絶えました。
正確に言うと、途絶えた地点からジグザグに方向を変え、やや不明瞭になりながらも踏み跡は続いていたのでそこを辿っていくと、写真の坑口に遭遇。
これが八号坑か!
全く予想外の斜面に坑口はありました。
内部は落ち葉が例によって厚く堆積しており、入れるような高さはなかったです。
明治時代の坑口であり、八号坑に関してはおそらく大正時代まで持たなかったと思われるのですが、かつては大勢の人がこの踏み跡を辿って行き来していたのでしょう。
多宝山周辺の坑口もそうでしたし、直近の例で言えば県北の大沢鉱山もそうだったように、必ず坑口に至る踏み跡が山中に残っているものです。
坑口を探す前に、それらしい踏み跡を見つけることが大切。

IMG_2839.JPG

八号坑から半径10m以内に、二つの坑口を見つけました。
といっても、これら二つはグレーゾーンではありますが(坑口でないかもしれない確率40%)。
でも、八号坑がそうであるように、廃坑の入り口には切り取られた大木が斜めに置かれていることが多いです。
この坑口もらしい大木が置かれているので、坑口である可能性大だとは思います。

IMG_2843.JPG

これは対岸に見える尾根ですが、本当は八号坑はこの斜面の7~9合目にあるのではないかと思っていました。
なぜなら、郷土史の絵図では八号坑が沢の左岸に描かれているからです。
まだこの対岸尾根で予想した斜面を歩いていないので断定はできないのですが、従って向こう側にも坑口が出てくる可能性は残っています。
いずれ確かめてみたいと思いますが、正面に見えている谷の下の方は何度か歩いたことがあるのだけど、明瞭な踏み跡は見られません。
なので、絵図が間違っていると思うのですが・・・

IMG_2847.JPG

帰りは沢には降りず、この踏み跡を辿って下山することにしました。
どこへ通じているか、確かめてみたかったし。
だいたい予想通りのルートで下へ下へと伸びていました。
途中2箇所ほど大きな倒木が道を分断しており、ルートファインディングに迷う場面もあったけど、上の写真のようにうっすらと苔むした道は歩いていてとても快感でした。

IMG_2851.JPG

踏み跡は2/3ほど下った辺りで二手に分岐。
ここで尾根筋を離れ、沢方向に向かっている踏み跡をチョイス。
しばらくしたら、新たな坑口がまたまた出てきました。

IMG_2850.JPG

こちらも内部は落ち葉の山に埋もれていますが、元は坑道の高さが1.5m以上あったように思われます。
この先、こちらの踏み跡は尾根筋からの踏み跡と合流したのでした。
最終的にスタート地点とさほど離れていない場所へ通じていました。
帰宅してGPSのログを地図(カシミール3D)に落とし込んでみて、改めて分析してみると、本坑エリアの全体像が自分なりに掴めました。
今回の最高到達地点の標高は約340m。
まだまだこの広い谷間一帯には坑口が隠れているものと思います。

※補足
間瀬郷土史の八号坑を記した絵図に、鮫坑に至ると小さく書いてあるんですけど、なるほど昔は鮫ノヒの露頭まで踏み跡が続いていたのかもしれません。





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