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月明かりとヒメボタルの発光頭数の関係 [ヒメボタル 2020 (下越)]

29日、前日に半月(上弦の月)を迎えた明るめの月が空に出ています。
表題の、月明かりと(ヒメボタルに限らず)とホタルの発光頭数の関係はどうなっているんだろうと毎年疑問に持ってきました。
自分なりに観察してきましたが、どうもよくわかりません。
見つけにくいだけで、意外と発生しているのではないかと感じてきてはいましたが。
ところがつい先日、興味深い論文を見つけました。


13年間に及ぶ調査の結果、その年のピーク日の「月の満ち欠けの影響」(=月齢X出没時間)が高いほど、多く発生する傾向にあることがわかったそうです。
その理由についても詳述してありましたが、ここでは省略します。
これは固定観念を覆すものであり、画期的な研究成果だと思います。
言われてみれば、確かにそういう傾向にあるのかもしれない。
もうひとつぼくなりに得た結論は、ピーク日はかなり固定されており、その年の気温などの条件にそれほど左右されないというものです。
それならば標高400m前後に位置する県北の生息地、今年はそれこそ満月のあたりにピークが来そうなのですが、満月の前後に一度行ってみる必要がありそうですね。

ところで、29日は27日に訪れた場所を再訪しました。
伐採のために林の中に作られた作業道をさらに奥まで歩き、そこにカメラを構えました。

IMG_5669_5701p.jpg

光り始めは前回より早く、19時45分。
これは最初の10分間の画像。
頭数も前回より多く、3割増しといったところ。
天候は薄曇りで、朧月夜といった感じでしょうか。
20時20分頃から時折雲が取れ、直接月明かりが林内を照らすこともありました。
このように明るさが残っている状況ですと、ホタルの光はよくわかりません。
ピクセル等倍にすると、ほぼ全域にヒメボタルの光跡が写っているのです。
昨年までより若干数は少ないけど、思ったより工事の影響はなさそうで少し安心。
ただし、ピンクのテープがぶら下がっているあたりが今後伐採される可能性はあります。
来年はどのような姿になっているのか、不安が残ります。

IMG_5702_5792p.jpg

こちらはその後の30分間の画像。
うっすらとした月明かりがあるため、林内はヘッドライトなしでもぎりぎり歩けるほどでした。
尚、直接月光が林内に入ってきた20数枚の画像は、この写真の比較明合成から外しました。
この林のピーク日は大体6月末~7月頭にかけてなので、月が明るくなってきているにも関わらずホタルの数が増えてきたことは、くだんの論文の内容を立証するものです。

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もう1台のカメラの画像。
前回カメラを構えた場所に比べると、今回の2箇所はそれほど多くヒメボタルが回遊しに来てくれなかったです。
やはり、あまり林の奥に行くと、若干数は減るようです。
月が頭上に上ってきてわかったのですが、林内には比較的月明かりが差し込まない区域があることに気づきました。
また、撮影中あちこち歩き回ってみて、この林の面積はかなり広大であり、若干のばらつきはあるものの、基本的にまんべんなくヒメボタルが生息していることがわかりました。
今回歩き回ったのは谷側の林だけです。
山側の林でも前回より2~3割ほどホタルは増えているように見えたので、いつか機会があれば山側の林の奥でも撮影してみたいと思います。

撮影を早めに切り上げ、向かった先は高坪山の登山口。
夕方下見して非常にいい感じだったので。
現地着21時30分。
登山道が蔵王コースと虚空蔵コースに分岐する地点のそのちょっと奥~石碑の立つあたり~まで歩いてみました。
そこから先は原生林っぽい威厳のある杉林が続きますが、残念ながらヒメボタルを見つけることは叶わず。
この日の夕方、関川村の中束周辺も下見したけど、広大すぎてどこに的を絞ったらいいかわからない。
探せばいくらでも生息地は見つかると思うんですが、神林村も関川村も山また山。
ひ、広い・・・







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