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間瀬銅山の核心部 [鉱物 (弥彦山周辺・間瀬銅山)]

間瀬銅山は弥彦山山麓に展開する複数の鉱山の総称、いわばブランド名です。
開発の歴史は古く、元禄13年(1700)にまで遡ります。
大正時代前半に最盛期を迎え、その頃は270人あまりの人々が鉱山集落に住んでいました。
真沢(=宝川)沿いにあった飯場には製錬所や選鉱場が置かれ、極めて高品質な銅は燕の銅食器の製造に使われたそうです。
今でも鉱山集落の名残を残す遺構は多く、その一つとして山の神の祠を紹介しましょう。

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さて、江戸時代から大正時代に至るまで、最も多く探鉱されたのは深ヶ沢沿いでした。
なので、間瀬銅山の坑口を見てみたいと思ったら、まずは深ヶ沢はどこかを特定するのが先決。
これはそれほど難しい作業ではないと思います。
そもそも真川自体大きな川ではないですし、地図を見れば候補は3つぐらいに絞られるのではないでしょうか。
3~4年前に飯場周辺の観光は済ませているのですが、実際坑口を見つけることを目的に深ヶ沢を沢登りするのは初めて。
行きは沢沿いを歩き、帰りは標高230m付近から深ヶ沢の左岸沿いにハッキリした踏み跡があったので、そこを辿って下山しました(その踏み跡は標高130mで沢に降りるまで続いていました)。

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最初の坑口まではかなり沢沿いも歩きやすく、要所要所にはこのように補助ロープも付いていました。
歩きやすいといっても微妙なバランスを要する箇所も少なからずあり、登山靴や沢靴は必須です。

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そして、右岸に坑口が現れました。
岩の上の方には露天掘り跡。

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しかし、穴の間口はそこそこの幅があるものの、1.5m先からは天井の高さが70cmくらいとなり、そのままの高さで坑道は奥の方まで伸びています。
江戸時代規格?
匍匐前進しないと前に進めず、さすがに中へ入ってみようという気にはなれませんでした。
間瀬銅山の坑口の写真を掲載しているHPやブログは決して多くはなく、ぼくの知る限り5つくらいなもんです。
そのいずれのサイトもこの坑口の写真を載せています。
理由は一番最初に出てくるからです。
行ってみて初めて納得しました。
間瀬銅山を語るとき、誰もが参照する資料は”間瀬郷土史”でしょう。
この資料には坑口の位置の概略図も載っているのですが、あまたある坑口のどれもが左岸にあることになっているのです。
そこが矛盾するのですが、もっともあの資料に載っている図はどれもいい加減なので、深く悩む必要はないか・・・


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そこから少し先に巨大な露天掘り跡が左岸に現れました。
圧巻です。
一応中へ入ってみましたが、坑口はありませんでした。
また、ここから先にも似たような感じの露天掘り跡が左岸に出てきました。
ちなみに、帰りに利用した踏み跡はその露天掘り跡が起点です。
起点となる箇所で大木が根っこごと倒れており、それがゆえに踏み跡の存在が下からはわからないのです。
それが難点。
踏み跡に入りさえすれば水色のテープが木の枝に巻きつけられていますので、それを辿っていけばOK。
その区間、沢沿いには露天掘り跡や坑口は出てこないので(多分)、上部の坑口を目指すのであればかなり時間が短縮できます。

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そして、もう一つ坑口が左岸に現れました。
この先は沢も傾斜を増し、標高175m付近で沢は二手に分かれます。
水量は同じくらいで、地形の雰囲気も大同小異。
さて迷いました、どちらへ進むべきか。
結局右手の沢へ歩を進めたのですが、70~80m進んだところで再び二股に分かれています。
そのあたりから水は付流となり、踏み跡も消えます。

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ここで詰まった・・・
結局、標高270mのあたりでUターンしたのですが(時間切れ&体力切れ)、目指す上部坑口にはたどり着くことが出来ませんでした。
深ヶ沢上流の坑口の存在は、HP「柵の向こう側」さんや、第15回歴史ウォーキング”間瀬銅山跡を歩く”(寺泊公民館および寺泊地区体育協会主催)のレポートで知ることができます。
坑道の長さは少なくとも200m以上あるとのこと。
でも天井が低く、背を屈めないと進めないそうなので、身長180cmあるぼくは入口付近の写真を撮るだけで終わりそうですけど。
”間瀬郷土史”から引用します。
「・・・大正四年始め、大平山の上部に露脈を発見して探鉱したら、坑口より約100mの地点に新鉱脈を掘り当てた。ちょうど大正天皇即位式当時だったから”万歳鉱”と名付けた。月産30トン以上で最大の探鉱場となった。」
この文献に書かれている万歳鉱が、ネットで坑道内部の写真が詳しく紹介されている坑道と同じ場所なのかどうか?

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沢沿いで見かけた鉱物です。
黄銅鉱や黄鉄鉱を採掘していた鉱山なので、ズリを探すと比較的容易に黄銅鉱が付いた石は見つけることができます。田ノ浦海岸でも同様の石ころは落ちているし。
これは50~60cmくらいの大きな転石の表面に付いていたもの。場所は最初の坑口の手前の河原です。

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近くには、一回り小さい似たような石が・・・
今回、間瀬銅山のズリを見て回る余裕はなかったのですが、知人が昨年博物館クラスの方解石の美晶をゲットしたし、紫水晶のポイントを拾った人もいます。
真川に関してはそれほどヤブが深くないので、沢沿いでは通年鉱物探しができると思います。










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