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威風堂々~石瀬鉱山の本丸へ (1) [鉱物 (弥彦山周辺・石瀬鉱山)]

※2024/02/01記事修正
当初の記事では”多宝鉱山の坑口発見”としていましたが、新たな資料と出会い、多宝鉱山の区域を知ることができました。

弥彦全体図_多宝.jpg

出典:採掘権第202号 鉱山名:多寶鉱山(=太刀川鉱山)。
明治37年宮川伝四郎設定、明治40年太刀川弥十郎へ譲渡、昭和3年太刀川藤一が相続、昭和9年放棄(消滅)

よって、多宝山東~北東山麓に位置する坑口群は石瀬鉱山に統一するものとします。

赤滝上流で、新たに複数の坑口を発見しました。
上半分はナメ滝っぽい細い流れになっており、そこまで含めると落差は少なくとも25~30mはありそう。
目的の坑口は、赤滝のさらに上流部に鎮座していました。

IMG_1672.jpg

2020年2月25日の記事に、県立図書館で入手した絵地図を掲載しています。
それをご覧になって頂きたいのですが、中づるねと名付けられた尾根の右側を流れる沢が小滝沢、左が大滝沢です。
実は今回大滝沢上流へ行くつもりで、下流部に出てくる坑口群は無視し、中づるねから登って途中出てくるはずのへつり道を見つけ、そこから沢へ下降する予定でした。
しかし尾根を登りすぎてしまい(標高380mまで登りました)、大滝沢は断念。
途中、今から思うとへつり道を発見してはいたのです。
ですが大滝沢側への踏み跡は不明瞭だったので、明瞭だった小滝沢側への踏み跡を辿っていきました。
そのようにして小滝沢上流部へ下降。
沢沿いに下りながら坑口を探しました。

IMG_1680.jpg

さて、この坑口は2020年12月19日の記事で紹介した坑口と同じ坑口です。
小滝沢は入渓して10分弱歩くと大きな最終堰堤が現れます。
そこから5~6分でこの坑口が左岸に現れ、対岸には奥行き2.5mくらいの狸掘り跡の穴も出てきます。
その時はそこで引き返したのですが、最初の写真の赤滝はそこからはるかに上流に位置しています。
もう一度絵地図をご覧になって頂きたいのですが、銅山洞窟と書かれている場所は赤滝より上になります。
当時はそれほど気にも止めていなかったのですが、今回は絵地図で描かれている坑口もこれから紹介する坑口とは別に、さらなる上流部で見つけました。

IMG_1652.jpg

今回は上流から下流へ歩いていますが、時系列を逆にし、下流部から順にレポートします。
ところで、赤滝はその上にもナメ滝が連続して掛かっており、まとめて高巻きする必要があります。
左岸は到底無理。
迷わず右岸を高巻きます。踏み跡も部分的に残っています。
ほどなくして再び高巻きが必要な滝が出てきますが、その右奥に大きな坑口が控えていました。

IMG_1666.jpg

写真で見ると大きさはわかりませんが、間口の高さは3mはあるでしょうか。
昨年探検した坑口で言えば、水谷銀山の上谷坑、或いは草倉銅山の三角沢坑に雰囲気やスケールが似ていると思います。
まさに威風堂々、ここが本坑口だと言わんばかりの風格を備えています。

IMG_1665.jpg

内部は2段構造になっていました。
天井の高さと言ったら・・・

IMG_1664.jpg

上段部の奥の方。
手前側からの登攀は無理。
おそらく下段側坑道の奥に、上段部へ上がるハシゴか階段があるのでしょう。

IMG_1660.jpg

下段側の坑道の様子。
残念ながら半ば水没しているため、奥へは入れません。
結構リアルです。
10年くらい前まで稼働していたような、生々しい空気感が漂っています。

IMG_1662.jpg

写真は、カメラ内蔵フラッシュでは全然役不足なので、2600ルーメンのハンドライトを併用して写したのですが、最奥部までは光が少ししか届きません。
なので、フォトショによる画像処理で暗部を思い切り持ち上げ、かつピクセル等倍で切り出してみました。
これを見ると、坑道はゆるく右へカーブし、さらに奥へ伸びている様子が伺えます。
左手には四角い形状で金属質な何かも写っています。
かなり大規模な採掘が行われた様子が伺えます。




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