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場割沢のズリへ [鉱物 (新発田市・赤谷鉱山)]

数日前に引き続き、2回めとなる赤谷鉱山場割沢鉱区のズリ場へ行ってきました。
前回も今回も諸々の事情で現地には約40分しかいられなかったのだけど、中身の濃い探索ができました。

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古写真を見ると草木一本生えていない大斜面なのだけど、現在は完全に自然に還っており、赤谷鉱山随一の産出量を誇った(場割沢鉱区が9割を占めていた)面影は表面上はありません。
とはいえ、GPS機器で記録した今回歩いた軌跡をチェックしてみると、標高差でわずか20m弱登っただけ。
270m地点で引き返したのだけど、場割沢の上部は標高500mあります。
やっぱり場割沢鉱区はとてつもなく広大なんです。

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途中、大きな壁かブロックが崩れているところを通過しました。
その脇に自然に出来たものか、壁が崩れたことで出来たものかはわかりませんがちょっとした穴が出来ており、隣接する斜面には、粘土(カオリナイトかモンモリロナイト)に埋もれて鉱石が多数顔を出しています。

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これはその粘土に覆われた斜面のほんの一部だけど、写した写真をピクセル等倍で見てみると、水晶のポイントらしいものも見られます。
今度ゆっくりここでホジホジしてみたいものです。
水が赤茶色に染まった場割沢を詰めていくと、ほどなく小滝を通過しますが、右手から何とか巻けました。
小滝の上へ出ると一気に沢筋に散乱している鉱石の”質”が上がり、種類も増えてきます。
結局ここだけで探索に30分を費やし、頭に思い描いていた鉱物もゲットすることができました。
といっても、ドロマイトの美晶にはお目にかからなかったけど(それらしい大きめの鉱石は転がっていたので、ハンマーで割れば或いは中から汚れのないドロマイトが姿を現した可能性はあります)。

東赤谷にあった本来のズリ山はとうの昔に撤去され、今は幾つかの広場にズリの名残が残っているだけ。
赤鉄鉱だったら今でもこの広場で拾うことができますが、採掘現場により近い斜面に行くと、比べ物にならないくらい鉱石の質と量は向上します。
ただし、かなり急な沢を登っていくので一般的ではありません。
といっても、お隣飯豊鉱山の坑口直前の、あの斜面の急峻さに比べたら天国ですけど。
沢靴は必要なく、スパイク付きの長靴なんかで十分。
繰り返しますが、場割沢鉱区は下部だけでも面積が非常に広く、一般的な知名度はないので人が入っている形跡もなく(ゴミは皆無でした)、ズリのポテンシャルの高さは特筆モノです。

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今回ゲットした石たち。
みんな7cm前後の小さな石ばかり。
しかし、赤鉄鉱と言えどこだわりをもって質感の高いものを拾ってきたのでとりあえず満足です。

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今お話しした赤鉄鉱。
鏡鉄鉱のシルバーと赤い部分が同居しており、イメージ通りの赤鉄鉱を見つけることができました。

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こちらは鏡鉄鉱。
かなり大粒の結晶が見られます。
方解石や石英も付いています。

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灰鉄輝石(ヘデンベルグ輝石)も多数見られました。
できれば水色~黄緑のヨハンセン輝石を見つけたかったですが、それは叶わず。
もっとも両者(灰鉄輝石とヨハンセン輝石)は連続体として出現することもあるので、ヨハンセン輝石に近いものはあったかもしれません。
写真のこれも比較的グリーンが入っている方だと思います。

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さっきの赤鉄鉱の反対側の面を写してみると、何やら黄褐色の部分が・・・
どうやら菱鉄鉱か苦灰石のよう。
貝殻のような菱面結晶が見られますが、図鑑で調べてみると上記の鉱物が候補に上がりました。

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黄銅鉱の中にはこのように虹のような色が付いているものがあります。
赤谷鉱山スダチ沢へ行ったときもレインボー黄銅鉱は見つけたけど、こちらの石はレインボー部分の面積が広い。
石英や亜鉛系鉱物、それに自然銅も見られます。
まだまだあるかもしれない。
もっと勉強しなければ。

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最後にコレ、謎の鉱物。
見つけたときは泥にまみれており、灰鉄輝石だろうと思いました。
しかしながら、帰宅後入念に水洗いすると思ったほど繊維質な質感はなく、焦げ茶色部分の透明度がかなりあることに驚きました。
煙水晶のようなガラス質の質感。

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実際、水晶のようにとんがっている部分があったので、拡大撮影してみました。
面の数から言うと水晶ではないようです。
もう少し図鑑で調べてみます。
(一応、灰鉄輝石ということにしておこう。)










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